色々と解説2
そういえばな説明?し忘れ。……もしくは弁明。
恣意的に旧日本軍流出品――特に武器類は避けています。
なぜならGHQ統治時代に米軍横流しな武器を持っていても、おそらくは眉を顰められるだけでしょうが、旧日本軍のだと大問題となるからです。
ありとあらゆる武器は、進駐軍に回収されたといいます。
それは伝統的な日本刀なども含み、国宝級の代物を美術品と納得させるのすら、多大な苦労をしたそうです。
実際、この時に廃棄された名刀は数知れずも言いますし。
……やっぱり戦争に負けるもんじゃありませんね。
話を旧日本軍兵器へ戻すと、旧大日本帝国製の拳銃一丁ですら、所持してたら進駐軍が突撃してくると思います。
なぜなら武装解除から漏れた証拠であり、存在そのものが許されないからです。
よくよく思い返してみると各種創作なども米軍横流し品ばかりで、旧日本軍流出品は登場しなかったように思えます。
というわけで三世たちは外来品中心となり、さすがに入手できたら変だろっていう物だけ旧日本軍製です。
作中でゼロ戦のエンジンをトヨペットへなどといってますが、おそらく無理と思われます。
戦闘機のエンジンなどは重点的に接収され、何一つとして実物は残らなかったでしょうから。
ちなみにルパン三世の連載開始が一九六七年ですから、ワルサーやコンバットマグナムの選択は、かなり現実的といえるかも?
終戦して約二〇年ですから――
ワルサーは、やや懐古主義的だけど、ぎりぎり現実的なチョイス。
……おそらく第二次世界大戦で一、二を争う評価を受けたのと、米兵達がステータスシンボルとしていた――鹵獲したワルサーを持つのがイケてたんだそうです――のが大きい?
コンバットマグナムは新時代の一線級なリボルバーとして、選ばれて当然に近い感じかも。
有名人のパットン将軍とかも愛用してましたし。
そして似たような時期のゴルゴ13も、専門家に意見を求めて当時では最新鋭だったM16を愛銃としちゃいましたが――
これ、よくよく聞くと当たり前だったりも!
そもそもアサルト・ライフルは「ドイツの落下傘部隊が、せっかく敵背後に布陣したのに装備で負ける」という悲劇から開発が始まっています。
まあ、ピストルとサブマシンガンだけじゃ、そりゃライフル兵に負けるよね。
そこで紆余曲折ありつつも、万能銃として制作されたのがStG44。
最初から、これ一丁で全ての局面を打破するつもりで開発された訳です。
しかし、M16はアサルトライフルとカテゴライズされたものの、その本質は『米軍用の次世代歩兵銃』でしかありません。
つまりはアサルト・ライフルであるStG44やAK47と比較すると、まったく内容が違う訳です。
でも、さいとうたかを先生は「主人公は凄腕の潜入工作員」と説明しちゃったものだから、専門家も米軍最新のアサルト・ライフルなM16を推薦してしまった……と聞きます。
もう少し詳しい説明をしていれば、なにか適当な狙撃銃だったかもしれませんし……アサルト・ライフルとして完品に近いAK47が推奨された可能性すら!?
平行世界ではゴルゴ13がAK47で狙撃する世界線も!?
「意外と主人公達の愛銃は、その世界観と密接な関係があるのだなぁ」との思いから、三世たちの武装は細かく説明しています。