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73.ボーナスエリアと守護騎士


翌日、再度「東の迷宮」に向かっていた。ギルドに告げてある調査日数は三日ということで、今日がギルドの依頼の最終日になる。


「昨日でギルドが知りたかったことの大半は終了してるから、今日は新たに出来てた道をちょっと調べて戻って来るだけにしようと思う」


昨日の成果をギルドへ報告を一人で請け負ってくれたミスキが出発前にそう告げた。タイキは少々物足りなそうな顔をしていたが、昨日の戦闘で比較的ダメージの大きかったバートンと、タイキ自身も顔色はあまり良くなかった。クリューもまだ魔力が回復し切っていないということで、今日は早いうちに引き上げようということになった。


「昨日の報告で、この定期討伐が終わったらBランクのパーティが改めて調査に入るそうだ。昨日は運が良かっただけで、俺達には正直荷が重い相手だったしな」


いつもの軽めの口調でミスキは肩を竦めてみせたが、その声の裏に少々苦いものが含まれているのは何となく伝わった。



「ねぇ、ところでもうすぐこの定期討伐も終わるけど、レンくんはその後に予定とかある?」

「今のところは特に。取り敢えず体が鈍らないように何か考えないととは思ってますけど」


馬車に並走しながらノルドに跨がったレンドルフと会話するのにもすっかり慣れ、クリューは馬車の縁に頬杖を付きながら話しかけて来た。


約一ヶ月に及ぶ定期討伐も、後数日を残すところになっていた。


「あのさ!オレ達いつも定期討伐終わった翌日におふくろの店を貸し切って打ち上げやるんだ!レンも来るよな?」

「今のところ予定もないし、参加していいなら」

「いいに決まってるだろ!いっぱい旨いモン食おうぜ!」

「そうだな。楽しみにしてる」


最終日は、討伐に参加した冒険者達があちこちで互いの無事を祝って盛り上がる。特に報酬が支払われた直後なので彼らの懐が最も温かいこともあり、街の飲食店も稼ぎ時だ。その為、ミキタの店もかきいれ時なのでタイキ達は一日ずらして打ち上げをするのが恒例になっていた。


「あとね、ギルド前で討伐終了後に一週間マーケットが開かれるの」

「マーケット?」


ノルドの背に共に乗ってレンドルフの前がすっかり低位置になっているユリが、顔を横に向けて話に入る。


「うん。定期討伐でギルドに持ち込まれた魔獣の素材をギルドが解体して売りに出すんだけど、それを買い付けに来る商人が売り物を持ち込んで出店するの。国外からも人が集まるから、珍しい商品とか掘り出し物とかもあるよ」

「オレの武器も前にそこで手に入れたんだ!」

「それは面白そうだ」


タイキは自慢げに自分の腰に差した曲刀をポンと叩いてみせた。なかなか見かけない極端に曲がった刃と見慣れない意匠だとは思っていたが、そこで仕入れた異国の品物なのだろうとレンドルフは納得した。


レンドルフの故郷のクロヴァス領の定期討伐はこんな風に特別なものではなく、冒険者の申込がそこまで多くない為に、結局日常的に討伐に行っている領専属の騎士団が出ている。なので、いつもより見慣れない冒険者がいるな、くらいでほぼ日常と変わらないのだ。こうしたお祭りのように盛り上がるのは、なんだか不思議な感覚だった。



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今日も念の為に魔馬と馬車、そしてノルドはダンジョンの入口付近に置いて行くことにしていた。


「また何かあったらよろしくね」


ダンジョンに入る前にユリに鼻先を撫でられ、ノルドは嬉しいのかピルピルと両耳を振っていた。そしてレンドルフにチラリと意味ありげな視線を送って来た。が、レンドルフはノルドがどういう意味を込めて視線を送って来たのか一向に気付かずいつも通りの対応をしていて、何故かノルドに耳元で大きな溜め息を吐かれていた。



近くにノルドや魔馬がいるので魔獣避けの笛は使用せず、入口付近のコウモリ型魔獣はクリューの魔法で一掃させた。そのまま順調に進んで、新しく出来た三叉路の前まで来た。先日は中央は埋まっていて、右側はキラーアントの群れがいるエリアに繋がっているのは調査済みだ。


「今日は、前回奥まで行かなかった左側に行ってみるが、厄介なヤツや様子がおかしいと思ったらすぐに引くぞ」

「分かってるって」

「お前が一番危なさそうだから言ってんの!いいな!」

「はぁーい」


ミスキに厳重注意をされて、タイキはちょっと口を尖らせながら答えた。さすがに昨日の今日で無茶をするのは得策ではないのは分かっていたが、何度も言われてしまうとちょっと反抗したくなってしまう年頃なのか不満が表情に出てしまっていた。


少し通路が狭くなっているので、ミスキを先頭にすぐ後にタイキが続き、レンドルフが最後尾を歩くことにした。


「思ったよりも狭いな。レン、大丈夫か?」

「このくらいなら何とか。ただ、ちょっと大剣は使い辛いな」

「これ以上狭くなるようなら引き返そう」

「すまない」

「気にすんな」


最初の曲がり角を抜けると、徐々に天井が低くなって来た。今のところまだレンドルフが真っ直ぐ立って歩く分には問題はないが、背伸びをすれば頭頂部に触れてしまいそうな程になっていた。何となく心理的に圧迫感があるせいか、当たらないのは分かっていてもレンドルフは少々背中を曲げて進んでいた。愛用の剣は扱えなくはないが動きが制限されてしまうので、用心して懐に入れている短剣を一本取り出しやすいように腰のベルトに下げておく。



「何か…いるんだけど、見えねえ」


この通路は、敷き詰められている石の一部が発光していて、ランタンの灯りなしでも歩くことが出来た。薄暗いながらも目が慣れていれば問題ないのだが、タイキはその先の何もない空間をジッと見据えて眉を顰めた。


「擬態とか隠遁みたいなのを使った何かがいるってことか?」

「多分。気配はするんだけど、全然動かねえ。匂いもしねえし」

「一番手前の気配のある位置を指示出来るか?」

「んー…と」


矢をつがえて構えるミスキに従って、タイキは目を細めて指で何かを数えている。


「右、光ってるのの下から4。先13」

「分かった」


光っている石の数を数えて、タイキがミスキに場所を教える。それを聞いてミスキはすぐに行く方向に向かって矢を撃ち込んだ。


「反応がないな」

「でもミス兄の矢はきっちり当たってる」


数メートル先の壁にミスキが放った矢が刺さっているのは肉眼でもうっすら確認出来た。が、タイキ曰く当たっているのに何も変わった様子は見られなかった。


「取り敢えず矢の場所まで行ってみよう」


周囲を警戒しながらゆっくりと歩を進めたが、矢が刺さっている側まで来ても何の変化もなかった。


「タイちゃんが感じてる気配って、まだそのまま?」

「ああ。そのまま動いてねえ。何なんだ、アレ…」


矢が刺さっているし、ここまで近付けば何らかの反応があっても良さそうなのに、一向に動かない気配にタイキも警戒よりも戸惑いの方が大きくなっているようだった。


ガン!!


タイキが首を傾げると同時に、何か固い音がした。


「レンさん!?」


レンドルフのすぐ前を歩いていたユリが声を上げたので、振り返るとレンドルフが片手でレンガブロックのようなものを掴んでいた。それは通常のレンガよりもずっと大きかったが、レンドルフには片手で掴めるサイズだった。


「今こいつ、ユリさんの手に絡もうとした」

「え?」


レンドルフの掴んでいるのはどうみても生き物には見えなかった。その現場を見ていないユリも含めた全員が一瞬不可解な表情になった。しかしレンドルフは普段の優しげな表情を消し去って、どう見ても怒りの形相でそのブロックを鷲掴みにしている。ずっと力を込めているのか、彼の手の甲に血管がくっきりと浮かび上がった。


『ギュウウゥゥゥ』


「な、何!?」


聞いたことのない奇妙な声が聞こえて、全員警戒態勢を取る。


『ギュッ!』


鳥が絞められるような声と共に、レンドルフが握りしめていたブロックがバキリと割れた。それはレンドルフの握力に敗北して握り潰されたようで、ボロボロと指の間から零れ落ちた。そしてそれと同時に先程の奇妙な声はピタリと止んだ。


「あ、魔石?」


レンドルフの足元に落ちたブロックの欠片の中から、ユリのこぶし大程度の光る石が覗いていた。レンドルフが用心深くそれを拾い上げると、黄水晶(シトリン)のような色味の透明度の高い魔石が現れた。軽く指で擦ると、付いていた土は簡単に取れて、まるですでに研磨したかのような見事な輝きを放った。


「土属性の魔石だな。こんなに質の良いものは珍しいな」

「魔石が出るってことは、魔獣の一種、だよな?そんなヤツいたか?」


レンドルフが魔石を手の上で転がすように確認した。魔石の価値は主に大きさと透明度で決まると言われている。大きくて透明度が高い程大量で強い魔力を込めることが出来るのだ。今レンドルフが手にしている魔石は、それ一つで大型の魔道具を半年は魔力を補充せずに稼動させることも可能なレベルであろう。


レンドルフの足元で既に土塊になっている謎の魔獣は、誰もその特徴に心当たりがなかった。


「うぎゃっ!」

「どうした!?」


不意にクリューが奇妙な叫び声を上げた。


「い、今、首に生暖かいものが…」


ガゴン!


「これか!」


クリューの背後の壁から、ブロック状の四角いものが這い出して来て、そこからゾロリとした蔓のようなものが伸びていた。それに気付いて、タイキがその中心部に短剣を思い切り突き立てた。その突き立てたものは、ザラリとした感触を刃に伝えてそのまま崩れ落ちた。そしてそこからコロリと親指の先くらいのサイズの魔石が転がり出る。今度はペリドットに似た淡い緑色の魔石だった。


タイキがクリューの背後の壁に短剣を突き立てたとほぼ同時に、レンドルフは今度は両手に一つずつ先程のブロックのようなものを掴み取っていた。


「こいつもか…」


どうやらレンドルフが手にしている二体(?)もユリにちょっかいを掛けようとしていたらしい。眉間に皺を刻んで形の良い眉を吊り上げた顔で、レンドルフは両手のブロックをあっという間に粉砕した。ボロボロと崩れた土のような身が指の間から零れると、レンドルフの両手に一つずつの魔石が残った。


「何なの、これー!」


気が付くと、壁や天上から蔦のようなものを生やしたブロックが次々と這い出して来た。そこまで速度はないので避けることは不可能ではないが、どこから出て来るか分からず、不意打ちで触れられてはクリューが悲鳴を上げていた。


「サンダーバレット!」


蔦の根元に向かってクリューが攻撃魔法を放ったが、どうやら魔法耐性があるらしく、全く動きを止めることが出来なかった。だがその代わりに物理耐性は低いらしく、短剣で刺すだけで一撃で魔石だけを残して崩れ去った。とは言え、強度はレンガブロック程度はあるらしく、刺すのには多少強めの力が必要だった。あまり広い通路ではないので全員短剣で応戦していたが、身体強化が得手ではないクリューは刺すことが出来なかった。ユリは応戦しようとしていたが、その前に近くにいたレンドルフが次々と素手で粉砕して行くので、途中で魔石を拾うことだけに専念することにしていた。


「キリがないな。戻った方がいいか…?」

「あの角を曲がった先には何の気配もねえ!そっちまで行った方が安全だ!」

「よし、行こう」


そこまで強敵ではないが、今までになかった新しい通路であるので、これがどこまで続くのか、そしてこの先がどうなっているかが読めない。引き返した方がいいのかミスキが悩み始めた頃、タイキが先の通路の気配が途切れているのを探知して知らせて来た。そのままもっと先に進むにしろ、再びこのブロックと蔦をくぐり抜けて戻るにしろ、少し休息が必要だろう。


ミスキの判断で、皆は更に奥に進むことにした。



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「え…?」

「あれ?」


タイキが示した曲がり角まで、ブロック型魔獣を崩しつつ魔石を拾い集めて小走りに進み、ようやく曲がり角に到達してそこに駆け込んだ瞬間、目の前に外の景色が広がっていた。


正確には、気が付くと迷宮の入口に入ってすぐ側に立っていたのだった。ポカンと立ちすくむ彼らに、少し離れたところで連れて来た魔馬が二頭のんびりと草を食み、こちらに気が付いたノルドは茂みに成っていたベリーを口にくわえたまま不思議そうな顔で首を傾げていた。



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「すっげえ魔石の数…」


一旦そのまま外に出て、回収して来た魔石を取り出してみた。


小山のように積み上げられた魔石に、思わずタイキの呟きが零れたが、全員同じ気持ちであった。途中で手が足りなくて取りこぼしたものもあったが、それでも集めた魔石は大小合わせて三桁は下らないようだった。最初に拾ったユリのこぶし大の土属性の魔石が一番大きく、それが三つに、後は親指の先くらいから豆粒サイズまであった。さすがにそれ以下のものは拾いきれなかったのもあるが。


「属性も色々あるな。質も…まあまあ悪くない」


ミスキが細かい魔石をザラリと手に掬って眺めてみたが、色とりどりであったし、どれも透明感がある。適当に掬っただけなのに、手の上には屑石と言われる濁ったものは一つも見当たらなかった。これだけでもギルドで換金すれば、平民の家族が普通に暮らして行くだけならば一年分には軽くなるだろう。


「ねえ、ミス兄、この魔石買い取りしていい?」

「おー、別にいいぞ」


ユリが魔石の山の中から、最初にレンドルフが破壊したブロックから出て来たものを指差した。それなりに値の張る大きさと質だが、ユリにとっては大したことではないのをミスキは分かっているのであっさり頷く。


「ユリさん、それは大型の魔道具か何かに使うの?」

「え!?ええと…うん、まあ、そんな感じ」

「じゃあ魔力の補充は俺がやろうか?」

「えっ!?えええっ!」

「ユリちゃん落ち着いて」


挙動不審になったユリに、クリューがポンポンと肩を叩いて宥める。


「レンくんは、言葉通りに申し出てくれてるだけと思うわよ」

「あ…え、そ、そうですね…」


ユリの耳元でそっとクリューが囁いて、ユリはハッとしたように我に返った。


「あの…何か俺、悪いこと言った…かな?」

「ほら!魔石の魔力補充って専門に頼むと結構するじゃない?あんまりあっさり言って来たからちょっとビックリしちゃったみたいよ」

「あ、その、俺は別にそういうつもりじゃなくて…専門家じゃないからこれくらいだと三、四回くらいかかるかもしれないけど、それで良ければ…」


何かまずいことをやらかしたのかと焦るレンドルフに、クリューが慌ててフォローを入れた。それを聞いてレンドルフはみるみるシュンとなってしまった。


ユリが慌てたのは、空の魔石に自分の魔力を込めて相手に贈ることや、それを申し出ることは婚姻を前提とした申込み、つまり婚約を申し込む意味を持つからだった。ここ最近ではあまり見られなくなったが、3、40年前には主流であったし、今も完全に廃れている訳ではない。だが、冷静に考えてみればレンドルフのことだ。おそらくそんな含みも一切なく、純粋に親切心で申し出たのだろうということはすぐに分かる。


クリューはフォローを入れながら「こういうことになるとユリちゃんポンコツなんだから〜」と微笑ましく思っていた。


レンドルフはレンドルフで、ユリのことはまだ裕福な薬師の家系の平民と思っているので、それなりに値の張る魔石を買い取って、更に魔力補充では大変なのではないかと考えての申し出だったのだが、もしかしたらそれを施しと受け取られたかもしれないと思い当たり、己の気遣いのなさに消沈していた。


「あの、ありがとう、レンさん。すごく助かるよ。でもレンさんの負担ならない?」

「それは大丈夫。万一に備えてシャツのボタンとかにいつも自分の魔力入れたりしてるから、それは慣れてる」

「じゃあ、無理のない範囲で、お願いします…その、急がないから」

「うん。じゃあしばらく預かるよ」


ユリにそう言われて少しだけ復活したレンドルフは、手渡された魔石を丁重に布に包んで、腰のポーチにしまったのだった。



「あんまり強いヤツじゃなかったし、アレ倒すだけでこの魔石量ってすごくねえ?」

「えーでもあの攻撃はかなりキモチ悪かったわよぉ」

「そうなの?」

「あの蔦みたいなの、何か生あったかくて……って、あたしだけ?攻撃されたの!?」


クリューが説明したが、誰もポカンとした顔をしていた。そこで、どうやらクリューだけが被害に遭っていたらしいことが判明した。


「あ、でもユリちゃんに絡もうとしたからレンくんに破壊されたわよねえ。ユリちゃんは何もなかったの?」

「はい。ええと、多分レンさんが側にいてくれたんで、全部倒してくれました…」


ユリがレンドルフに視線を向けると、彼は少しだけ照れたように笑って頷いた。


「さすがユリちゃんの守護騎士(ガーディアンナイト)様…」


覚えているだけでも蔦に五、六回は首やら手やらに触られて非常に気色の悪い思いをしたクリューは、誰にも聞こえないくらいの声でそっと呟いたのだった。



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その後、入口周辺を調べたが特に変わったところはなく、もう一度タイキ、ミスキ、レンドルフの三人で同じ通路に行ってみたが、何か気配はあるらしいのだが先程の時のようなブロック魔獣は出現せず、気配のある場所を短剣で刺して見たが普通の石のように刃は跳ね返され、魔石も出現しなかった。ただ、どうやらあの通路は一方通行で、最終的に入口の付近に転移するように出来ているらしいということは分かった。



その後、「赤い疾風」の報告により更にギルドから派遣された冒険者達が調査を重ねた結果、あの通路は時折ダンジョンに発生する「ボーナスエリア」と呼ばれるところだと判明した。


「ボーナスエリア」とは、あまり強くないのに質の良い魔石を持っている個体が出現しやすい場所を指し、冒険者にとっては垂涎のエリアだ。こういったエリアは一日に一回だけ出現したり、完全にランダムの場合もあり、ダンジョンによってパターンはさまざまだ。行く度に出現するダンジョンもあるが、そこに行く回数に応じて出現する魔獣が強くなることもあり、そうそう甘く出来てはいない。


この「東の迷宮」のボーナスエリアは、日に数回、女性がいた場合に限り出現するという奇妙な特性を持っていた。出現する魔獣は女性のみただ蔦で触れて来るだけという攻撃なので、危険度が低く実入りが良いと女性冒険者と組んでいるパーティが次々と訪れた。が、危険度がないからとあまりにも欲張って女性冒険者そっちのけで魔石拾いをしたり、日に何度も挑戦したがるせいで彼女達から愛想を尽かされ、多数のパーティが解散、あるいは解散の危機に陥ったと言われている。


後にこのエリアは「別れの迷宮」と呼ばれて、夫婦や恋人同士で組んでいる冒険者が訪れると破局するという伝説になったのだった。


ボーナスエリアに出て来る魔獣(?)は、女子の素肌に触りたいだけのタイプなので、露出狂とかじゃなければエロいことにはなりません。


レンドルフは別にクリューへの攻撃を無視していたのではなく、明らかにユリを狙って来る方の数が多かったので手が回らなかったのが実状で、クリューもそれは分かっています。

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