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ダンジョンマスターは好き勝手に生きたい。  作者: ベルフェゴール
第三章 ダンジョン食物倉庫
52/57

052

浜杉の拠点は今までの拠点より民間人が多く、慌ただしい感じだった。

指令に挨拶してから周囲の壁と堀を作っていく。少し遠いが湖と繋げて水を満たした。

敷地内の魔物は少ないので殲滅はすぐに終わり、配置の確認をしていく。今回は裾野から誰も来ていないので打ち合せの対応も全て行っていく。

「井戸とトイレ、家の配置はこれでお願いします。」

指令管に手渡された地図を見て絶句した!

「当初の予定より敷地も数も違いますけど。指示されていた大きさで囲いも作ったし、指示通りでいいですよね。」

敷地は3倍以上、周辺の建物も含んでいるし、設備も3倍!家は5000棟だった。裾野と無線連絡をしている間にダンジョンを3個設置して、隊員を連れて中に入っていく。ここの隊員はダンジョンの中に入るのは初めだった。ここは怖くないと説明したが、無理だろうな、顔が強張っている。

今回は食料以外の階層設定はしていない。完璧な食糧倉庫だな。

外に出ると、地元メーカーの偉いさん達が敷地の話をしてくる。民間人はこの会社の人が大半で司令官も対応に苦しんでいるのが分かった。総理も大変なんだろうな・・・脱穀セットを30だして話を聞く。

「ここには何人が生活しているのですか?」

「1900人程で世帯数は1100台です。家は1500棟あれば十分ですが・・・」

俺と司令官は偉いさん達を見る。

「今後、わが社の社員が助けを求めてくるかもしれない。数は多ければ多い方がいいだろう!」

「今回は予定数以上は準備していないので、数を増やしたいのなら自分達で建てたらどうですか?」

そういって俺は当初の予定通りに井戸堀を開始する。後ろで騒いでいるが、

「うるさい!」

怒気を込めて黙らせておく。ここの湖は汽水かな?300mほどの深さまで掘って水が溜まるのを待つ。

水は5m下まで溜まってきたので舐めてみるが塩分は大丈夫そうだ。そのまま30か所に井戸を掘り、給水設備を設置していく。休憩も取らずに設置を進め暗くなってから給水設備の設置を終えた。

面倒な人が多いのでダンジョンを出して中で寝る。いつもの事だからな。

翌朝、早い時間から排水トンネルと汚物層を作り、トイレの設置をする。

最後に洗濯機を並べていけば、残りは家だけだ。随分と暗くなっているが、そのまま家を1500棟刺していく。全てが終わって、2時間程で明るくなる時間だった。厨房セットを隊員さんに渡して、そのままダンジョンで仮眠する。

目覚めたら夕方だったので司令と話を始める。

裾野との話は終わっており、民間人の受け入れは都度の対応は行うが、足りなくなるまで設備の追加は行わない事が決まっていた。あとは説得だけだと言う。

「俺が話をしましょうか?」

司令官は

「話ではないですよね。」

と笑っていた。話だよ、話。

ここの住民で酒造りの経験者が居ないか聞いてみるが、すぐには分からないとの返答だった。該当者が居れば裾野経由で教えてくれるとの事で、夕食後にダンジョンで寝た。

一日早くなったが、大牧に向かう。

すでに無線連絡は入っており、早々に敷地の囲い込みを行った。ここでは問題も無く、予定通り4日間かけて設備の設置を終える予定だ。

だが、3日目の朝、2回目の魔物放出があった!周囲は森になりダンジョンの数が減っている。

魔物も出したが、崩壊するダンジョンが広範囲にわたり森林を作っていた。

その日の内に全ての設置を終え、4日目の朝に山里地区に戻る。中は普段と変わらない生活が続いていた。各拠点の中では知るすべがないか、俺は皆に挨拶をして朝食を食べていた。


白石悟 26

西口麻衣 23


染谷隆吾 26

田川沙耶 23


香坂幹夫 27

下田千紗 23


上田稔 27

坂野奈々美 24


俺は4組の新婚さんから自己紹介を受けていた。これからは苗字が変わるのか、間違えないようにしないとな。他の女子、次の見合いに期待するのはいいが、いつになるか分からないぞ。


白石昌孝 52

  靖子 51

  元彦 19


香坂優 51

  克美 51


上田正次郎 53

  実咲 48

  里美 22


3家族も一緒に移り住んでくれる。66名の住民たちだ、仲良くやっていこう。

隊員4名は作業をしていくが、裾野から依頼があれば優先させる事になっている。穀物の刈り取りと脱穀は4人の作業となった。不在になっても在庫を調整しておけば問題ないからだ。

旦那方は3名増えて10名になった。

上田さんが酒造りの経験があるという事で盛り上がっていく。

「麹が作れなくて、困っているんですよ。」

鈴木さんが言えば

「味噌と醤油はどうしたのですか?」

麹の袋を見せると

「これで米麹を作れば大丈夫です。」

「「「「 !!! 」」」」

知らなかった・・・

「在庫が少ないなら米麹を絶やさないよう作り続けていけばいいです。」

上田さんの言葉で酒工房に向かう。

「明日から米麹を作り始めましょう!」

酒が飲めるようになるか、奥様方も使いたいだろう。アサリの酒蒸しもいいな。

奥様方は4班を維持したまま3名が入っている。食事班、収穫班、機織り班、お休みのローテーションだが、収穫班は午前中で終わっていたのが卵が追加され、少し忙しいようだ。朝食前に卵を集めるので散歩を兼ねて子供たちも一緒に行動している。

魚は旦那方が頼まれた分だけ捕っていき、仕事の無い日が多い。

牛乳は2~3日に一回の割合で搾っている。これも収穫班の仕事だが、1時間も掛からないらしい。

休みの奥様方でパスタ作りが始まっている。クリームと卵が手に入ったので気合が入っているな。

ラーメンも作りたいのだがかん水が無く、作る事ができずにいた。だが、卵を入れて麺を捏ねると色は黄色がかった麺になっていた。ただし匂いはラーメンのそれとは違い、縮れもない。少し不満は残るがラーメンの代用食として採用された。

人も増え酒造りも始まった。細かい事はわからないが上田さんからはいろいろな機材の注文が入っている。酒造りに必要な機材らしい。酒の為だ、最優先で作って工房に設置していく。

裾野からも設備作りの相談が来た。大牧から戻って5日後の事だ。翌日の朝から裾野に行く事にしてミスリルと漆黒樹を収納して準備する。

裾野で待っていたのは、エンジニアと呼ばれる人達だった。彼らは塩と紙の製造装置の図面を広げて説明を始める。詳細はともかく、指示された機材を作るのだが今の素材で作れない物は無い。

裾野には紙を作る機材を設置していく。温度の設定や時間の設定など細かな調整を指示されながら出来上がりを待つが、製品は明日以降にできるそうだ。残念。

翌日は紙の仕上がりを見て、再調整を行っていく。設定によりトイレットペーパーも作れるようになった。もちろん筆記用具としての紙も作れる。成功だ。

次は塩だが、設置場所は杉島になっていた。エンジニアたちが到着するのは3日後という事で合わせて現地に向かう事にした。向かう車両には隊長さんも同行するので安心だな。

翌日、山里地区にも紙の設備を設置していく。場所は製材所の前にした。4人が紙作り担当だ。

時間もあるので入聞にも設置しておいた。立河と厚林は明日の設置だ。

予定通りに杉島で塩の設備を設置した。問題なく稼働している。

そのまま四沢にいき塩と紙の設備を設置してマニュアルを渡してくる。本職の技術者はしっかりしているな。

千里にも設備を設置していくが、海まで遠いのでトンネルも長くなったな。千里は杉島からの戻りに技術者が立ち寄る予定だ。両方の設備が動く事を確認してから山里地区に戻ると暗くなっていた。

厚林から海までは凄く遠いが、塩の為に堀とトンネルで繋げていく。装置を稼働させて塩作りが始まった。ここから関東の拠点と裾野に塩を配る計画だ。

その後も大牧、大松に設置して廻る。






生活に必要な物がダンジョンからの収穫で可能になり、新しい生活の始まりだな。


これで第三章を終わりにしたいと思います。


次からは第四章に入ります。


今後もよろしくお願いします。

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