168.神官長の内緒話
怪我表現と蛇の話が出て来ます。ご注意ください。
馬車が大型のものになったので、女性三人にレンドルフが乗り込んでも広さは問題がなかった。もっとも、ユリとサティがかなり小柄というのもあったが。
レンドルフは凍らせている左側を馬車の壁側にして、ユリの隣に座っていた。肘から先は完全に凍り付いているので感覚はないし、そのおかげか穴が開いた部分も痛みはない。
「レンさん、大丈夫?どこか気分が悪いとか、辛いとかない?」
「大丈夫だよ。少し腕全体が冷えて来た感じだけど、耐えられない程じゃない」
「それだって辛いじゃない!ええと…せめて肩にこれだけでも」
「大丈夫!自分で出来るから!」
先程からユリが心配して何度もレンドルフの体調に変化がないか聞いて来ている。会話から察したエマからストールを差し出されて、それを受け取ったユリがレンドルフの肩に掛けようと試みるが、ユリの手の長さでは厚みのある体格の彼の反対側に手を回すには抱きつかなくてはならない。心配のあまりなのか、ユリは躊躇もせずにグイグイと抱きついて来るので、レンドルフは慌ててストールだけを受け取って自分で肩に掛ける。それでも心配げに顔を覗き込んで来るので、無意識でレンドルフの太腿に両手を置いている。心配してくれるのはありがたいし嬉しいのだが、やはり人前での距離感というものがある。ただユリの心配も分かるので無碍にも出来ず、レンドルフは顔と耳の辺りが熱くなるのを感じながら、小さな声で「ホントに、大丈夫だから…」と呟くのが精一杯だった。
「す、少し、気を紛らわせる為に、説明してもらえるとありがたいんだけど…」
「説明?あの蛇のこと?」
「うん。ユリさんの様子だと、大分厄介な毒蛇みたいだから」
「そうね…記憶では似たようなのを図鑑で見ただけだから、もしかしたら、って予測なんだけど」
「ユリさんでも?」
「うん。でももしあれが予測の通りなら、この国には解毒剤が存在しない。だからあんな風に強引な手段を使ったの…」
ションボリとした様子で「痛い思いさせてごめんね」と眉を下げながらユリが説明をする。
彼女が言うには、あの蛇はオベリス王国よりももっと北にある大きな島にしかいない固有種の蛇の可能性が高いとのことだった。本来ならば寒冷地過ぎて爬虫類系は魔獣でも生存不可能な土地なのだが、その蛇は恒温動物の体内に寄生して生存方法を獲得したものらしい。現地では有名らしいが、こちらではあまり馴染みのないものなので資料が少なく、何種類かいるらしいのだが一括りに「寄生蛇」と呼ばれていた。この国ではその存在を詳しく知る者は薬師や研究者くらいで、一般的には存在も知られていない。現にレンドルフも全く聞いたことのない生態を持つものだった。レンドルフの故郷のクロヴァス領はオベリス王国では最北の領地ではあるが、寄生蛇の生息域はもっと北になるそうだ。
寄生蛇はその殆どが有毒で、無毒のものは現在分かっている中でも一種類しかいない。レンドルフに噛み付いたものがその寄生蛇かどうかは不明だが、似たような特徴を有している寄生蛇の細密画をユリは見たことがあった。無毒なものか、寄生蛇でなければ問題はないが、万一毒を持っていた場合命に関わる。その為、ユリは迷わず蛇と噛まれた箇所を凍らせて切り離したのだった。
「寄生蛇はね、大抵肉食の魔獣の胃の中に棲んでいて、その魔獣が食べたものを貰って生きているの」
「胃酸で溶けたりしないの?」
「体から出す分泌物で大丈夫なんだって。それで、その分泌物は人間には毒だけど、魔獣には高濃度の栄養剤みたいになるのよ。年中永久凍土に覆われたような土地では獲れるエサも少ないから、魔獣は本能的に自分から寄生蛇を取り込むって言われてる」
寄生した宿主の魔獣が弱ってエサが獲れなくなると、体内の蛇はそれを察知して卵を産むそうだ。そして親はそのまま宿主と死ぬが、死した宿主を食べる他の魔獣の胃の中に卵が移動して次代を繋げて行くという。胃の中に複数寄生蛇がいる個体は栄養状態が良く、強い個体に育つのでより獲物を多く獲れる。そうやって共存している存在だった。
「でも襲われたりして卵を産む間もなく宿主が死んだ場合、胃の中から出て来て近くの生物に寄生する習性があるのね」
「じゃあもしかしたら俺が寄生されたかもしれないってこと…?」
「うーん、多分その前に毒にやられてダメかも。魔獣には栄養でも、人間には結構な猛毒だし」
「どっちにしてもありがたくないな」
レンドルフはそこまで蛇は好きでも嫌いでもないが、さすがに猛毒を持つ生物は近寄りたいものではないし、体内に飼いたくもない。
「ああ、でも」
まだ片手をレンドルフの太腿の上に乗せたままのユリの小さな手を掬い上げるように取って、自然に引き離した後そっと親指の間に挟み込むように軽く握りしめる。
「やっぱり噛まれたのが俺で良かった」
「え…レンさん…?」
「もしユリさんが噛まれていたら、俺じゃどうしていいか分からなかった。ユリさんが無事だったからこそ、こうして適切な処置をしてもらえたんだし」
「それでも!…それでも、レンさんが痛いのには変わりない訳だし…」
「ユリさんが…えええと…女性に傷が残るようなことにならなくて良かった、と思ってる」
「そういう問題じゃ」
「俺には大事な問題」
自分のことを心配して言ってくれるのはレンドルフにも分かっていたが、それでも自分にも譲れないものはある。レンドルフは少し強引だとは思ったが、挟み込んだユリの手を自分の口元に持って行って手の甲に唇を落とすような仕草をする。実際に唇が触れたのは自分の指だったが、鼻先だけ僅かにユリの手に触れた。そのままチラリとユリの様子を伺うと、顔を真っ赤にして口をパクパクとさせて何か言いたげにしていたが、それ以上は言葉が出て来ないようだった。無理に黙らせてしまったようでレンドルフは少々気が引けたが、それでも自分の方が噛まれて良かったという気持ちは譲れないのだ。
「心配してくれてありがとう」
「う…うん…ドウイタシマシテ」
レンドルフの微笑みを真正面から受けてしまったユリは、半分片言になりながらもそう答えるしかなかったのだった。
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エイスの街に入って、一直線に神殿に向かった。
この街の神殿は治癒院と兼任になっているので、王都の中でも比較的規模の大きな施設だ。馬車留めではなく正面玄関に馬車を付けると、既に数人の職員が待ち構えていた。その中で白衣を纏った男性二名は、ユリも顔を知っている薬師だった。得体の知れない蛇を捕獲したことの連絡が既に入っていた為、夜にもかかわらず駆け付けたのだろう。
「怪我人はこちらへ」
「通常の解毒薬では効かない可能性があります。まず鑑定をお願いします」
「分かりました。奥で神官長様がお待ちです」
ユリはレンドルフに付いて行きたい気持ちを堪えて、迎えに出た神官にレンドルフの身を任せた。レンドルフがユリを追い抜くように脇をすり抜けて行く際、一瞬だけ彼の右手がユリの背に触れた。服の上からなので分かる筈もないのに、ユリはフワリと背中に温かさを感じた。
「保存箱を渡して。私も行きます」
神殿の奥へ連れられて行くレンドルフの背中を見送って、ユリは控えていた侍女に指示を出す。彼女達は素早く黒い保存箱を白衣を着た男性に手渡す。ユリは表情を引き締めて、レンドルフとは違う方向へ薬師達と共に向かった。
「どうぞ、お座りください」
神殿のかなり奥の方に通されたレンドルフは、人は数名いるのにどこか静謐とした空気の漂う部屋に通された。その中央には椅子と寝台にもなりそうな長椅子が置かれていて、椅子の方に全体的に白っぽい人物が座っていた。あまり明かりが強く灯っていないので、一瞬その人物は白髪に見えたが、言われるままに正面の長椅子に腰をかけて改めて見上げると、その人物の髪は美しい銀色をしていた。レンドルフは以前に遠目でしか見たことはなかったが、この美しい銀髪で神殿にいる人物と言えば中央神殿の神官長しか知らない。
中央神殿では最年長にあたり、知識も経験もそして魔法の技術も彼に及ぶものはいないと言われているが、決して人の上に立つことを望まず、役職だけは神官長に就いているものの常に国内を巡っては多くの民を治療して回っていると言われている。近親者にエルフがいた為に不老長寿で、見た目は20代から30代くらいに見えるが、実年齢は誰にも分からない。
「失礼致します」
レンドルフが長椅子に座ると、控えていた神官達が腕に巻き付けて氷が溶けないようにしていた布を外しに掛かる。一番下に防水紙を巻いていたので、布の繊維が残ることなく簡単に外れた。レンドルフは改めて自分の腕を見たが、最初にユリが氷の槍で除去した部分が綺麗に丸い穴が開いていた。全く痛みもなく、出血もしていないので何だか作り物めいて見えて、レンドルフは思わずまじまじと見つめてしまった。自分の体に空いた穴から向う側を覗くなどという体験はそうそうあるものではない。
「初めまして。鑑定と浄化、治癒を担当します神官のレイと申します。患部に少し触れて鑑定の為の魔力を流しますので、何か違和感がありましたらすぐに仰ってください」
「はい。お願いします」
レイは静かな声で告げると、レンドルフの凍っている腕にそっと手を乗せた。すぐに乗せた手の平が淡く光を帯びて、それからレンドルフの腕も光り出した。レンドルフは違和感がないか集中していたが、光っているだけで特に何も感じなかった。しかし少しずつ光が移動して、傷口の周辺と指先に強い光が集まって行く。時間にすれば僅かな時間だったろう。レイが手を放すと、その光も消えた。すぐに補佐に当たっているらしい神官が、受け皿のような器具を乗せた台をすぐ脇に持って来て、そこにレンドルフの腕を乗せた。僅かだが氷が溶け出しているのか、受け皿の上に水滴が垂れる。
「確かに、この国では存在しない蛇の毒のようですね。確か学園都市内の研究室に解毒剤が保管されていた筈です。すぐに手配をさせましょう」
彼は懐から手帳とペンを取り出すと、サラサラと書き付けてページを破って別に控えていた神官に渡した。渡された神官は軽く一礼して足早に部屋を出て行く。
「私の浄化でも解毒は出来ますが、見落としがあるといけません。念の為投与した方が良いでしょう。明日の朝には到着しますので、大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
穏やかに微笑むレイの顔を見て、レンドルフは安心感に包まれた。やはり未知の毒蛇に噛まれたかもしれないということで、かなり不安があったのだとあらためて思い知った。そして以前ユリに聞いた「腕の良い薬師や治癒士は、どんな時でも、何度でも、笑いながら『大丈夫ですよ』って言うの」という言葉を思い出していた。
「そちらの魔道具は…」
「あ、こちらはその、貸していただいたものです。多分、毒へ対処する為かと」
レイがふとレンドルフの首に手を伸ばしたので、ユリが身に付けていたものを外して巻いてくれたことを思い出した。それと同時に外した際に色々と見えてしまった見てはいけなかったものをうっかり思い出してしまって、レンドルフは顔にあっという間に熱が集中するのを感じた。あまり明るくない室内なので、誤摩化せていると信じたい。
「あの、試作品と、以前に聞いたのです、が」
「そうですか。なるほど」
レイは、ふと先程とは違う笑みを浮かべたような気がした。
「今度は浄化と治癒を同時に掛けて行きます。こちらも何か違和感がありましたら知らせてくださいね」
「はい。よろしくお願いします」
レイが凍り付いているレンドルフの腕に両手を添えると、再び彼の手が光り始める。今度はすっかり麻痺している中でも僅かに温かさを感じる。指先に特に熱を感じるので、おそらく除去し切れなかった毒が回っていたのだろう。ユリに魔道具を付けてもらった時も同じように指先に熱を感じた。あんなに一瞬の出来事だったのに、瞬時に指先に毒が回っていることの恐ろしさに、レンドルフはあらためて噛まれたのがユリでなくて良かったと思わざるを得なかった。
しばらくすると、ほんの微かだが首に巻いている魔道具の付近にもフワリとした熱を感じた。レンドルフは無意識的に無事な右手でそれに触れると、レイは魔法を行使しながらそれに目を向けた。
「その魔道具で毒が全身に回るのを防いでいたようです。通常の解毒薬や魔道具では毒の回る速度に対処し切れなかったでしょう。良い判断でしたね。彼女も良い薬師になるでしょうね」
「あの…ユリさんをご存知なのでしょうか…?」
「どちらかと言うと彼女の祖父殿と既知の間柄です。その関係で彼女は以前から存じております」
「そう、でしたか」
治癒や浄化を行う神官と、回復薬などを作る薬師とは切っても切れない間柄だ。ユリの祖父が高名な薬師であるならば、神官長と知り合いでもおかしくはない。
「彼女が、王都に来た理由をご存知ですか?」
「は、はい。病気の治療の為に、身内を頼って来たと…」
「…そうですか。私も、以前にその治療のお手伝いを少しだけしたのですよ」
レイは魔法を続けながらも平然と話をしている。大抵の神官は、集中力のいる治癒魔法を行使する際は話し掛けないようにすることが一般的だ。しかしレイは普通にレンドルフに話し掛けて来る。レンドルフも戸惑いながらも、目上の相手から話し掛けられたので答えないわけにはいかない。素直に質問に答えると、レイは少し楽しげな表情になって微笑んだ。その表情は、患者を安心させる為の慈愛に満ちた神官のものではなく、ただ愛情に満ちた一個人としての顔のように見えた。
「私が手助けしたのはほんの少しで、彼女が今は元気に過ごせているのは祖父殿の献身的な治療の結果です。ふふ…その彼女が今度は貴方を助けた。こうして縁を繋ぐ一端になれるのは、どれほど生きても良いものですね」
「縁を繋ぐ…」
「ああ、このことは彼女には内緒ですよ。手柄は全て祖父殿にお譲りする代わりに、彼には貴重な薬草をいただいたものですから」
レイは少しだけ肩を竦めるようにして笑った。その表情は、一体何歳なのか不明な程長生きをしている神官長とは思えないくらい、悪戯が見つかった子供のような印象だった。
不意に指先と魔道具の付近に感じていた熱が消えると、今度はゆっくりではあるがレンドルフの腕に空いていた穴が小さくなり始めた。まだ凍らせたままにしてるのは出血を抑える為だろう。修復されていても感覚がないので、まるで自分の腕ではないような不思議な物を見ている気分になった。しかし、その回復の早さにレンドルフは目を見張った。切断こそしていなかったものの、肉や骨ごと切り離した状態だったので、もはやこれは治癒魔法ではなく再生魔法だろう。
再生魔法は治癒、治療系の聖魔法の中でも最も高位で制御が難しい上に、消費する魔力も大きいものだ。魔力量が大きな聖女、聖人ですら、部位や範囲によっては数日、もしくは数人がかりで行う程だ。高位の神官ならば、指一本程度の再生がやっとと言ったところの筈だ。神官長という地位にいるくらいだから、聖人と同等の力を有していると噂されているくらいだが、それにしても途中で魔力回復薬も飲まずに平然と治療を行っている。エルフという種族は人間とは比べ物にならない程の魔力量と魔法に長けているとは聞いていたが、近親にいたという彼ですらここまで圧倒的に違うのかとレンドルフは言葉を失っていた。
やがてその穴が完全に塞がって痕も分からなくなると、腕の端の氷からパリパリと音を立てて剥がれ出す。その剥がれた氷は受け皿に落ちる前に蒸発して霧散し、全く跡形もなくなってしまった。
「如何でしょうか。どこかに痛みや痺れなどはありますか?」
「…いいえ。大丈夫、です。あ、ありがとうございます」
手を離されると、そこには全く怪我をしていなかったような自分の腕があった。まるで先程のことが夢でも見ていたのではないかと感じる程だ。
「今日は一晩、神殿に泊まって行くように手配しておきましょう」
「あの、もう…」
「何があるか分かりませんから、解毒剤を投与するまで安心は出来ません。私も今夜はこちらの神殿におりますので、いつでも知らせてください」
レイはレンドルフの返答を待たずに立ち上がると、近くに控えている神官達に「準備を」とだけ伝えると、そのまま部屋を出て行ってしまった。その足取りはしっかりとしていて、魔力切れなどとは無縁のように見えた。
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レンドルフはそのまま神官に案内されて、神殿の一室に案内された。無事に腕が完治したことをユリに見せておきたかったが、神殿の奥の男女別になっている居住区に入ってしまったので会うことは出来ない。後でギルドカードから連絡を入れておくしかない。
案内された居室は、急患などが出た場合にいつでも使うことが出来るように準備されている部屋だったので、ベッドとサイドテーブルのみだったがきちんと掃除の行き届いた状態になっている。浴室はないが、トイレと洗面所は部屋の中にあった。その上レンドルフの体格を考慮して、わざわざ別室からソファを運んで来てベッドの足元に繋いではみ出した部分を乗せられるようにしてくれていた。予備の着替えなどを入れておいた鞄も運び込んでおいてくれたので、レンドルフは胸を撫で下ろした。一応頼めば衣類に生活魔法の浄化を掛けてもらえると言われていたが、明日もユリと顔を合わせるのにそのまま翌日も同じものを着るのは抵抗があったのだ。
その案内から少し遅れて、ワゴンを押した神官見習いらしい少年がやって来た。ワゴンには湯気の立ったスープの入ったボウルと、大きめの水差しとカップが乗っていて、下段には布の袋が置かれている。その中には夜着とタオルが入っていると伝えられた。
「何かありましたらいつでもベッド脇のこの紐を引いてください。夜番の神官が参ります」
「何から何まで、お気遣いありがとうございます」
レンドルフは一人になってから、ギルドカードでユリに無事と今日は神殿内に留まる旨を伝え、早速スープをいただくことにした。野菜を軟らかく煮込んだ薄味のスープだったが、空腹を思い出したレンドルフにはありがたく染み渡った。あっという間に完食してしまって、少々物足りなくも感じたがさすがにお替わりを申し出る訳にはいかない。今日のところは早めに休んでおいた方が良いだろう。
幸いにも渡された夜着は簡素な貫頭衣だったので、丈は短いがレンドルフでも着ることが可能だった。
(ユリさんは大丈夫かな…心配させてないといいんだが…)
ベッドに腰掛けながらレンドルフは無性にユリの顔が見たいと思ったが、眠ってしまえばすぐ明日になって会うことが出来ると言い聞かせて、ゴロリとベッドに横になったのだった。