転天
「はぁあ〜」
おれは25歳のサラリーマン。
新卒で希望のIT企業に就職したものの、入社前に想像していた仕事とは違い、転職を考えている。
就活の時のイメージと現実は違うとは聞かされていたが、これ程違うとは…!
典型的な就職失敗体験を経験中である!
「おい、沢渡!お客さんが、こないだリリースしたシステムに不具合があるって苦情言ってたから、あとで電話で謝っとけー。」
「え!?また、不具合見つかったんすか!?勘弁してくださいよ。こないだも謝ったばっかじゃないっすか。」
憧れのエンジニアになったものの、日々クレーム対応をしている。
さて、転職でもするか〜。
「アカリ!おれ転職するわ!」
「ついにするのー?(笑)」
アカリはおれと同期の女性社員だ。
話しかけるといつも目をじっと見つめて話してくれる。
髪型もおれ好みの薄い茶色のセミロングで、明るく他の社員からの印象もいい。
「あぁ。一応、面接の予定も決まってる」
「どんなとこ受けるの?」
「ラッキーセブンなとこさ!」
「え!?セブン?ってあの!?!?(笑)」
「落ちてくな〜。どこまでも(笑)」
「うっせー。おれは天性のフリーターなんだよ」
「それ、威張って言うこと〜?」
「ま、見てろって。そこで世界を変えてやるから。」
「ただのコンビニじゃん。」
そして、3日後。
おれは、面接を受けるラッキーセブンの前にいる!
こういう面接の時には、結構テンションが上がるタイプだ。 なにせ、人によく見られたいからな。
不敵な笑みを浮かべて、深呼吸をした。
「こんにちは!!面接に来ました沢渡です。今日はよろしくお願いします!」
「店長の七星です!」
おいおい。七星って。(笑)
「早速だけど、別の世界に言ってもらうね!」
「え!?えー!?ど、どういう、こ、、」
と、その途端。
目の前がぐにゃぐにゃ曲がり、意識も薄れて行った。