その後の女王様(私、見た目だけの女王になりました。続編)
私、日下瑠音は現在22歳で現役の女王様モデルをやっています。
富永ゆかりとは保育園の時からの幼馴染で今は二人で家を出て都内の小さなマンションで生活をしています。
ゆかりは私の専属メイクとしてスタートしましたが、今ではマネージャーも兼務しています。
今日も6月号の撮影のため、ロケの車に乗って東京の奥多摩まで向かいました。
私的には自然の中より都会の方が好きだったのですが、ゆかりとカメラマンが口をそろえて、自然の中の方が絵になると言うので、奥多摩の自然の中での撮影になりました。
正直納得がいきませんでした。
これはもう「お仕事」なので大人しく従い、着替えとメイクと済ませた後、手袋と金髪ウィッグを身に着けて撮影にかかりました。
撮影を終えて、事務所に戻り一休みをしていたら、事務員の女性が私宛のファンレターを用意してきました。
一通一通読んでみたら、一人住所が私のマンションの近くになっていました。
彼女は栗原夏美、17歳の高校生で私が出している「月刊クイーン」というファッション雑誌の愛読者で毎月買って読んでいるそうです。
将来は私と同じ事務所に入ってモデルになるのが夢だそうです。
手紙と一緒に写真も同封されてました。
写真を見てみたら金髪ウィッグ、白のミドルグローブ、茶色のブーツに合った服装で写っていました。
まるで昔の自分を見ている感じがして仕方がありませんでした。
早速彼女に手紙で返事を出しました。
「栗原夏美さん、初めまして。モデルをやっています、日下瑠音と申します。お手紙ありがとうございます。雑誌も毎月買ってもらって本当にうれしいです。写真を見せていただきましたが、とても似合っていました。もしよかったら一度お会いしたいと思っていますので、よかったら一度お電話をください。電話番号は090-××××-〇〇〇〇です。よろしくお願いします。」
私は携帯の番号を載せた手紙を栗原さんに手紙を送りました。
その数週間後にマンションに帰宅した後に一本の電話が入ってきました。
「もしもし?」
「日下瑠音さんの電話番号でしょうか?」
「そうですけど。」
「初めまして私、栗原夏美と申します。」
「もしかして、手紙を出してくれた栗原夏美さん?」
「はい、突然の電話本当にすみません。」
「こっちこそ、わざわざ電話ありがとう。」
「実は頂いたお手紙に、一度会って頂けると書いてあったので・・・・」
「うん、実は次の土曜日と日曜日、仕事がオフだからどっちか予定が空いていたら、会ってくれると嬉しいんだけど。ダメかな?」
「では土曜日の午後にお願いします。」
「了解。では土曜日に駅前の喫茶店にしましょう。」
土曜日、駅前の喫茶店の入口でスマホの時計を気にしながら待っていたら、制服を着た金髪の女の子がやってきました。
「直接会うのは初めてですよね。私、栗原夏美です。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、日下瑠音です。よろしくお願いします。」
「可愛いです。紫のワンピース、とても似合っています。手袋もとても可愛いです。」
「夏美ちゃんは学校帰り?」
「はい、放課後制服のまま手袋と金髪のウィッグを被って来ちゃいました。」
「すごく可愛い!昔の自分を見ているみたい。」
「本当ですか!?ありがとうございます。」
「ここで立ち話しているのもなんだし、中で紅茶でも飲もうか。」
「はい。」
店の中を入ってみると中から静かにクラシックの音楽が流れてきました。
シューマンのトロイメライが優しく、静かに店の中を落ち着かせています。
私と栗原夏美は店の奥にある小さなテーブルに座り、ミルクティーとアップルパイを注文しました。
土曜日の午後にしては客が若干少ない感じもしました。
時々、窓から入って来る優しい風が私たちを包み込むかのように吹いてきました。
「この曲ってトロイメライって言うんですよね。」
「そうなんですか?」
「はい!実は今日音楽の時間で聞きました。別れをイメージした曲なので少し寂しい感じにもなります。」
「会ったばかりの私達にはちょっと縁起が悪いよね。」
「そうですよね。」
「あの、お客様、もしよろしかったら、他の曲に変えましょうか?」
ウエイトレスがミルクティーとアップルパイを運んできたときに、少し申し訳ないような顔して伺ってきました。
「いえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」
ミルクティーを飲みながらアップルパイを食べている時に「私達今日から友達なんだし、その敬語はなしにしない?」
「私より年上だし、他の人から『女王』って呼ばれている人にため口なんて無理です。」
「じゃあ、今から栗原さんの前では『女王』ではなく、ただの『日下瑠音』になる。そして、トレードマークの手袋と金髪のウィッグを脱ぎます。そでなら話しやすいでしょ?」
栗原夏美は私がウィッグと手袋を外そうとした瞬間を見て、慌てて止めようとしました。
「わかった。ため口で話すね。」
「それでいいんだよ。今日の分は私がおごるから。」
「あ、だめ。割り勘にしない?」
「だーめ。こう見えても、私社会人だし、働いて給料もらっているから。」
「どうも、ごちそうさま。」
「素直でよろしい。」
店を出た後、時間があったので、ショッピングセンターに立ち寄って新しい洋服や靴を見たり、CDショップで新曲もチェックもしました。
夕方になり、太陽が傾きかけるころ、ゆかりから電話が来たので帰ることにしました。
帰る前、彼女は私にサインとツーショットの写真を求めてきました。
一応友達になったわけだし、これくらいは引き受けようと私は思いました。
ここから先は栗原夏美のお話になります。
憧れの瑠音さんと友達になり、私のテンションはうなぎ上りでした。
休み明けの学校で友達に自慢しようって思いました。
本当ならLINEで知らせたかったのですが、仮にも彼女は有名人だから、それだけは控えておこうって思いました。
夕食を済ませ、風呂に入り、その日の一日は終わりました。
日曜日は誰とも会うこともなかったので、その日は家の手伝いをしたり、暇なときに瑠音さんの写真を見て研究していました。
そして、いよいよ休み明けの月曜日がやってきました。
みんなをびっくりさせようと思って教室に入ってみたら、クラスの何人かが私のうわさをしていました。
「おはよう、夏美。土曜日の午後ってモデルの日下瑠音と一緒にいなかった?」
「いたよ。一緒に喫茶店で紅茶を飲んだ。」
「ええ!マジ?」
「うん。サインももらったし、一緒にツーショットの写真も撮ってもらったよ。」
私が瑠音とのツーショットの写真をクラスメイトの音坂小百合に見せたら悔しがっていました。
「手袋とウィッグやったものお揃いにしたかったから?」
「そうだよ。」
小百合はスマホで通販サイトを開いて、即手袋の購入をしました。
「私も今購入したから、手袋と金髪は瑠音さんと夏美さんの専売特許でないところを見せますわよ。ちなみ私の母親、美容師だから瑠音さんと同じウィッグを用意するくらい簡単なので。」
小百合は少し薄笑いしながら、自分の席に着きました。
彼女は自分が女王になるつもりでいました。
しかし普段から相手を見下す性格だったので、誰にも相手にされていませんでした。
「ねえ夏美、今日も変身するの?」
「うん。」
「どこかへ行かない?」
「せっかくだけど、宿題も出ているし、まっすぐ帰るよ。」
小宮真由美は小学校5年生の時からの友達で家も近所だったのでよく一緒に遊んでいました。
「そうなんだ。ちょっと残念。」
「その代わり、日曜日の予定ってどうなっている?」
「日曜日なら大丈夫だけど・・・」
「じゃあ、駅前の喫茶店で正午に待ち合わせしよ。そこのミルクティとアップルパイがオススメだから。」
「本当に!?行く!」
放課後の通学路、私は二人で音坂小百合のことで愚痴をこぼし始めていました。
真由美は特に気にしすることはないと言いっていたが、私としては簡単に忘れられそうにもありまあせんでした。
「小百合に会っても相手にしちゃだめだからね。」
「夏美ちゃんもね。」
私は真由美と別れた後、部屋に戻り着替えを始めた。
着替え終えて、冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出そうとしたら、部屋からスマホの着信音がうるさくなっていた。
慌てて部屋に戻って電話に出てみたら、瑠音からだった。
「もしもし?」
「もしもし、私瑠音だよ。次の日曜日空いている?」
「どうしたの?」
「モデルのギャラが入ったからこの間の喫茶店でアップルパイおごるよ。」
「実はそのことなんだけど・・・・」
「どうしたの?都合悪いの?」
「そうじゃないけど、実はもう一人増えちゃって・・・・だめかな?」
「いいよ。誰?もしかして彼氏?」
「私のクラスメイトなんだけど・・・」
「全然いいよ!じゃあ、3人で。」
日曜日、駅前の喫茶店の前で和知合わせをしていたら、私と瑠音は服装は違うもの、手袋と金髪ウィッグをしていましたが、真由美だけが違っていたので、少し浮いた感じもしました。
「初めまして、小宮真由美と言います。ヨロシクお願いします。」
「こちらこそ初めまして。日下瑠音と言います。ヨロシクネ。」
「はい。」
「真由美ちゃん、今日からお友達なんだし敬語なしにしようよ。確かに私は皆から『女王』って言われているけど、私自身、そんなに偉いとは思っていないから。」
「わかった。」
瑠音はエナメルのショルダーバッグから手袋を取り出して小宮真由美の手にはめようとしました。
「真由美ちゃん、動かないでね。これ、友達になった記念だから。」
「ありがとう。」
真由美のテンションは急に上がり始めてきた。
「すごく可愛いよ。」
「そう言われると嬉しい。」
3人で店の中へ入ってみた。扉を開けたら今日は服部克久の「恋風前線」の曲が流れていました。
確かにこの時期にはふさわしい曲だと思っていました。
奥のテーブルに座ると窓から優しい風が吹いてきました。
瑠音はウエイトレスを呼んでミルクティーとアップルパイを注文しました。
「今日は3人が友達になった記念なので、私のおごりとさせてもらいます。」
「昨日、電話では『モデルのギャラが入ったから』って言わなかったっけ?」
「夏美、余計な突っ込みをいれない。」
真由美は笑って見ていました。
ミルクティーとアップルパイが運ばれて、口に入れた瞬間、甘さが口の中に広がり、舌触りも最高でした。
ミルクティーを飲み終えて、店を出た後、瑠音が真由美の髪を見て、行きつけのウィッグの専門店に向かい、金髪のロングのウィッグを真由美に被らせました。
「これで、3人お揃いだね。」
「私、お金持ってないよ。」
「大丈夫、これも私のおごりだから。」
「本当にいいの?」
「うん。それとも気に入らなかった?」
「そんなことない。むしろ、その反対」
「それじゃ、3人で会うときはこれで決まりだね。」
それからというもの、どこへ行くときも3人一緒の時には金髪ウィッグと手袋が欠かせなくなりました。
まるで三つ子の姉妹になった気分でした。
カラオケ、ボウリング、水族館など瑠音がオフの時には決まってこの姿でいました。
しかし、楽しい時間はそう長くは続きませんでした。
3年になると進路を決めなくてなりません。
私と真由美は卒業したら瑠音のいるモデルの事務所に入りたいと思っていました。
そして3人でトリオでモデルになるのを夢見ていましたが、現実は甘くはありませんでした。
瑠音のモデルの仕事は本格的に忙しくなり、私と真由美は芸術系の短大に進むことを選びました。
もちろん、家族は猛反対していました。
家族はおとなしく一般企業へ就職すれば将来は安泰と言っていましたが、私の将来は自分で決めたいと思っていたので、最後まで親の反対を振り払い芸術系の短大を決意しました。
ただし、条件として万が一うまくいかなかったら、大人しく一般企業で働くという約束をしました。
正直、この考えには賛成できませんでした。
しかし約束だったので、仕方がありませんでした。
クリスマス、正月を終えたらいよいよ入試です。
受験票をもって、私は受験会場に向かいました。
会場へ着いて、午前中に筆記試験、午後は面接という感じで進めていきました。
その2週間後に郵便で結果が届き、見事に合格しました。
真由美も電話で合格の知らせをしてくれました。
頑張った甲斐があったと私は思いました。
あれだけ反対した家族も一緒に喜んでくれました。
瑠音にはLINEで合格のメッセージを送りました。
そして、迎えた卒業式。
教室で担任の先生の最後の言葉がありました。
「お前たち、まずは卒業おめでとう。4月から就職する人、進学する人、あるいはフリーターになる人、それぞれだが、ここで学んできたことは決して忘れるな。お前たちは卒業しても俺の教え子であることには変わりはない。うちの学校の看板を背負って社会に出るわけだから、先生に恥をかかせる真似だけはするなよ。」
先生は決して人前では絶対に涙を見せなかったのに、この日だけは号泣していました。
みんなもつられて涙を流していました。
そのあとは校門近くで記念撮影をしていたら、瑠音がやってきました。
「瑠音、着てくれたんだ。」
「卒業おめでとう。」
「ありがとう」
「真由美ちゃんは?」
「まだ泣いている。」
「そっか、じゃあ泣き止んだらこのハンカチを渡しておいてくれる?私、この後仕事だから」
「ありがとう。頑張ってね。」
瑠音はそのまま車に乗っていなくなりました。
さて、お話は再び瑠音に戻ります。
夏美ちゃんと真由美ちゃんが短大に進学して2か月が経とうとしていました。
学校ではそろそろ夏休みに入ろうとしています。
それを思うと学生時代が非常に懐かしく感じます。
事務所ではゆかりが私のスケジュールが書いてある紙を私に見せてきました。
朝から晩までスケジュールがビッシリでした。
仕事のオフは当分お預けでした。
雑誌の取材、9月号の撮影、写真集の作成などお仕事のオンパレード。
さらに8月の上旬にはファッションショーも控えていました。
疲れきった顔で事務所で休んでいたら、冷えたジュースを私の顔に当ててきました。
「どうしたの?疲れ切った顔して。」
「うんちょっとね。あの二人、短大でうまくやっているのかなって思っていたの。」
「夏美ちゃんと真由美ちゃんのこと?」
「うん。卒業したらスカウトしてみようかなって思っているの。あの二人もしかしたらモデルとしての素質ありそうだから。」
「女王がそういうなら、スカウトしてみてもいいよ。」
秋になり夏美ちゃんと真由美ちゃんの短大で文化祭が行われていました。
彼女たちはファッションショーのモデルに選ばれていました。
ファッションショーは13時からになってたので、その間屋台やいろんな出し物を見ていました。
仮にも私は雑誌のモデルになっているので、気づかれない変装で回ることになりました。
もちろん、金髪ウィッグと手袋は禁止とゆかりからきつく言われていました。
時間になり会場に向かい、彼女たちの出番を渡されたプログラムで確認していたら、ちょうど最後になっていました。
テーマは「自分らしさ」になっていました。
派手な音楽に合わせてやってきたのが司会者でした。
「さあ、みなさん。大変長らくお待たせしました。わが校の学生たちによるファッションショー、最後まで楽しんでいってください。」
司会者が言い終わると、拍手が鳴り響き、学生たちが次々と出てきました。
最後に出てきたのが夏美ちゃんと真由美ちゃんでした。
夏美ちゃんはさわやかなサマードレス、真由美ちゃんはショートパンツにボーダーのニーハイソックスでした。
ふたりで可愛く決めていました。
客席からはカメラを向ける人もいました。
ファッションショーが終わるころ、文化祭も終盤を迎ええて今した。
文化祭のフィナーレを迎えるのはお楽しみ抽選会です。
数々の豪華な賞品が出る中、ディズニーランドの招待券、最新のゲーム機、大型テレビなどが出てきました。
私はなんと、最新のネットワークウォークマンが当たり、壇上に上がった時でした。
司会の方から「大変失礼ですが、モデルの日下瑠音さんにそっくりですが、ご本人でしょうか。」
私はしばらく黙っていましたが、思わず「はい」と返事をしてしまい、会場は大盛況となりました。
しかも最後の賞品は私のサインに決まりました。
当たった人にその場でサインを書いてあげて、さらにツーショットまでするサービスもしました。
こうして文化祭が終わり、普通の日々が続いていきました。
夏美ちゃんと真由美ちゃんは勉強に追われ、私は雑誌の取材や撮影に追われていました。
そして翌年には二人の大事な進路がありました。
ほとんどの人は大手企業に内定が決まったり、モデルの事務所への採用も決まっていました。
私は夏美ちゃんと真由美ちゃんをスカウトするためにゆかりを連れて、二人の短大へ向かいました。
担任の先生、就職担当の先生と話し合い、二人の同意を得て、事務所への採用が決まりました。
翌年の5月、事務所へ入って二人に最初の大きな仕事を与えました。
それは私達の新ブランドを立ち上げることでした。
ブランド名は「QueenReward(女王様のご褒美)」で、ロゴも決まり、商品も私が身につ行けている手袋やショルダーバッグ、そしてウィッグ販売もしました。
それ以外にワンピースやブーツ、香水などでした。
関係者を集めて連日のように会議が続き、デザイナーや職人などが言うにはすでに類似品が市場に出ているから、大きな差をつけないと他社に客を持っていかれてしまう恐れがあるそうです。
客も女性客をメインにしたいので、サイズはすべて女性用のみにしました。
試作品を全部そろえるだけでも最低2か月、店頭に並べる商品をそろえるには最低でも6か月近くかかることになりました。
次に悩まされたのは場所でした。
当初はインターネットでの販売をしたかったのですが、試着したがる人が出てくると思うので、思い切って場所を原宿にしました。それも竹下通りの裏に小さな空き店舗があったので、そこで開くことになりました。
オープンは翌年9月、初日には私が1日店長になって客を出迎えることになりました。
試作品が届いたその日から宣伝を兼ねて、雑誌の撮影やテレビやラジオ、YouTubeなどでのCMが続きました。
その一方でも夏美ちゃんと真由美ちゃんも自分を売るために雑誌の撮影に追われていました。
街を歩いていても「QueenReward(女王様のご褒美)」のポスターを見かけるようになりました。
オープン初日がやってきました。店頭には関係者からお祝いの花が届いたり、事務所には祝電も届いていました。
客の大半は10代から20代の女性客ばかりでした。
接客経験の少ない私は少々緊張気味でしたが、みんな私のためにやってきたので笑顔で迎えようと努力をしました。
中にはサインやツーショットの写真の目当てだけでやってくる人もいましたので、ゆかりが「大変申し訳ありませんが、1点以上のお買い上げの方のみのサービスとなっていますので、ご了承頂きたいと思います。」と断りました。
店は19時に閉店し、私は直接帰りました。
ベッドに横になり、そのまま眠ってしまいました。
次の日はオフでしたので、ゆかりを連れて実家の近所にある児童公園に行って、コンビニで買ってきたアイスクリームとウーロン茶を取り出して、ベンチでくつろいでいました。
「女王、昨日はお疲れさま。」
「ありがとう。まさか、あんなに客が来るなんて思わなかったよ。」
「すごかったよね。」
「今、Twitterを見ていたけど、早速うわさになっているよ。」
「本当だ。」
TLを見ていたらたくさん書き込みがありました。
ネットの力ってすごいものだと私は思いました。
お店の方は連日のように客が殺到し、売り上げもうなぎ上りです。
「ねえ女王、これからどうする?」
「私は撮影に専念かな。夏美ちゃんと真由美ちゃんに負けたくないから。」
「そうだね。」
「私この公園にくるとすごく落ち着くの。」
「私も。」
「よく二人でアイスクリームとウーロン茶を買ってくつろいでいたよね。」
「うん。」
そして短いオフが終わり、次の日から本格的に仕事に専念しました。
私は撮影、ゆかりはスケジュール調整や私のメイクで振り回される日々が続くようになりました。
夢が一つ、二つと叶っていくと自分がその分、大きく成長したよう感じがしました。
「次はどんな夢を持とうかな。」と、大きな空を見上げながら考えていました。
おわり
今回は前回の続編を書かせていただきました。
皆さんはこのお話を読んでいただいて、どう思われましたか?
面白かった、つまんなかった、飽きたから途中で読むのやめたなど人それぞれだと思っています。
前回は日下瑠音本人が学校卒業してモデルになったところで終わりましたが、今回はその後のお話を書かせていただきました。
事務所に届いた1通のファンレターがきっかけで1人の女性ファンと友達になり、仲良くなっていきました。
彼女が卒業する間近に自分が所属しているモデル事務所へスカウトし、一緒に働くことになりました。
さらに自分のブランドを立ち上げるなど大きな夢を持つことが出来ました。
果たしてこれから彼女たちがどんな夢を持つかは読者のみなさんの創造にお任せいたします。
このお話はいったん終わりにしますが、機会があれば番外編も作ってみたいと思っています。
それでは最後まで読んでくださった方には本当に感謝しています。