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ダンジョンマスターは好き勝手に生きたい。  作者: ベルフェゴール
第三章 ダンジョン食物倉庫
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1時間程で千里に到着する。

司令官の話では野営地到着の連絡は入ったそうだ。

だが、その後の3時間おきに設定している定時連絡が途絶えて3時間。

「野営地に向かいます。3人は装甲車の中で!」

「他の人員は?」

「申し訳ないですが、隊長さんの他3人がレベル60以上です。

 それ以下の方が一緒でも正直邪魔です。」

俺は上空から隊長さんの気配を探る。

下は真っ暗だ。明かりも無い。

20キロ程先に薄っすらと明かりが見える。装甲車のライトか?

俺は急いだ。

装甲車とバスの周囲には熊が3頭居た。

ブラックベアが3頭か、確かに隊長さん達には厳しいか。

全員が外に出られず、籠城状態だ。

熊は火弾を飛ばしたり、体当たりをしている。

上空から空刃を飛ばし消し去る。

「隊長さん、大丈夫ですか?怪我人は?」

「勅使瓦さん!怪我人はありません。ありがとうございました。」

隊長さん以下、全員で頭を下げてくる。

「無事でよかった。ちょっと周囲の魔物を倒してきますね。」

俺は3キロ圏内の魔物を倒して行く。

「バリバリッドッカーーン!!」

久しぶりの雷魔法だ。雷の音だけが響き渡る。周囲に人な居ない。

俺は野営地に戻り、装甲車とバスを確認する。

ミスリルは傷も無く、走行は可能だ。

「杉島は何人の人がいるのですか?」

"「1933名が居ます。非公式ですが、沿岸部は地震や津波対策で各拠点に50~100万の非常

 食が備蓄されております。"

 それがあるので、至急の対応では無かったのですが、熊に遭遇するとは・・・

 お手数をお掛けしました。」

「明日、向かうのですか?」

「一端、千里に戻ろうかと思います。」

他の隊員を見廻す。

 バスを運転していた隊員のレベルは低い。

俺が魔力循環を施しているが、魔法の習得はまだのようだ。

「明日、俺が3人と一緒に向かいますよ。」

「私も同行します。お前たちはここで待機していろ。」

「ここに結界を張りますよ。」

俺はコアを小さくして、魔法陣を刻み4ヶ所に設置して起動させる。

「この中なら魔物は入ってこれません。龍以外は。」

その晩は全員で野営し、翌朝、5人で杉島に行く事になった。


杉島に着いて司令官と話をする。

「正直、千里への移動よりここでの定住を多くの民間人が望んでいます。」

司令官の言葉に隊長さんが頭を悩ませる。

地元は離れたくないよな。

「裾野と相談しますので、お持ちください。」

少し離れた場所で隊長さんに呼ばれる。

「勅使瓦さん、ここを拠点とする場合、協力をお願いできますか?

 その場合何日くらい必要でしょうか?」

家の在庫は4000棟あるな、給水は足りない。

厨房と脱穀機は大丈夫、トイレも不足だな。

「準備に1日、設置で3日ですかね。」

「分かりました。裾野に確認してみます。」

隊長さんが装甲車の中で無線連絡を始める。

俺は敷地となる部分の囲い込みを開始する。

1.5キロ四方に壁と堀を作り水を通す。今回は海水だ。

だが、水中の魔物も考慮して細いトンネルを複数繋げて海水を流し込む。

敷地だけは歓声だ。

「隊長さん、敷地はできました。皆さん外に出ても大丈夫です。」

外に出てきた人は嬉しそうだ。

100日以上、室内に居たのだからな。子供は走り廻っている。

「裾野は何と言ってますか?」

「勅使瓦さんに協力いただけるのであれば、拠点として整備を手伝えとの事です。」

「家の配置等、少し時間をいただけませんか?住民と話をしないと。」

「分かりました。準備が整い次第、裾野に連絡をお願いします。」

「ところで食料は大丈夫ですか?畑ダンジョンを出しますよ。」

「畑ダンジョン?」

隊長さんが司令官に説明していく。

「是非、お願いします。」

俺は畑ダンジョンを2個だして3人に説明をお願いする。

地元の隊員と一緒に入って確認だ。

その間に脱穀機セットを10、厨房セットを100出して使い方を説明する。

家も1棟だけ出して確認してもらう。

「これが冷暖房用の魔法の道具です。」

この時期でも20分も最大で温めれば汗ばむくらいの能力だ。

実は気密性も初期の物より高くなっている。

「十分です。中は工夫次第ですから。」

司令官は嬉しそうだな。

そのうち製材所をここにも作りたいな。裾野にもだな。

暗くなる前に野営地に戻り、全員でバスに乗ってもらい千里に飛ぶ。

使わない車両は収納した。

千里も大分落ち着いたようで笑い声も聞こえる。

「隊長さん、杉島以外の北はどうですか?他にも拠点が必要では?」

「四沢が稼働しています。2500名程の人員が居ます。」

「そこも一緒に作ってしまいましょう。

 家と給排水、必要物資のリストをお願いします。

 関西以西も同じように考えましょう。」

「分かりました、裾野に戻り検討を開始します。」

俺たち4人は山里地区に戻ったのは22時を越えていた。


翌日から設備作りを開始する。

給水設備、トイレ、トイレ用の建物。300セットを作っておく。一日が終わってしまった・・・


次に日は脱穀セット100、厨房セット1000で終わった。


家を6000棟は4日間で出来上がった。

もちろんチーちゃんと励んでいましたよ。


準備ができたので四沢に行く。今回は7日間だ。

周囲の高レベルダンジョンを制覇する予定だ。

1日目で井戸を30ヶ所、給水設備を15ヶ所設置する。予定通りだな。

夜はLv9の飛行系ダンジョンだ。再下層がワイバーンだった。

この日だけでは制覇できなかった。

2日目は休止設備15ヶ所、これで水は完了だ。

ワイバーンはこの日で倒す事が出来た。

3日目、トイレと排水講の設置だ。

Lv8の動物系ダンジョンを夜に制覇しておく。

4日目、家を刺して設備関係は終了だ。

その後

Lv8 2足歩行系

Lv7 飛行系

Lv8 ゴーレム系

Lv8 罠系

Lv7 死霊系

7日目の夕方前だったがここまでで終わりにした。


山里地区に戻ると、ちょうど食事の時間だった。

「クーさん、お帰り。今日はカレーだよ。」

「ただいま、カレーか、嬉しいね。」

久しぶりのカレーだ、カレー粉の在庫は大丈夫、まだあるな。

「プランターは完成したの?」

気になっていたので聞いてみる。

「「「「・・・・・ 」」」」」

何も言わない。

「土入れて持ち上げたら壊れたんだよな!」

叶井さんが笑ってる。

「200個も作って全部ゴミだったな。」

1個作ってから確認しなよ。

「来月には欲しいから、無理ならくーさんに頼むわよ!」

おっと優香子さんまでくーさんかよ。

「そういえばサエちゃんが年齢的には中学卒業だよね、この先はどうするの?」

真畑さんが聞いてくる。

「私は普通にお嫁さんになりたいです。」

いいな、普通の間隔。

(くっ!レベルを上げる目標は乙女では無いのか・・・)山守さん

(私も普通になりたかった・・・)真畑さん

(衛生兵だったのよ、私は。それがダンジョン制覇なんて・・・)多門さん

3人、悔しそうな顔するな。君たちもいい味だしてるから。

ダンジョン娘も同じ反応だな。3人組、鼻の下を伸ばすな。候補には入ってないぞ。

「あらっ、誰か好きな人でもいるの?」

真希絵さん、お母さんの顔だね。

「あと3年くらいしたら私もお見合いしたいです。ここは男の人少ないし。」

なっ、君たち候補に入ってないだろ、そんなもんだよ人生なんて。

大人は3人組を見て笑いを堪えている。

「舘下さんと幡垣さんは元気ですか?」

中西さんが心配そうに確認する。

「両名は元気です。千里から裾野に戻りました。」

山守さんの報告だ。

「そう、よかったわ。」田川さん

「勅使瓦さん、隊員の訓練をお願いできないでしょうか。」

「山守さん、訓練って誰を?」

「裾野から15名の独身男性隊員の訓練をお願いされました。」

お見合い希望の女子は目がキラキラしているな。

「いいけど、拠点はどうする?」

「次の拠点は12日後を考えています。その間でお願いできませんか。」

「了解、いつからでもいいよ。」

「明日、日程を裾野と打ち合わせて連絡します。」

お見合い訓練が始まるのか。3人が泣きそうだよ。

「家が足りないな。2軒くらい建てておくか?」

叶井さんが嬉しそうだ。

「そうですね、2軒追加しますか。2日もあれば大丈夫ですよね。」

「では最短3日後からの開始可能と連絡します。」

話は決まったな。

夜は久しぶりにチーちゃんと過ごした。


翌日から家の建築が始まった。

叶井さんと4人組、俺も加わり建てていく。

暇な旦那方も加わり、2軒を一日で建てられた。早くなったな。

翌日、昼食後に屋根を仕上げて大工仕事は終了だ。

叶井さんは満足気に食堂に行ったな。

3人組は何か言いたそうだったが製材所に行った。よかったな居場所ができて。

3人とトシ君、どんな会話してるのか、気になるな。

午後からは暇なので敷地内をブラブラしていた。

そうだ、3人をダンジョンに連れていく事を忘れていた。

ダンジョンに見にいく。

ファイヤーイーグルと1対6で訓練している。

魔法を控えて剣で対応か、いい訓練だ。

「どう、訓練は?そろそろ別の階層に行きたいでしょ?」

「「・・・」」

多門さんと山守さん、黙ってるよ。

「明日から畑ダンジョンの下層に行こうよ。

 ゴーレムとかミノタウルスとか強くて訓練になるよ。」

「いえ、もう少しここで訓練します。」多門さん

「ダメダメ、ここではレベル上げも難しくなってるから。次だよ次!

 明日、隊長さんも来るよね?一緒に行こうよ。」

2人は黙って頷く。これでレベルアップだ!

その後、製材所に行ってみる。

3人組が悲しそうな目で見てくる。俺を見るな!

「どう、プランターの出来は?」

俺は壊れたプランターに目を向ける。

「正直、舐めてました。持ち上げて壊れるとは・・・」

トシ君は悔しそうだ。3人も悔しい顔してるが、きっと意味が違うだろう。

「あのさ、釘、下から打ったらダメだろ、横からだろ!」

「「「「っ!」」」」

「だから、下から釘打ったら、重さで抜ける方向だよ、素人でも解るよ。」

「すぐに作ってみます。」

トシ君が材料の切出しを始める。

食堂に戻って

「叶井さん、プランターって釘の位置に問題有ですよね?」

「なんだ、くーさん気付いたのか。教えた?」

「ええ、教えましたよ。」

「ダメだよ―、自分達で考えさせたかったのに。」

「えっ! そうなの、ごめん。」

「しかし、素人のくーさんが気付くのに、あいつら、やっぱ現場で一緒に鍛えないとダメだな。」

「現場ってプランターでは、ねぇ、物足りないよね。」

「そうだな、家も切出しはくーさんだし。あの黒い木は俺たちでは加工できないしな。

 だが、あの木を超える材料は無いし。」

「プランターの次を考えさせれば?」

「そうだな、何かあるかい?」

「う―ん、無いですね?機織り機の組み立てなら5台分あるけど、余っていても邪魔だしね。

 将棋の駒でも作らせますか?」

「そういえば娯楽が無いな。将棋とリバーシでも作らせておくか。」

「他の拠点にも配りますよ。そこでゲームで彼女ゲット!とか言って沢山作ってもらいましょう。」

「くーさん、悪だね~。だが、それで行こう!」

4人に仕事が決まった。

夕食時に4人に仕事の話をする。結構やる気だ。トシ君以外が。

「機織りは順調なのよ。サエとモモも手伝っているので、機織り機を2台追加できるかしら。」

真希絵さんが教えてくれる。

「あと5台分ありますよ。全部だしますか?」

「5台だと余るから今回は2台でいいわ。」

機織り機2台の追加が決まった。

組立は旦那方が明日行う事に。

「明日から人も増えるから、食材も多めにあるわね。」のぶえさん

「そうね、肉が少なくなってるから出してもらえるかしら。」優香子さん

「いいですよ、ミノタウルスでいいですか?」

「大丈夫よ。」優香子さん

若い娘さん達は明日の事で頭がいっぱいなようだ。

「今回の15人で全員ですか?今後も訓練はつづきますか?」

堀越さんか、今回ダメでも次回って事か。

「40人程の人員を予定しています。次回の人数は決まっていませんが。

 他の拠点作りとの兼ね合いで時期も不明です。」

山守さんが説明してくれる。


明日の到着を待つだけだな。



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