表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/72

回想② 冒険者仲間探し

 冒険者ランクを爆速であげて異国に行くことに決めた俺たちは、クレープ屋に並ぶのをやめて冒険者ギルドに向かうことにした。


 冒険者ランクを上げるには、冒険者ギルドの依頼を引き受けて実績を積む必要があるんだけど、低ランクFの冒険者が依頼を引き受けるには仲間が最低四人いなきゃいけないって規定がある。


 誰かを仲間に引き入れなきゃいけない。

 俺とジルヴァ。アルミラがいないからあと二人。ロアやバルザックはダメだ。あいつらはランクが高すぎて俺のランク上げのさまたげになる。ランクBの魔獣を討伐しても、パーティーにSSが二人もいれば当然だろうって判断されてしまう。

 まあSSランクが二人もいるパーティーなんて通常は存在しないんだけど。


 今の俺らのランクは俺がF、ジルヴァがE。ランクBくらいの魔獣なら俺一人で余裕で倒せるから、他の二人はFとかGあたりでいい。


 魔獣は速攻で倒すとして、まずは仲間だ。


「私とフィルとクロス。あと一人ね」


「クロスは抜いてもいいんじゃないのか?」


「ランクが上がったとしても実績の少ない低ランク冒険者に異国の依頼は任せてもらえないわよ。Aランカーがいれば行かせてもらえるかもしれないけど。それにクロスも仲間でしょ」


「うーん、しょうがない。じゃあクロスも誘うか」


 クロスがいるとラリエット教会に俺の行動筒抜けになっちゃうから不本意だけどな。


「じゃあまずはクロス探して、急いで冒険者ギルド行って依頼と、もう一人の仲間を探そう」


「待って、フィル。私仲間になってくれそうな子に心当たりがあるわ」


「本当か?それ人?」


「当たり前でしょ!学校の友達よ!」


 つい反射的に聞いてた。そうか、人か。


「ただ、その子は魔法学専攻の子で、ギルド職業で登録してるのは魔道士よ。で、ランクは私と同じE」


「いい!それすごくいい!その子にしよう!すぐに誘ってくれ!」


「でも同じパーティに魔道士二人ってバランスが悪くない?」


 冒険者パーティってのは自由に組んでいい。超戦闘好きでガンガン攻めたいパーティなら騎士や兵士四人組ってのもいる。あるいは冒険者じゃないけど、以前、バジリスクを倒したメンバーのような僧侶だけで構成することもできる。ただ高度な治癒魔法は教会で教わることが多いから教会出身者ではない治癒魔法士はわりと少数派。高ランクヒーラーは教会出身者が多い。


 で、色々組み合わせは自由だし、目的とする敵に応じて構成変えるのが一番なんだけど、一般的にはやっぱり騎士あるいは兵士と魔道士、僧侶(治癒魔法が使えれば僧侶じゃなくてもいい)がバランスがいい。どんな敵にも対応できるから。ちなみに魔道士だけで構成した冒険者パーティは聞いたことがない。


「大丈夫だ、それなら俺がヒーラーやるから!」


「え、あんた治癒魔法使えるの?」


「ジルヴァ忘れたのか?俺、教会出身!アルミラの同胞だよ」


「そっか、そういえばそうだったわね。じゃあ、私はその子連れてくるから、フィルはクロスを探してきて。冒険者ギルドで待ち合わせね」


 俺とジルヴァはバラバラに別れた。


 正直、この時はジルヴァがまともな友達を連れてくるとは期待してなかった。冒険者ギルドに登録できるやつならなんでもいい。

 リミットは明日の船の出港時間まで。間に合うかどうかは微妙だけど、やるだけやってみるしかない。


 俺は聖騎士の本部のある西区に向かって走っていった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ