青色に輝く刃、霊輝剣を持つ少女
少年は気が付けば、患者来ているような服を着せられいた
ここはどこなのか、一体なにが起きたのかわからずに逃げ出した
同じ頃、少女は上空数百メートルの空中戦艦に潜入していた、青く輝く刃をその手に
ここが何処なのか、一体何が起きたのかわからなかった。気がついたら、銃を持った集団に捕まっていた
天田琉羽、12歳。おそらく人生最大の危機を今まさに迎えていた
集団から逃げ出したのいいものの、ここが何処か分からず、廊下を走り抜けていたが、子供が大人に勝てるはずもなく、行き止まりに突き当たってしまい、逃げ場がなくなってしまった
「!!!!」
銃口を向け、銃を構えた二人組が何を言っているのかさっぱりわからない。外国語?とは思えない発音な気がした
「い、いやだ・・・こんな訳の分からない所で死ぬなんて・・・」
情けないことを言いながら、腰が抜けてぺたりと座り込んでしまい、失禁してしまった
銃の引き金を引かれようとした瞬間に、建物が大きく揺れ、二人組が体勢を崩して転んでいた。次の瞬間に後方から断末魔のような悲鳴が聞こえた
二人組は立ち上がり、後ろを見た瞬間に、濃い青いコートに、青く輝く刃が彼の銃を両断した・・・早すぎる、目に止まらぬ早さ、そしてその刃は彼らにも振られ・・・泡を吹いて二人は倒れた
「す・・・すごい・・・」
青く輝き、そして細い刃・・・青コートとポニーテールの綺麗な黒髪をなびかせるその姿に見とれながら
そして、あまりにも早技に、そんなことを呟いてしまった・・・その言葉を聞いた、青く輝く刃を持っていた青コートの・・・女の人は、驚いていた
「驚いた・・・あなた、日本人なの?」
「え!?言葉がわかるんですか!?」
初めて言葉がわかる人間が出会えて、嬉しさ半分、驚き半分・・・向こうも驚いていたようだ
彼女は青く輝く刃は消え、十字の形の柄を腰にかけた。まるでライトセーバーか、ビームサーベルのような武器なのか
「ほら、起き上がれる?」
「う、うん・・・あ・・・」
手を借りて、起き上がったが、自分が失禁していたことを思い出してしまい、恥ずかしくなってしまった。よりにもよって女の人の前で・・・
「銃口を向けられて、殺されかけたんなら、そういう反応をしていてもおかしくない。別に恥ずかしいことじゃない。それよりもここから逃げるよ、動ける?」
「う、うん・・・僕は天田琉羽」
名乗るのが礼儀かと思い、先に自分の名前を言う
「琉羽君か、私は上内優希。優希でいいわ。とりあえずこの場を離れよう」
優希はそう言うと、琉羽をお姫様抱っこして
「すぅー・・・・」
「あ、あのぉ?優希さん?」
お姫様抱っこされて困惑されてる琉羽の言葉を聞く耳持たずに、大きく息を吸う優希。優希の体が青く輝き初める。瑠羽は暖かさを感じていた・・・ということを思っていたのは束の間、優希は一気に機械質な廊下を走り抜ける、早い、早い!時速60km/h越えているのではないか
「ちょっと優希さん!?」
「喋らない!舌を噛むよ!一気に外に出るよ!」
廊下を駆け抜け、階段を駆け、鉄の扉を優希は蹴り飛ばす
その光景は青空だった・・・船が空を飛んでいた。甲板の上にはところどころ火災や煙が上がっており、素人でもわかる。今にも沈みそうな状態だった
「ケンジ!どこにいるの!?」
耳につけてるインカムで呼びかけていた
〈横だ横。そいつが最後の生存者か?優希気をつけろ。まだ敵がいるぞ?〉
優希は何かを感じ取り、琉羽を抱えたまま飛び上がると、立っていた甲板をぶち破り、2mぐらいの大男が出てきた
「守護使い!?しかもAランクか!?」
着地し、大男との距離を取る
「よくもまあ、大暴れしてくれたな。どこの守護使いかは知らないが、生きて帰りたいならそのガキを置いていけ。もしも断れば・・・」
大男の後ろから、さらに大きいな巨人・・・オークというべき物が現れた
「Aランク守護使い、フィジカルオーク。鉄だろうが合金すら打ち砕くこのパワー・・・そんな華奢な体じゃ、骨ごとミンチになるぜ?」
鉄できた分厚い甲板をぶち抜くパワーは本物だ。150cm程しかない優希がそれを喰らえばひとたまりもないのは目に見えている、瑠羽はそう思っていたが、優希は他の方向を見て、ニヤついた
「悪いけど、私の仕事はアンタ達、犯罪集団アリスドールの壊滅と囚われている人たちの救出。その要求は飲めないし、それに、アンタの攻撃に当たらなければいい!!!」
そう言った瞬間、優希は瑠羽を甲板の外・・・空中に浮かんでる船から放り投げた瞬間に一気に間合いを詰める
「な!?早いだと!?」「遅い!」
青く輝く刃の一閃をフィジカルオークを甲板の壁まで吹っ飛ばした
「おーい、生きてるか坊主?」
「う、うーん・・・」
放り投げられた琉羽は何者かに掴まれていた・・・猫をつまみ上げるような感じで
「い、生きてる・・・」
「それはよかった。アリスドール共以外の死人が出たら、どう報告すればいいかわからんからな」
「あ、ありがとうございま・・・・うあぁぁぁぁぁ!???」
琉羽が声の主の顔をみたら、狼の被り物を被った男がいるのだからそれは驚く
「悪い悪い、こんなむさくるしい男より、優希の真っ平らな胸元のほうがいいよな・・・」
「いや、違うそうじゃない!?というか狼が喋った!?」
「いやー、てっきり野郎は趣味じゃないと思ったら、この顔のほうかい。安心、お前の味方だ。ケンジ・ムラマサ、よろしくな琉羽君」
明らかに敵側か、人を食うタイプだと思うのですが
ヘリで飛んで乗っていた狼頭がキャッチしていたようだ。ヘリに乗せられ、上昇すると、甲板が見えた。甲板では優希とフィジカルオークが戦闘を繰り広げていた
「優希さん!一人であんなバケモノみたいな奴を押してる!」
優希は、フィジカルオールの振り下ろされる拳を避けて、青く輝く刃をぶつけて押していた
蝶のように舞い、蜂のように刺す、まさしく優希はそれを体現した戦いをしていた
「おうおう、霊輝剣で一刀両断でたった切ればいいのに、Aランク相手でもわざわざ手加減するとはまあ」
「・・・霊輝剣って?優希さんが持ってるあのビームサーベルみたいな輝る剣のことですか?」
「機動戦士かよ。生命の持つエネルギー、霊輝力を刃に変える非実体剣さ。本当なら、鉄だろうがなんだろうが余裕で斬れるんだがな、優希の奴はわざわざ手加減して霊輝剣の切断能力を抑えて戦ってる・・・もっとも、超高速で振られる鈍器で殴られるようなもんだから、叩かれるほうがたまったもんじゃないだろうがな」
フィジカルオークは何回も霊輝剣で叩かれ、ボロボロにも関わらず、その巨体は倒れずにいた
「このセントラルで、時代遅れの霊輝剣使いがなぜここにいる・・・!!そして、このオレ!Aランクの守護使いが、押されているんだ!!」
「セントラル育ちの霊輝剣使いと霊輝使いの偏見は相変わらずね・・・この世界、リィプラネットに来て、もう、耳にタコが出来るぐらい聞いたわねそのセリフ」
激昂するフィジカルオークに対し、呆れている優希
「アンタ達、守護使いは力の優劣はF~Sランクで決まるが、一種類の能力しかない。私たち霊輝使いは霊輝の使い方で優劣が変わり、霊輝剣使いは剣技の技量で優劣が変わる・・・こと戦闘における汎用性の高さは、霊輝の方が上なのよ」
「・・・ふん、ならこういう使い方ならどうだ!!トランス・オフ!!」
フィジカルオークがニヤケると、再びオークの守護霊が出現し、優希に襲いかかる
「守護霊を切り離して、遠隔攻撃か・・・」
オークのラッシュを、優希は避け続ける
〈おやおや、手こずってるな?手を貸そうか?〉
おそらくニヤついていながら、甲板での戦闘を見ているだろうケンジがからかってくる
「うるさい、アンタさっきまな板胸とか言ってたわね?後でぶん殴るから、覚悟しておきなさい」
〈へへ、軽口を叩けるだけ、余裕・・・いや、誘ってんのか?守護霊を攻撃した所で、止めれない。本体の守護使いを倒さなければならない。あの大男をダウンされるなら、飛びっきりデカイ一撃の剣技が必要〉
「そういうこと!!」
優希は霊輝剣を中段に体の側面に構え、大きな隙を作る。その隙を見逃さずに、守護霊が大振りの拳が優希に襲いかかる
「それを!待っていた!!」
守護霊の一撃を、霊輝剣で受け止めた瞬間に、その反動を利用して体を全身を回転する、宙に舞ながら高速回転する優希は本体に向かう
「な!?貴様!?力の反動を利用して!?」
「霊輝剣術、セイリュの型・・・逆鱗!」
霊輝剣の輝く刃は、フィジカルオークの頭上に渾身の一撃を叩き込む。叩き込まれたフィジカルオークは白目を向いて倒れこむ
トランス・オフ、守護霊を切り離せば、守護使いは自身に能力が使えない弱点がある、そこを優希が突いた
「おー、倒したか。当然か、オレの弟子だしな」
ケンジは誇らしけに、甲板での戦いを制した優希を褒める
フィジカルオークが倒れたタイミングで、炎上している空中船に近づく3隻の空中船
「新手ですか!?」
「いや・・・クライアントだ。やれやれ、面倒事が終わったタイミングで来るとは・・・報酬上乗せしてやる」
3隻の船が、アリスドールの船に隣接すると、軍服を着て、武装した人間が次々アリスドールの船に入っていく
「空を飛ぶ船に・・・魔法か超能力かわからない・・・一体ここはどこなんですか!?」
落ち着いた所で、ケンジに質問を投げかける。ここまで非現実的な物を見せられては、ただ事じゃない所というのはわかった
「どうやら、君は何も知らされていないようだな。琉羽君、ここは君がいた世界とは異なる世界、君から見れば異世界、もしくは並行世界というべきか。稀に君のようなこの世界と縁がない人間が迷い込んでしまう、ここは多元世界とも呼ばれている」
「多元・・・世界?」
「過去、現在、未来、そしてありとあらゆる可能性の並行世界や異世界が融合して成り立ってる。ここは多元異世界、リィプラネット」
狼の被り物を被った男の言うことを、信じたくなかったが・・・この場で起きていることで信じられざれるしかなかった。ここが自分のいた世界とは異なる文明の世界だと
霊輝剣に霊輝剣使い、守護使いに守護霊・・・そんなものを見せられれば