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そんな出来事の後は拠点間を魔法陣で繋いでいった。全ての拠点が裾野と繋がり、有事の際には裾野が中心となり対応する事となった。

山里地区と入聞、立河は厚林とも繋げ塩の運搬で拠点の外に出る必要もなくなった。

製材所も各地区に設置して必要な木工製品の製作ができるようになり、生活が安定してくるといろいろな要求がでてきた。一番は敷地の拡張、運動場のような場所を希望していた。

7月からは、各拠点の敷地拡大を行い運動場を作って廻った。野球場とサッカー場だ。

人気スポーツだけあり賑わっているようだが、山里地区は人数も少なく試合もできないので人は集まらない。だが各拠点では人気だ。

しばらく放置されていたお見合いが再開されることになった。希望はすぐに集まり、第二回訓練お見合いが開始された。7月7日、七夕の日からだ。

もちろん訓練と最初に名が付くので訓練が主体だ。夕飯後が交流の場となる。

今回も15名が参加して魔力循環から開始した。全員がダンジョン未経験なので、あまり上がらないな。少しでも魔法を見たり受けたりした人とは違うようだ。

初日の夜はドラゴン肉でBBQとなった。イベント限定のドラゴン肉は皆に好評だ。酒もあるので今回の盛り上がりは異常だったな。

二日目からは装備を作り、ダンジョンでネズミ退治から初めていく。装備のおかげで怪我も無く訓練できるが、何人かは危ない状況があった。

隊長さんと俺でフォローしながらフロアは素早く進み、ボス部屋が練習場所だ。

5匹のネズミと1対1になるよう5名が入り、隊長が後で待機する形で戦いを始める。

真直ぐに動くからと説明し、何回か戦っていけば問題なく倒せるようになる。剣術のLvも上がっているので、2対4になるよう隊長さんが1匹を倒して訓練を続けてる。

全員が2匹を相手に戦えるようになったので、訓練を終了して食堂に向かう。誰も怪我せずに終わり一息ついていると隊長さんが酒を持ってやってくる。すると白石君たち4名も加わり魔物の話となっていく。誰も寄ってこない。4名は外出も無くなり、時間があるとダンジョンに向かっているがレベルが上がらず悩んでいるらしい。明日から休みの人は教官として手伝ってくれる事になった。

裾野でも食料の収穫は集落から人が集まって行うようになり、仕事が減っているそうだ。

敷地拡大のついでに機織り工房も追加していたが、女性陣が使い始め空きが無い状態が続いているらしい。時間を持て余すのは嫌だよね。裾野には500台の機織り機と5棟の工房を建てている。布の心配は無くなったが、次は糸の心配だな。それもあって今回の訓練ではレベル30以上、感知のスキルと風魔法Lv5が目標だった。蜘蛛を倒すのに必要なスキルだ。

その後も順調に訓練は進んだが、魔法とスキルの習得が進まず7日間の予定を14日間に延長した。

延長した分、訓練は厳しくなった。裾野から今回でダメから次の準備も進めると言われ隊員さん達が申し出ての事だったからだ。

その間、女子だけでなく3人組も頑張っていた。再度の自己アピールだ。どうなったかは教えてくれないが顔を見れと分かってしまった。

風魔法と火魔法、土魔法はLv5に達した隊員が出たが、感知はLv3だった。だが、使っていく事でLvは上がるので訓練は終了となった。

最終日は休みとなり、敷地の中に散っていった。真畑さんが寂しそうだったので一緒にダンジョンに向かった。風と土に加え水魔法も習得していて、戦い方が豊富になっていた。土と水で堀が作れるね。それではない!と怒っていた。



この頃、原潜は本国に到着し安全地帯の確保に掛かっていた。

土魔法で川を深くして拠点までの経路を確保し、避難所となっている空港が避難所に向かう。周辺の土を掘りおこし壁を作っていくが、魔力に限りがあるので1日では終わらず、3日間かけて3キロ四方の大きな安全地帯が完成した。

中に残っていた魔物は弱かったので殲滅する事ができたが、状況によっては拠点の変更もあっただろう。その時は多くの人が行き場を失ってしまう。艦長は安堵のため息をついていた。

次に向かったのは内陸まで湾が入り組んだ街だ。空港周辺まで続く川の幅と水深を魔法で広げながら進み、ここも3キロ四方の囲い込みを行っていく。

だが、強い魔物がいたので囲い込みの時に範囲外に魔物を誘導する事になった。

風魔法で魔物を攻撃しながら壁の無い橋に誘いこむ。橋の上に魔物がきたら壁を繋げ、橋を落とす。何とか魔物の排除に成功し、2ヶ所目の安全地帯が確保できた。

(この先は内陸に進むか、大回りをして東側に行くか、上層部の判断だな。)

1か月の期間を掛け東側に向かう事となった。




今回のお見合いで6組のカップルが成立した。よかった、よかった。

15名の内、5名は純粋に訓練にきていたので10人中6人が移り住む事になった。6名に家族は居なかったので、旦那方は増えず悲しそうだった。新しい友人がほしいのかな。

翌日から叶井さんの指導で家の建築が始まった。6名が自分達で建てたいと言い出したからだ。

2日で1棟が建てられれば十分と急がさずに見守っていく。木を倒しても漆黒樹なので傷も着かない、練習にもなるんだな。暇になってきた4人が手を出したいようだが、ダメだぞ。

俺は裾野で訓練をしている。少しでも多くの人に魔法を覚えてもらう為だ。俺が移動した隊員も教えているが、魔力循環ができないので習得は厳しい。視点を変えて15才以下にも教えたいが、悪い事を考えてしまう。魔力を悪用しないかだ心配なのだ。

今は18才以上だけに訓練をしている。それ以下の子供たちには魔法の使い方を教育している最中だ。いずれは15才以上になっていくだろうな。

錬金術で装備も作れるよう指導している。熊皮は無理だがブラックベアの皮でシャツとパンツを作らせている。作れないが術を使う事でLvが上がっていく事を期待していた。

聖魔法を習得できる者は少なく、傷の治療で各拠点を廻っていた。病気への対応ができていないが、インフルエンザも流行らず冬を越したのは幸いだったな。

薬の在庫は少なくなっていた。漢方薬の本から作ろうと裾野で奮闘しているが、薬草を探す事から始めないとダンジョンに吸収させることもできない。

俺はダンジョンに生える草を確認していない事を思い出した。初期の頃に草を解析したが雑草で、使えない草だったのでコアを手に入れてからも調べなかったのだ。

大岩ダンジョンのコア部屋に行き、配置できる草を調べていく。薬草は7種類が存在していた!


オギリ草 止血

ハゴマ草 解熱

オウヒ草 鎮痛

ケオラ草 腹痛

ルボテ草 貧血

ハドミ草 解毒

ギヨマ草 増血 殺菌


これらを使えば薬の代わりになるだろう。そして薬草と魔物のドロップ品を組み合わせてポーションを錬金術で作れる事が解析で分かった。


青ポーション  傷を治す。オギリ草、ハゴマ草で作る。

緑ポーション  頭痛、腹痛、胃痛等に効く。ケオラ草、オウヒ草、ハゴマ草で作る。

黄ポーション  傷、骨折等を治す。青ポーションにギヨマ草、バッファローの角を加えて作る。

白ポーション  細菌性の疾病に効く。緑ポーションにハミド草、ルボテ草を加えて作る。

銀ポーション  黄と白、2種類の効能を持ち合わせた物。薬草全てとミノタウルスの角で作る。

赤ポーション  体力回復効果がある。薬草全てとビッグパンサーの牙で作る。

金ポーション  全てのポーションの効能を持つ。全ての薬草とオーガの角で作る。

エリクサー   万病に効く。欠損部位も回復する。金ポーションにエンシェントドラゴンの角と魔石、世界樹の葉で作る。


エリクサーは凄いな。万能だが材料が不足していて作れないな。他は製作可能だ。

錬金術がLv5だと青、緑、黄、白、赤が製作可能か。必要な薬草と素材を各拠点に持っていいけば、現地の人で作れる。これで薬の問題も解決だ。

他にも作れるポーションはあるが、生活に必要な物だけでいいだろう。戦いに使う物は後回しだ。

これがあると聖魔法って不要なのか? 戦闘中だとポーションを飲んでる時間が無いから必要だが、一般の生活はポーションでいいだろう。



また一つ、生活が安定したな。


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