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第四話 花風

花火大会までの時間は、あっという間に過ぎていった。いよいよ明日は花火大会。

今日の授業は、それこそ、手につかなかった。明日、何を着ていこうかな・・・・・・。浴衣・・・・・・が鉄板だけど、昨年着た時にすごく食欲が失せたのを今でも鮮明に覚えてる。


今日の部活の時にでも、那智に聞いておこう。社会科室は課外で使われないため、掃除がない。今日もまた一番乗りだ。


今日はまた一段と暑い。今年の文化祭は出ないことになったため特にやることもないけれど、どうせ学校に来ているから・・・・・・と、部活をやっている。


今日の演劇部は、教室の前方で桜が一人でスマホゲームをやっていて、後方では私たちが話している。中々にカオスな状態だ。


そんな状況が一時間程度続いたあと、桜がおもむろに教室の後方へ歩いてきて、私たちの会話に参加した・・・・・・というより、割り込んできたという表現の方が正しいくらいだ。


ちょうど私たちの会話がきれたタイミング桜が口を開いた。


「明日って誰かと行くの?」


きっと花火大会のことだろう。


「うん。私たち二人で行くんだ」


那智が答える。それにしても、いきなりどうしたのだろうか。


「なんで?」


聞くと、桜は茶化すような口調で答えてくれた。


「いや、親に誰か誘って行きなって言われてさ」


そう言った。確かにそう言ったが、私はそうは思えなかった。そういえば、部長・副部長ということもあるのかもしれないが、二人きりで話すことも多かった。二人で行動することも・・・・・・。そのうちに恋が芽生えてしまったとしても、なんら不思議ではない。


“そう”だと考えれば、全て合点がいく。そうか、“そういうこと”だったのか。喜ばしいことだが、ここで茶化してはいけない。思春期の男女だ。ここで茶化してしまっては、恥ずかしがって、または茶化されるのを恐れて、これ以降思うようにアプローチ出来なくなってしまうかもしれない。


だがしかし、もしそうなら、何故桜は私に話してくれなかったのだろうか。那智の親友(?)である私なら、絶対に力になれると思うのに・・・・・・。やはり、茶化されたくなかったからだろうか。


「毎年誰と行ってるの?」


二人きりの会話は、思ったより弾んでいるようだった。そうこうしているうちに、部活動終了の時間になってしまった。課外中は事務室が閉まっているため、施錠を頼むために先生を呼ぶらしい。


二人になったタイミングで私は


「外堀から埋めていくのも、良いものだぜ・・・・・・」


とイケボ風に囁いた。桜が困惑していたように見えたけど、気にしない。私の口元がにやけてしまっていたのも・・・・・・絶対に気にしない。

昨日は投稿できなくて申し訳ございませんでしたm(*_ _)m今日は多分、もう1話更新します!今から書き起こすので、どうなるか分かりませんが・・・

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