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ダンジョンマスターは好き勝手に生きたい。  作者: ベルフェゴール
第三章 ダンジョン食物倉庫
42/57

042

翌日、隊員さん達は昼まで部屋から出てこなかった。

疲れていたのだろう。大変だったね。

でも全員はLv60超えだから、胸を張って戻れるね。

昼食後に9人で裾野に向かう。

「隊長さん、お疲れ様でした。今回はレベルも上がった救援活動も広げる事ができますね。」

「ご指導、ありがとうございました。次も中部方面に行く予定です。」

今後の予定は中部から関西、東北も行きたいが、北関東に拠点も作りたい。

沢山あるな。拠点の手伝いはいいけど、こちらからは言わない。

「隊長さん、ダンジョンでなくてもできる魔法の練習です。」

水球を3個だして、それぞれに動かしていく。

「風弾でもできるので、試して下さい。」

隊員さん達が試していくが、2個を出す事からだった。

「これができると2体同時攻撃が可能になるので、レベルが上がっていくと思いますよ。」

「勅使瓦さんは何個くらい出せるのですか?」

俺は20個の小さい水球をだして隊員さん達の前を回して見せる。

「これが5個できれば、コカトリスを2対8は可能ですね。10個なら1人ですよ。」

全員が風弾で練習している。

「廻りの風弾を感知しながら自分の風弾もコントロールして。

 戦いながら別の魔物を確認する事に必要ですよ。

 これは部屋でも可能なので、毎日繰り返し練習してください。」

そういって風弾の動きを見守っていると裾野に到着だ。

早々に隊員さんの魔力循環だ。

12人が俺を掴んでくる。シュール・・・だな、男12人に群がられている。

気持ちのいいものではないな、素早く終わらせよう。

「少し気分が変になるかもしれませんが、気にせず手を放さないで下さい。」

俺はいつもより多めに魔力を循環させていく。

「うぉっ!がっ!」

変な声を出してくるので

「集中するので静かにして!」

俺はぐいぐい魔力を流していく。おし、増えてるぞ。

魔力の増加が終わった。5000~8000だな。

次の12人が控えてる。装備を作ったのは50人の男性隊員だったな。

同じように一気に魔力を流していく。だから、声だすな!

36人を終えたところで夕食。

マスコさんと二人で話をする。

「北関東に拠点を作りたいのですが、協力をお願いしてもよろしいでしょうか?」

「隊長さんからも少し聞いています、いいですよ。」

「ありがとうございます。」

「人数はどうなってますか?」

「現在、761名です。」

「了解です。レイアウトが決まったら教えて下さい。」

「これで作りたいのですが。」

マスコさんが地図を広げて説明する。千里だ。

水関係は20セットか。家は1000でいいな。ダンジョンは2個。

「少し準備に時間が掛かりますが、いいですか?」

「10日後に出発予定です。途中1泊して翌日からの作業予定です。」

「装甲車は足りていますか?千里に持っていく分があれば用意して下さい。」

拠点作りの話を終え、13人が待つ部屋に。

50人、全員を終えた!ダンジョンを出して中で寝る。


別室では

「隊長、後継者の話を勅使瓦さんとしましたか?」

「申し訳ありません。時間が無く話ができませんでした。」

「では明日、私から話をしましょう。

 3名は山里地区に残りたい、そういう事でしたね。

 今も気持ちは変わりませんか。」

「「「はいっ!」」」

「では我々の考えを説明させていただきます。

 現状、ダンジョンを管理できるのは勅使瓦さん1人です。

 これは将来、管理者が居なくなる事を意味しています。

 隊員達には管理者となれるよう訓練を続けていますが、現状は不可能であると考えています。

 才能、この言葉で片付けていいのか解りませんが、努力では補えない事です。

 そこで我々は勅使瓦さんのDNAと受け継ぐ子に期待をしております。

 だが、彼に子は無くそれも期待できません。

" あなた方3名が勅使瓦さんに好意をいだき、婚活ですか?するのであれば全面的に支援したい

 と考えています。"

 政治的な判断も含まれますが、協力していただけますか?」

「総理、勅使瓦さんには仲基さんというお付き合いをしている方が居ますが。」隊長

「そうですか、お付き合いしている方が居ましたか・・・」

「隊長!確かにそうですが、私達に可能性が無いわけではありません。」真畑さん

「そうです。複数の方とお付き合いをする事もあります。」山守さん

「我々3名で子供を授かるのであれば、複数との交際となりますよ!」多門さん

「・・・皆さんのお気持ちは理解しました。後は勅使瓦さんの考え次第でよろしいですね。」

「「「はいっ!」」」

「訓練はどうでしたか?」

「全隊員がレベル60をクリアしました。」隊長

「素晴らしい成果ですね。他の隊員に展開できますか?」

「厳しいかと考えます。魔力は増えましたが、魔法が使えません。」

「魔法ですか、ダンジョンで習得可能ですか?」

「可能です。我々もダンジョンで習得し勅使瓦さんの訓練でレベルを上げました。

 山里地区の方々も魔法を覚えていますが、これは彼の協力無には不可能な事です。

 魔法習得には時間が掛かるので、協力は厳しいかと考えます。」

「3名は山里地区に残り、3名は入聞、立河、厚林へ5名の隊員と共に向かって下さい。

 拠点で肉が不足しており、ダンジョンからの採取が急がれています。」

「はっ!舘下、幡垣、鈴木の3名を向かわせます。」

「同行する隊員の人選は任せます。2日後に向かって下さい。」


総理との話が始まった。

「勅使瓦さん、昨日は御疲れ様でした。」

「いえ、問題無いですよ(あの声以外は!)」

「千里の件も、ありがとうございます。よろしくお願いします。

 形は問題無いですか?」

「形に問題はありません。」

「・・・今後の、いえ、将来についてお話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」

「?ええ、構いませんよ。」

「ダンジョンマスターの勅使瓦さんが居なくなった後の事です。

 ダンジョンはどうねるのでしょうか?」

それは聞いてないな。

「それは理解できていませんね。少し待っていて下さい。確認してきます。」

俺はダンジョンコアの部屋に行き訪ねてみる。・・・そういう事か。

「総理、ダンジョンマスターが居なくなると、初期状態に戻ります。

 最初に出現した状態です。」

「・・・そうですか、食料の収穫は出来なくなる、という事ですね。

 勅使瓦さん以外に管理する人間を育てないといけませんね。

 それは可能でしょうか?」

「厳しいかと思います。魔力で言えば隊長さんは俺の1/5です。

 魔法のレベルも低い。隊長さん以上の人材を探せればいいのですが。」

「そんなに違いがありますか。人材が見つかれば可能でしょうか?」

「可能ですが、人格も考慮しないと役所のような事になりますよ。」

「難しい問題ですね・・・

 勅使瓦さん、子を成す事はお考えではありませんか?

 我々の一方的な考えですが、あなたの子供なら可能性が高くなるのでは、と考えています。」

「子供ですか?正直、将来の事を考えていませんでした。」

「子供を授かる気はありませんか?」

「ありますよ。もちろん!」

「その中に3名の隊員も加えてはいただけませんか?」

「へっ!?・・・」

「将来の為、我々の考えに賛同していただけませんか?」

「いやいや、ちょっと待ってよ。3名の内、誰かを選ぶって事でしょ。

 チーちゃんと付き合ってるので無理だよ。」

「いえ、3名とお願いしたいのです。」

「「「お願いします!」」」

3人が揃ってお願いしてくるが、いいのか?

「仲基さんの事は知っています。でも、一緒ではダメですか?」山守さん

「一番でなくてもいいですから!」多門さん、テンプレかよ!

「勅使瓦さん、一度、真剣に将来の事も含めて検討いただけないでしょうか?」

「・・・検討って言いますけど、何を検討するんですか?

 この国は重婚は犯罪ですよ、不倫で何人も閣僚が退陣していたでしょ!」

「勅使瓦さん、結婚してないですよね、だから不倫になりません!」真畑さん

「一度、戻って検討をお願いします。」

将来かぁ~・・・考えていなかったな。

総理はどうするんだろう?

「総理は後継者を考えて育ててますか?」

「マスコ君を含め、数人を考えています。本人にも通達済です。

 1人では無理なので複数人を予定しております。」

そうなんだ、俺とは違いしっかり考えているんだな。

アオイちゃんやミヤちゃんの将来の事か・・・

 チーちゃんには相談できないな、鈴木さん兄弟がいいな、相談してみよう。

「分かりました。どう返答するかは戻って決めます。」

「3名は山里地区の警護任務に就くので、今後もよろしくお願いします。」

隊長さん、別の人でもいいんだよ。今は特に・・・

この後は千里と3拠点について話をした。

3拠点には肉ダンジョンを設置する事になった。

各拠点に5名の隊員を送り、それぞれの場所で鍛えていくそうだ。

午後には裾野を出発する。

3人と一緒の装甲車は気まずいので飛んで帰る!

車庫で鈴木さん兄弟と古湊さんの3人が脱穀作業をしていたので相談してみる。

簡単に言うと

「俺の後継者を育てる為に子作りをしてほしい。

 3名の隊員を候補者としている。

 お願できないか?」

「将来の事ですか、確かに勅使瓦さんが居なくなれば崩壊しますね。」鉄二さん

「30年、40年先の事ですが、確かに今から準備を始める必要がありますね。」古湊さん

「3人は同意しているのですか?」典和さん

「そこは大丈夫でしょう。見ていても分かりますよ。」古湊さん

「狙ってましたよね、3人共。」典和さん

「勅使瓦さんはどうしたいですか?」鉄二さん

「決められないから相談しているのですよ・・・」

「仲基さんはどう思いますかね?」典和さん

「そうですね、チーちゃんに嫌な思いをさせるくらいなら断ります!」

チーちゃんが悲しむなら断る。これもテンプレだな。

「仲基さんと早く子供をもうけて下さいね。」鉄二さん

「3人が来たらしっかりと断りますね。」

「ちょっと待って下さい。家内にも話をしていいですかね?女性の考えも聞いてみませんか?

 本当に崩壊したら・・・子供たちが心配です。」古湊さん

「そうなんですよ、それを言われると断れないし、受け入れも・・・

 そんなハーレムみたいな状況で奥様方に白い目で見られます!」

「だから女性の意見を聞きましょう。私としては羨ましいですが・・・」

古湊さん、それも奥さんに言ってね、絶対だよ。

「叶井さんには黙っていましょう。いろいろと面倒になりそうですから。」鉄二さん

「そのつもりでここに来ました。」

4人で頷いていた。


車内では

「拒否はされなかったわね。」山守さん

「ここまでは好結果ですね。」多門さん

「戻ったら結論が出てるかしら?」真畑さん

「まだ無理でしょうね。ここで決まるなら裾野で決まっていたわ。」多門さん

「問題は仲基さんの考えと若い娘達の反応よね。」山守さん

「そうね、ハーレムを作るって事になるからね。言葉を間違えると居られなくなるわよ。」真畑さん

「奥様方は子供の将来の為って言えば、ある程度は納得してくれると思ってるわ。」多門さん

「対応に注視して作戦を続行するわよ!」山守さん

「「了解しました!」」


夕食は53名、全員で食べた。

いつも誰かがダンジョンの中だったり外出だったりで揃わないので久しぶりだ。

「舘下さん、ここには戻ってこないのですか?」中西さん

「幡垣さんもです。」田川さん

「2人とも、きになるの?」山守さん

「「・・・」」

「舘下は入聞、幡垣は厚林に赴く事になってるわ。当分移動は無いわね。」山守さん

「そうですか、残念です・・・」田川さん

そんな会話が聞こえてくる。3人組は羨ましそうだが、この前の1件で評価下がったからな・・・

「若いっていいな!地主さん、他の娘達の為にも隊員さん連れてきなよ!」叶井さん

「そうね、見合い訓練なんてどうかしら?」優香子さん

「いいね、企画しましょう!山守さん、隊長に言ってくれよ!」叶井さん

「暇な貴方が家を建てて、住民も増えて、良い事ばかりね。」優香子さん

若い娘さん達は悲喜こもごもだな、半々って感じだ。

「利兼、お前はそろそろだな、待ってるぞ、孫の顔。」古湊さん

「そうよ、落ち着いてきたのだから将来の為にもお願いね。」のぶえさん

「「!・・・」」

2人は顔を見合わせて下を向く。おいおい、そんな年でもないだろうが。

「もち米はありかな?」叶井さん

「ありますけど、出していませんね。」

「明日、ソバ打ちと餅つきするから出してくれないかな?」叶井さん

明日は大晦日か・・・

「分かりました、すぐに準備します。

俺は慌ててもち米を7階層に出す。

臼と杵も作っていく。蒸かすのに中蓋も必要か。大鍋用の中蓋も作る。

おっと裾野、他の3ヶ所の分も必要か。

裾野は300セット、他は30セットづづで十分かな。

錬金で1セット作りコピーを始める。

そのまま裾野に飛んでダンジョン前にだして、傍に居た隊員に

「下層にもち米を出しておくので、この臼と杵で餅つきでもして。この肉も食べて。」

アースドラゴンの肉を600キロ程だしておく。

次は入聞か、同じように立河、厚林と廻り戻る。

その夜、ちーちゃんが来た。

「ちーちゃんは浮気とか許さない人?」

「浮気したの!!!」

「いや、してなし、しないよ。」

「そう、浮気か~、くーさんしたいの?いいよ、大丈夫だよ。」

ここもテンプレか、実際には怒られるんだな、多分。

「しないって。」

そんな会話を少しした。


鉄二さんは

「というわけで、真希絵はどう思う?」

「・・・・・そうね、難しいわね。将来を思うなら賛成だわ。

 でも、複数と関係を持ち続けるのは反対だわ。

 子ども達に見せたくないわね。

 でも、子ども達の為に・・・う―――ん、難しいわね。」

「そうだよね、だから結論が出ないのだけど。

 3人に任せるしかないのかな?」

「何を任せるの?3人はその気なのでしょ。

 サエとモモは許さないわよ、きっと。」

「真希絵は許せるの?」

「どうかしら、子ども達の事を思ったら許せるかもしれないわね。」


典和さんは

「といわけで、節美はどう思う?」

「私は・・・いいと思うわ。」

「理由を聞いても?」

「勅使瓦さんは特別だと思うの。その人の後継者よ。一人でも多くを望むのは当たり前よ。

 外国の王室では一夫多妻制があるのも同じ理由だと思うわ。」

「そうか、そういう考え方も有だね。聞いてよかったよ。」

「でも、全員が納得しないとダメよ。」

「そうだね。仲基さん次第だね。」

「チーちゃんが最優先よ。それは絶対に!」


古湊さんは

「光希子はどう思う、これって浮気かな?」

「浮気では無いと思うわ。少し前なら体外受精が可能だったけど、今は無理だし。

 将来の後継者、難しいわね。正直、利兼にも生きていてほしいし。」

「そうだよな、生きていく為の選択だよな。」

「あなた、ハーレムだ~とか言って羨ましいのと違う?」

「そ、そ、そんな事は無いよ!」


翌日はもち米とソバの実の刈り入れだ。

朝から旦那方で刈り入れをしていく。

俺はそば粉をつくっていく。

そば粉に2割の小麦粉を混ぜて二八蕎麦の完成だ。

水と錬金で混ぜて捏ねていく。

幅30cm長さ2m厚み1.5mm、これをそば粉をまぶしながら重ねてる。

あとは1.5mmで錬金できれば蕎麦の完成だ。

「蕎麦、できましたよ!」

昼食後は餅つきだ!

蒸したもち米をついていく。錬金でもできるけど、これは皆で楽しもう。

つきたての餅、美味しな、子ども達も喜んで食べている。

小豆もいいけどきな粉もいいな、醤油も美味しい。

あまり食べると蕎麦が食べられないから、控え目に。

「お節料理は少ないけど、作ったから明日に食べましょう。」

そうか、お節料理か、裾野や入聞でも食べるのかな。

3名の隊員達は力自慢だ。叶井さんより餅つきの耐久力がある。

「ふん!そんな力自慢、嫁にいけないぞ!」

叶井さんが負け惜しみを言うが、その話題はダメだよ、3人、俺をチラ見するな。

ダンジョン娘の8名も二の腕を掴んで廻りと比較しない!お姉さん方が怖い目だよ。

夕飯はドラゴン肉を出して焼き肉と天ぷらそばだ。

かき揚げも美味しい!そばはどうだ?美味しそうに食べてる。よかった。

「酒がほしいな・・・」

叶井さん、どうなった酒作り。

「まだ出来上がってないので無ですよ。」

鈴木さんが言う。

「今日だけですよ。」

俺が500mℓ缶を出すと大人が群がってくる。ちーちゃんも。

若者3人も持って

「「「「「「「「一年お疲れ様でした!乾杯!」」」」」」」」

全員で乾杯だ。子供たちはいつもの果実ジュースだ。

除夜の鐘は聞こえないが日付が変わり

「「「「「「「「あけましておめでとうございます。」」」」」」」」」


皆で楽しく年越しできた。新しい年の始まりだ。


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