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140.新装開店キュロス薬局


レンドルフ達が休憩に入るのは少し遅い時間帯で、先に昼休憩を終えた団員達が訓練場に戻って来た。その彼らが、何となく浮き足立ったようなウキウキした気配を纏っている。


「どうしたんですか〜?今日のランチメニューに良いものありました?」


ショーキも気付いたのか、ニコニコと戻って来た先輩団員に聞きに行った。彼が聞き出してくれれば教えてくれるだろうと、レンドルフは丁寧に比翼貝を布に包んで腰のポーチにしまった。


団員が利用出来る食堂は、月末にまとめて翌月のメニューが公開されている。そのメニュー表を見ながら、団員達は食券を申込む日を決めていた。余程のことがない限り変更はないし、もしあった場合はすぐに連絡が共同の掲示板などに貼られる。ただ、時折大きな夜会があった後や、王族専用の食料庫で賞味期限が近くなってしまった食材などが回される時があって、その場合はメニューにないおかずやデザートなどが予告なく追加されることがあるのだ。賞味期限が近くなっても貴族の集う夜会や王族に振る舞われる予定だった食材なので、追加メニューは皆の憧れの的なのだ。中には夜会の日程をあちこちから聞き出して、その翌日に食券を申込む者もいる程だ。

レンドルフは先週たまたま当たった蜂蜜のたっぷり使われていたドーナツを思い出して、また当たるなら甘い物だと良いとのんびりと考えていた。以前はレンドルフが甘い物を食べていると周囲から何とも言い難い視線が飛んで来るのが気まずくて、持ち帰れる物だけこっそり寮の部屋に持ち帰って食べていたのだが、今は食堂で食べられる個数上限まで皿に取って食べていた。視線が来るのは相変わらずだが、今は他にたくさんの理解者や普通のこととして扱ってくれる場所があることを知った為に、気が楽になっていた。



「レンドルフ先輩!新情報です!」


ショーキが早速聞き出して来たのが、小走りにレンドルフの元にやって来た。


「あの隣の薬局に行って来た先輩から聞いたんですけど、店番をしてた女子達がすっごい可愛かったそうです!」

「…そうなんだ」

「あ、やっぱりレンドルフ先輩は余裕ですね」

「そういう訳じゃないと思うが」


レンドルフはそこまで興味はなかったのでつい気のない返答をしてしまった。団員達が押し掛けたのならそれなりに目が慣れたとは思うが、その中でも大きな体のレンドルフは、あまり恐れられないといいな、と考えていた。大抵の店の店員はプロなのでそこまでではないが、時折レンドルフが店に入った瞬間にビクリと顔を引きつらせる者もいる。何度か通えばそんなことも無くなるだろうが、それでも何もしていないのに恐れられるのはいくら慣れていてもあまり嬉しいものではない。


「ひとまず食堂に行ってから薬局を見に行こう」

「そうですね!」



ランチを食べ終えて、レンドルフはショーキと連れ立って薬局に向かった。一瞬、小柄なショーキと行くとより自分の大きさが際立ってしまうのではないかと思ったが、もう入口の柵を越えてしまっているので今更だと思い直す。


薬局の建物は、研究棟とは違って比較的休憩所に近い敷地にあって、そこまで大きくはない。その薬局に続く道のところだけ境目の柵が途切れていて、入口に向かって一直線に道が作られている。白っぽいレンガが敷き詰められていて、そのレンガ以外の道は歩かないように、と注意書きが書かれた看板が立てられていた。防犯の為にこの道以外に何か仕掛けがあるのだろう。


建物は石造りだったが入口の扉は木で出来ていて、可愛らしいペイントが施された看板が掛かっている。看板には「キュロス薬局」と書かれていた。主神キュロスの名を掲げる薬局というのはそこまで珍しいものではない。


「こんにちはー」

「いらっしゃいませ〜」


元気にショーキが扉を押すと、どこかに付けられた魔道具が反応したのか軽やかなチャイムの音が店内に響いた。中から、少しだけ低めだが明るい声が返って来た。


「今日からよろしくお願いしますね」


正面にカウンターのような物がある店内で、その奥には回復薬などの瓶がズラリと並んでいる。カウンターのない壁にも棚があり、そこにも色々な薬が並べられている。すぐに手に届く棚にはそこまで高価ではない軟膏や、消毒薬、包帯などが置かれている。これはカウンターを境にして防犯の魔道具かなにかが作動しているのだろう。これならば、高価な薬品や効能が強いものと同時に、店員の身も守れるようになる。


カウンターの中には、赤みがかった金髪に鮮やかな緑色の瞳をした可愛らしい細身の女性がにこやかに出迎えてくれた。女性にしては珍しいくらいに髪を短くしているが、不思議とよく似合っていた。


「よろしくお願いします!」

「こちらこそ、お世話になります」


ショーキに続いてレンドルフが頭を下げると、何故か向こうは目を丸くしていた。レンドルフはよくある恐れられているのとは違う反応に、不思議そうに見つめ返してしまった。


「あ、もしかしてレン様、ですか?」

「あ…ええと、はい」


レンドルフは、自分のことをそう呼ぶのは大体エイスの街で会ったことのある人物だと思ったが、目の前の人物に全く覚えがなかった。もしエイスの街で会ったことがあるのなら、あちらではレンドルフは髪色を変えているので、今の素の状態では分かりにくかった為に確認されたのだろうか。


「少々お待ちください!」


そう言い残して、奥への扉を開けて引っ込んでしまった。後に残されたレンドルフとショーキは戸惑ったように佇んでいた。


「レンドルフ先輩、お知り合いですか?」

「さっきから思い出そうとしているんだが…まったく思い出せない」


そんなことを呟いていると、奥の方からバタバタと足音が近付いて来て、飛び込むように小さな影が走り込んで来た。


「レンさん!」

「ユリさん!?」


飛び込んで来たのは、ひと月ぶりに顔を見るユリの姿だった。



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「え?待って?ユリさん!?ホントに本人?」


混乱したレンドルフが、自身でもよく分かっていないことを口走る。その様子を見て、ユリは悪戯が成功した子供と同じ表情でレンドルフを見上げていた。その目を覗き込むと、紛れもなく彼女の深い色の緑色と、金色の虹彩が見えた。


「月の半分くらい、助手としてここで務めることになりました」

「…本当に?」

「うん。薬局受付と、薬草園の手入れとか諸々のお手伝い。後でここの勤務表とお休みの日を送るね」

「ああ…」


目の前にいるのが本物である実感がなかなか持てなくて、カウンター越しにユリに触れようと手を伸ばしかけたが、ハッとして我に返って手を引っ込めた。ユリはその行動に少しだけ残念そうな複雑な表情になる。


「レンドルフ先輩…」


完全に置いてきぼりになっていたショーキが、後ろからレンドルフのシャツの袖を軽く引いた。


「あの…こちらの方は、お知り合い、ですか?」

「あ、ああ。ええと…さっき話した、親しくしている薬師見習いの、ユリさん」

「あの、ショーキ、です。レンドルフ先輩には、いつもお世話になってます…」

「初めまして、ユリと申します。本日から、こちらのお手伝いで来ております」


普段は誰にでもすぐに親し気に話し掛けるショーキが、ユリには少々遠慮がちに声を掛けた。ユリはすぐに営業スマイルになって、ペコリと頭を下げた。


「あー、まだお時間あるなら、そちらのテラスで少しお話ししては?ユリちゃんと一緒なら出られるでしょう?私がショーキさんの注文を聞きますから」

「すみません。ヒスイさん、お願いします」

「いいっていいって。行ってらっしゃい」


何を話していいか分からなくなって微妙な空気が流れたのを取りなすように、ヒスイと呼ばれたもう一人の店員が店の脇にある入口とは違う扉を指し示した。ユリはその言葉に甘えることにして、ヒョイとカウンターの一部を持ち上げて外に出て来た。今日のユリの出で立ちは、シンプルなワンピースの上に白衣を着ている。その胸元には、すっかり定位置になっている乳白色の魔鉱石の付いたペンダントが揺れていた。そして長い黒髪は一部の隙もなくきちんとまとめ上げていて、その毛先を留めているのは金色の葉の形に珊瑚玉の並んだ先日レンドルフが贈った髪留めだった。レンドルフを先導するように背を向けて扉を押し開けるユリの後ろ姿を見て、レンドルフは思わず目元が優しく緩む。その顔をショーキがチラリと目をやって、何とも言い難い表情になった。


「ショーキさん、本日は何をお求めですか?」

「あ、えと…傷薬を…」

「軟膏タイプと液体タイプがありますが、どちらになさいますか」

「いつもは軟膏なんですけど、液体の使い勝手はどんな感じですか?」


ヒスイに色々と尋ねられて、ショーキは最初は遠慮がちに答えていたが、やがて彼も自身のペースを取り戻したらしく、次々と興味津々な様子でお勧めの薬についてヒスイの話に耳を傾けていたのだった。



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「レンさん、お茶飲む?薬草茶だけど、そんなにクセはないから」

「うん…ありがとう」


ユリに案内されて扉の外に出ると、そこはウッドデッキのようになって上には布製のひさしが掛かっていて、木製のテーブルと椅子が置いてあった。そこから先は薬草園になるのか、まだまばらで背の低い植物が植えられていて、風にそよいでいる様子が一面に見渡せた。

扉の脇に箱が置いてあって、そこを開けるとティーポットとカップが置いてあった。


「ここは薬局の受付担当が休憩するところなの。普通は担当以外は入れないんだけど」

「いいの?」

「うん。ヒスイさんもいいって言ってくれたし……それに、レンさんなら絶対大丈夫だって分かってたから」


ユリは最後の方は声を小さくしてほんの少しだけ頬を赤らめた。このウッドデッキに続く扉はエイスの森にあるヒュドラ討伐跡地と同じ仕組みで、この薬局の担当に登録されている人間しかここに出る扉は開けることは出来ないし、更に悪意を持つ者は弾かれて通過出来ないようになっている。万一強盗などに人質に取られても、ここで振り切れるようになっている。


今日は気温が高めなので、冷たい薬草茶を準備していた。ユリはよく冷えた茶を注いで、カップをレンドルフの前に差し出す。そしてお互い椅子に座って向かい合った。体の大きいレンドルフには少々椅子が小さかったが、新しいせいか軋むような音はしなかった。


「驚いた?」

「うん…すごく」

「ちょっと驚かしたくて黙ってた。……もしかして、怒ってる?」

「いや、驚いただけで…会えて嬉しいよ」

「そ、う…ホント、そういうとこ…」

「ん?何か?」


ユリの声が小さ過ぎて、レンドルフは聞き取れずに首を傾ける。たいして大きくないテーブルに向かい合っているので、普通に立っている時よりもずっと顔が近い。ユリからするとあまり見慣れない素の薄紅色のレンドルフの髪色に、少しだけ緊張しているようだった。


「あ、のね、ご褒美が出て、ここに来られるようになったの」

「ご褒美?」

「前にトーマさんに毒物の残留検査を勧めて、それで婚約者の方とその母君に違法薬物の反応が出た話があったでしょう?私はただ勧めただけで特に何にもしてなかったんだけど、それでも切っ掛けになったってことで、この研究施設で助手をする権利をいただいたの」

「そうだったんだ。すごいな!あの大国のキュプレウス王国との共同研究だよね」

「そうなの。まだ見習いの私が、こんなにすごいことに助手でも関われるって普通ならあり得ないくらいの栄誉だもの」

「それはユリさんがちゃんと気付いて、適切な対応をしたからだよ。本当にすごいよ」


手放しで賞賛するレンドルフに、ユリは少しだけ照れたように俯いて、それをごまかすように冷たい薬草茶をコクリと飲んだ。



この共同研究の話は何年も前から話は進められて来たが、研究施設と薬草園を併設した場所がなかなか決まらずにいた。安全は強固に守られているが、オベリス王国で一般的な気候と土のある場所という条件を全て満たせる場所がなかったのだ。

そんな時に、王都内で薬を待ち望んでいた石肺病の患者を、全て快方に向かわせる程の大量の金の青銅苔から抽出した特効薬の提供と、貴族の間で密かに蔓延していたミュジカ科の違法薬物の発見と解毒薬の原材料の大量確保など、アスクレティ大公家が立て続けに大きな功績を上げた。更に大公女自らが首謀者の一人である、違法薬物の元になる薬草を育てていた女の捕縛に大きく貢献した。しかもミュジカ科の薬草の解毒については、医師や薬師を多く輩出しているアスクレティ一門の独壇場となっている。


これらの功績全てをまとめて、頓挫していた共同研究の為に王城で遊ばせている土地を下賜して、キュプレウス王国の治外法権を認めるようにアスクレティ大公家から王家に要望を出したのだった。王城を守る防壁内の土地であるなら安全は確保出来るし、王都の気候や土はオベリス王国そのものと言ってもいい条件だ。治外法権を要望したのは、キュプレウス王国外では使用出来ない魔道具の限定使用を可能にすることと、オベリス王国からの政治的な横槍を防ぐためだった。いくら下賜されたとは言え、王城の近くである。研究成果や薬草を入手しようと王家に働きかけて王命を出されたのでは逆らえない場合もある。

それを防止する為…というのは実は建前で、レンザは王族権限でユリが変装の魔道具を停止させなくてもいい環境を作り出すことが真の目的だった。この敷地内にいれば、王族が訪ねて来ようとも変装の魔道具を継続して使用出来るのだ。レンザは長らく、王族の安全ということは理解していても、ユリの「死に戻り」の髪色を忌避したり揶揄する人間があまりにも多いことを腹に据えかねていたのだ。ユリは特殊魔力を抑制する魔道具を安全に使用するには王都内にいなければならないが、王城の近くにいればいつ王族に遭遇して白い髪を晒す状況にならないとも限らない。それを避ける為にレンザはユリを別邸に逃がすように住まわせたが、中心街の本邸と学園都市を拠点としているレンザと会う機会は減ってしまった。レンザからすると、共同研究自体が大いなる建前に近いものがあったのだった。


それに王家は大公家に権力欲がなく、報奨には大した要望を出して来ないのをいいことに、報奨とは名ばかりの浮いている爵位や手元に置いておいても旨味のない王領などを押し付けて来た。だが、そんな報奨に見せかけた厄介払いをとうに見抜いていたレンザは、実に良い笑顔を貼り付けて「今回の功績に比べて報奨が大きすぎると言うなら、過去10年に渡っていただいて来た報奨を全て返上致します」と言い切ったのだ。王家からすれば、所持しているだけで赤字を産み出し続けるような領地も名ばかり爵位を返されたところで困るだけだ。そこで仕方なく王城の一部の土地を下賜して、更に治外法権を認めるという要求を全て通したのだった。


そしてその共同研究に、レンザは副所長扱いで就任した。所長は来ることのないキュプレウス王国の人間なので、実質最も偉いのはレンザと言うことになっている。


ユリは、防犯上の観点からレンザが研究施設に来ている時だけ助手としてここに来ることになった。レンザも大公家の領地経営などの業務もあり、王都以外を視察に行かなくてはならないので、ここに来るのは月の半分程度だ。レンザがいない時は、別邸の方の薬草園などの世話もあるのでユリは本邸と別邸を行き来することになったのだ。

今回の副所長就任と同時に、レンザは学園都市の非常勤講師は辞任した。彼の下に付いていた多くの研究員達が阿鼻叫喚に陥ったらしいが、レンザは一切の妥協は許さず、徹底的に色々なことを引き継いで宣言通りに学園都市で使用していた研究室を引き払った。

色々な意味で涙目になった研究員達に見送られながら、レンザは実に良い笑顔で学園都市を後にしたと、周囲の講師達は語った。何年も一緒に暮らせなかった最愛の孫娘と月の半分でも一緒に暮らせるようになるのだ。娘や孫のいる講師達は、泣いている彼らを可哀想だが仕方ない、と半分同情、半分納得した表情で眺めていたのだった。



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「ユリさん月の半分はこっちで務めるとなると、通うの大変じゃない?」

「こっちに来てる時は中心街の方に住むから大丈夫」

「そうなの?安全面とかは平気?」

「うん。おじい様と一緒だから」

「なら良かった。あれ?そうするとエイスの方は…」

「あ、あっちは親戚と住んでたの!おじい様は忙しい方だから、中心街の方に家があって。でも今回のご褒美で月の半分は一緒にいられるようになったのよ」


ユリにとって、今回の話は月の半分とは言ってもレンザと暮らせるようになるし、王族の介入を気にしないでレンドルフの側にいられるという最高のご褒美だった。レンザからこの話を聞かされた時、薬師になる為の勉強を疎かにしないことや、エイスの街と違って外出する際は影だけではなく表にも分かるように侍女と護衛を同行することを厳命されている。それでもユリからすれば嬉しいことだらけの条件だった。


「良かったね、ユリさん。何だか嬉しそうだ」

「嬉しいもの!またレンさんともこうして会うことも出来るし!」


ニコニコと笑っているユリを見ていると、レンドルフは長いと思っていたひと月の会えない時間が一気に溶けて行くようだった。お互い仕事があるので実際このように話せるのは限られた時間にはなるだろうし、レンドルフは遠征があるので思ったよりは会えないこともあるだろう。しかし、レンドルフはこの先の日々が何だか明るい光に照らされたような気分になった。


「ねえ、レンさん。もし、もし良かったら、今度時間合わせて、一緒にご飯、食べたり出来ないかな…」

「喜んで。ユリさんの無理のない範囲でならいくらでも合わせるよ」

「ホント!?その、お昼とか、夕飯とか…大丈夫?」

「うん。今度予定合わせよう。俺も予定表作って渡すから」

「じゃあ…その、早速だけど、明日の夜、とかは?」

「ちょうど空いてるよ。じゃあ俺がどこか予約取っておこうか。何かリクエストとかある?」

「中心街のお店はまだ良く知らないから…任せていい?」

「うん。美味しいところを調べておくよ」


レンドルフが笑って頷いたとき、腕に嵌めているバングルが小さな鈴のような音を立てた。これはあと五分で昼休憩が終了する合図だ。レンドルフは少し残念そうな顔をして、残っていた薬草茶を一気に飲み干した。



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「じゃあ、この液体タイプのは二回分くらいだから、試してみてください」

「ありがとうございます!」


ヒスイから傷薬の説明を受けて、普段使っていない液体タイプの一番小さな物を購入してみることにした。遠征までに試してみて、軟膏と液体の良さそうな方をもう一度買いに来ることにしたのだ。


「あの…ヒスイさんはレンドルフ先輩とは知り合いなんですか?」

「直接会ったのは初めてです。でも姉が以前に会ってるし、ユリちゃんからも容姿は聞いてたから」

「あの二人って、恋人同士です?」

「うーん、直接そうだとはユリちゃんには聞いてないけど…でもあの二人の間に入れる自信ある?」

「…ないっすね」


ショーキは噂に聞いていたレンドルフの赤い髪のパートナーとは全く違っていたけれど、あのレンドルフの甘い顔を見てしまった後では噂は当てにならないものだと一人で納得していた。



多分この後レンドルフは、意外と手が早い疑惑、二股疑惑、巨乳好き(確定)の噂が囁かれることになるなることでしょう。

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