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ダンジョンマスターは好き勝手に生きたい。  作者: ベルフェゴール
第三章 ダンジョン食物倉庫
41/57

041

全員の魔力循環が終わった翌日。

1班の3人は1階層で魔法の練習にした。

4人組について4階層での戦いを見にいってみる。

彼らは魔法を撃って、倒してはいるが本人のLvが上がっていない。

ボス部屋はブラックボア5匹だが、4人で入って魔法を撃って終わりである。

魔石と肉、牙を拾っては食堂に持っていくを繰り返すだけ。

「もう少し考えて訓練しようよ!」

ちょっとキツめに言うとちょっと威圧が掛かってしまった。

「勝てばいいって言うなら、それでもいいけど、それなら自分達で勝手にやってね。」

俺は隊員さん達の居る階層に転移した。

幡垣君と多門さんが戦い、鈴木君と隊長は傍で待機している。

「3匹倒して、残り2匹です。もう少しです!」吉俣君

2人の魔法が交差してぶつかる。連携か、俺は単独だったので教えられないな。

だが、2人は全ての狼を倒す事に成功した。

メンバーが入れ替わり、戦いが続いていく。

「幡垣君と多門さん、クリアできましたね。」

「ですが、余裕がありません。まだ流す事が難しいようです。」

隊長さんが言う。この厳しさが4人組にあればいいのにな。

「今日、明日にはクリアできそうですね。

 次はシルバーウルフがいいですかね?」

「レベルは?」

「25ですね。皆さんのレベルと同じくらいですよ、多分。」

俺は解析を始める。

「大丈夫、全員がLv22です。少し無理をすれば倒せますよ、きっと。」

「「「・・・」」」

「フロアは3匹の群れでボス部屋は5匹に設定しておくので。

 不足するようなら、増やしますが?」

「「「いえ、結構です!」」」

Lv5のダンジョンなので階層を増やしても訓練に時間が掛かるだけだ。

最強はビッグパンサーだから7階層に配置しておこう。

「隊長さん、7階層をビッグパンサーにしましょう。

 クリア後は飛行系にしますか?2足歩行系?俺のお勧めは飛行系ですね。

 空からの攻撃も対処できないとダメでしょうからね。」

「「「・・・」」」

「今日を入れて5日間、クリアできるよう頑張りましょうね。

 外に飛行系のダンジョンを用意しておきます。

 今のレベルなら1階層は経験程度で2階層でファイヤーイーグルがいいですね。

 イーグルはLv60だったかな?いい感じでしょ。」

俺は飛行系ダンジョンの設置に向かう。



「隊長、我々は無事に訓練を終了できるのでしょうか?」幡垣君

「・・・分からん。だが必要だと言われればクリアしないと訓練終了にはならないな。」隊長

「今日中に狼をクリアしないと、次はシルバーウルフですよ?1日でクリアですか?

 確か空歩で飛ぶ魔物ですよね?」多門さん

「そう聞いている。」隊長

「ファイヤーイーグルってこの周辺を焼き払った魔物ですよね?」多門さん

「そう聞いている。」隊長

「「・・・」」

「今日中にクリアするぞ!・・・こんな言葉は使いたくないが気合だ!気合を入れろ!」

「「・・・はい。」」



俺は外にLv6の飛行系ダンジョンを出し、階層の設定を行う。

ファイヤーイーグルは階層は5羽、ボス部屋は10羽でいいかな?

少ないかな?5羽は20回にしておこう。

食堂に向かうと4人組が叶井さんに説教されていた。

「お前たちは毎朝の話を聞いてなかったのか?

 地主さんが剣も使えって言ってただろうが!」

「けど、魔法で倒すほうが楽なんだよ。」一成君

「剣を使う理由を言ってみろ!」

「・・・・・」

全員が答えられない。

「必ず必要になりますって言ったんだ。必ずと。

 お前たちは師匠と呼んでるが、師匠の言葉を守らないのか?」叶井さん

「・・・・・」

「トシ!俺が大工の仕事で教えた事を守らなかった事があるのか?」叶井さん

「いえっ、教えていただいたことをしっかりと覚え守ってきました。」トシ君

「なら、今回は何故に守らない、俺は教えても教えても違う事する奴には絶対に教えない!

 今回も同じだろ、特に命に係わる事なんだぞ!

 カズナリは訓練中止だ。2度と参加させない!」

「利兼、お前もだ。訓練は中止だ。

 君たちは訓練を遊びと間違えているようだな。

 目的も無く訓練に参加させた我々も悪かったようだ。」古湊さん

「そうですね。隊員達や若い娘さんには目的があった。

 勅使瓦さんは戦える人も必要だ、と言ったのを覚えてますか?

 あの時期の事を忘れましたか。守れなかった人の事を。

 娘さん達は自分や他人を守る為に訓練していますよ。

 立派な装備まで付けて、あの娘さん達に申し訳ないと思いませんか。」鈴木さん

「「「「・・・・・」」」」

大人の説教だな、俺はダメだ。

「4人は風呂掃除でもしてこい!」叶井さん

「「「「はい。」」」」

4人が出てきたので隠れてしまった。俺は悪くないのに・・・

食堂に入り

「ご迷惑をお掛けしました。ちょっと目が行き届かなくて。申し訳ない。」

俺の指導も悪かったしな。

「バカ息子の事は置いて、どうよ、これ?座布団かわりになるかな?」

叶井さんが丸く編んだ敷物を見せてくれる。

「いいですね。これからの時期、木に直接座るより暖かいですよね。」

丸イスの上には数個の藁製座布団が置いてあった。

「わらじも作りましたよ。」

道守さんが履いている。

上手にできてるな。俺も作ってみるか。

食堂でおっさんが藁弄りを始める。学生は勉強の時間なので寄ってはこない。

難しくてわらじの形にならない、不器用でした・・・

風呂掃除から戻った4人に向かって

「昼飯後は・・・なにさせようか?」叶井さん、トーンが下がっていってるよ。

俺を見ないでよ、俺も暇なんだよ。こういう時は

「優香子さん、皿洗いに使ってくれませんか?」

「いいわよ、この時期、水が冷たくてつらいから毎日でもいいわ。」

「毎日だってよ、よかったな、仕事が見つかって。」

叶井さんが悪い顔して言ってるよ。弟子と息子だからな、許してあげるよ。

「トシ君、その後は部屋の掃除、トイレ掃除、よろしくね。洗濯も!」

夕布子さん、笑いながら言ってる。お互いの両親が頷いているのでいいか。

1班の娘達を迎えにいく。

やってるな、風弾の大きさや速さがそれぞれ違う。うん、訓練てこうだよね。

「昼飯にしよう。」

俺が声を掛けると、集まってくる。

「風刃は教えてくれないの?」

沙樹ちゃんが言うと2人も頷く。

「午後から風刃の練習にしようか。」

食堂に入ると

「すいませんでした」

4人が頭を下げてくる。

「・・・頭を下げてもダメだよ、しばらく様子を見るからね。考えが改まったのが分かるまではね。」

そういって昼食を開始した。

「いつも思っていたのですが、隊員達って昼食抜きですか?」

「地主さんが一緒だと抜きだな。」

叶井さんが楽しそうに言う。

「今日は別行動だから戻ると思って用意してあるけど、様子を見ておにぎりにしておくわ。」

優香子さんが扉を見ながら言う。

「地主さんの訓練に昼食は無いよな?」

廻りを見ながら叶井さんが言うと8人の娘たちと4人が頷く。

そういえば昨日も食べてないな。

「すいません、いつも忘れてしまって。次からは必ず戻ります。」

「これからは4人居るから、誰かに行かせるよ。」

叶井さんが4人を見ながら言ってる。

午後からは風刃の訓練だ。

風弾と同じで魔力の感じを掴んでもらい、練習を始める。

「風弾を潰すイメージだから。」

飲み込みが早いな、すぐに風刃が出来る。

「もっと大きい空間を潰すようにもイメージして。」

教えながら、俺の盾に撃ってもらい威力と速度を教えていく。

「今日は終わりにしようか。」

16時になったので言うと

「早いですよ、まだ時間はあります!」

沙樹ちゃんが言うので圧空盾を始める。

風刃を立てるイメージだから問題なく18時までに終わった。

まだ隊長さんが戻っていないな。

「ちょっと見てきますね。」

「大丈夫よ、いつもの事だから。」

節美さんが言うけど、心配だ。

「地主さん、いつもの事だよ。最初は俺たちも心配したが最近は毎度の事だ。

 でも心配するから時間には戻ってほしいな。」

叶井さんに言われてしまった。反省だ。

「見てきますね。」

俺は5階層に向かう。

「まだ終わりませんか?」

吉俣君に聞いてみる。

「今日中にここをクリアするまで終わりません!」

「そうですか、無事ならいいです。先に食事をいただきますね。」

「すいません、遅れる場合は連絡します。」

食堂に戻り、食べ始める。

「最近は4人がイノシシ肉を持ってきていたのだけど、余ってるのよ。」光希子さん

「冷蔵庫もそろそろ入らないわね。」響子さん

「他に必要な場所は無いの?」真希絵さん

「明日、入聞にでも持っていきますよ。」

俺は暇なので入聞に行く事にした。

夜は冷蔵庫を3台作っていた。1台がここ、2台が入聞用だ。

久しぶりにチーちゃんが来た。頑張った。


翌朝、入聞に向かっていく。

今回は装甲車で移動だ。叶井さん夫婦が同行を希望したからだ。

装甲車は2台あり、1台は隊員用、1台は俺が借りてるのだ。

3人で入聞に到着して肉の話をする。

「不足しています。裾野から運んでもらっているのですが・・・」

司令官が悲しそうだ。

「出来る限り運んできますね。」

肉以外の問題はなく、裾野と一緒で藁の編み物が沢山あった。

帰りの車内で

「あの4人にイノシシ肉を採取させるのはどうですかね?」

俺が提案する。

「3日間、ダンジョンで肉の採取、4日間に入聞に俺が配達なんてどうですかね。」

「それ、いいわね。そうしましょ。」

はい、決定。彼らはダンジョンの肉係になった。

山里地区に戻り、4人を敷地内清掃に出し入聞の話をする。

全員が賛成して4人の謹慎?が終わった。

少し短い気もするが・・・

まだ時間があったので2班の訓練に行く。

風刃と盾を教えていく。風刃ができれば盾も簡単だ。

2班は2人なので夕食前に終わった。

隊員達は今日も夕食が遅くなると朝から言って出て行ったそうだ。


今日は6階層のフロアで訓練をしていた。

午前中は3匹の群れを3人で倒す事が出来ずにいた。

「右だ!右が空いてるぞ!」

隊長が叫ぶと同時に右から風刃が飛んでくる。

慌てて見守りの隊員が圧空盾を出して防ぐ、間一髪だ。

「廻りを見ろ!隙があれば見逃さずに攻めてくるぞ!」

4対3なら倒せるのだが、3対3では倒せない。

彼らは剣で風刃が消せる事を知らないのだ。

今、教えてくれる人は居ない。

魔物の特徴と戦い方を詳しく聞かずに戦うのは初めてだった。

「次は山守、真畑、多門の3人で行く。残りは周囲の警戒とフォローだ!」

隊長の掛け声で全員が進んでいく。

実は全員が感知のスキルを取得できているが、鑑定スキル持ちが居ないので知らないのだ。

使い方も分からず宝の持ち腐れであった。

遭遇する時は奇襲を掛けられてしまう。そこから態勢が崩れ3対3がクリアできない。

3対3がクリアできないままボス部屋に到着する。

「5対5、鈴木、真畑、多門がフォローだ。残りで戦う!空歩に注意だ!」

夕食の時間になっても5対5がクリアできない。


俺は夕食後に6階層に向かう。

全員が中で戦っている。あれっ?空刃を躱せず盾で受けてる、あれなら剣で払えばきえるのにな。

5匹を倒すまで戦い方を観察する。

剣を使えば大丈夫そうだ、ん?全員が感知スキルを持ってるな。後で使い方を教えよう。

「お疲れ様です。」

「勅使瓦さん、どうかしましたか?」

「いえ、様子見です。

 隊長さん、おにぎり持ってきたので食べて下さい。

 食べながらでいいので聞いて下さい。」

剣で風刃を斬れば消える事。

全員が感知のスキルを取得している事

「全員で俺を掴んで下さい。感知するので目を瞑って下さい。」

俺は感知を全員に体を通して行う。

魔物の位置を調べる。消しては出してを繰り返し、魔物の感知を行う。

「どうですか、試して下さい。」

全員が魔物を探し出す。魔力の流し方は悪くないな。すぐに終わるだろう。

「次は魔力の位置を探します。また掴んで下さい。」

今度はもう少し詳しく感知する。

魔物の魔力が高い場所を探す。1匹は足にあるな。それの感知を繰り返し行う。

各自に足の魔力を探してもらう。

「右から2匹目を左端を探って。」

場所を指定していく。魔物は動くので最初は教えていたが、教えなくても判るようになった。

「ありがとうございます。吉俣、舘下、俺がフォローだ、行くぞ!」

8人は中に入っていった。

危なげない戦いになった。大丈夫だろう。

5対5が一巡し、5対4も一巡した。

「帰りましょう。明日の午前中で2対5まで対応できますよ。

 午後はパンサーですが同じですよ、同じ。」

9人で戻る事にした。

「昨日は何時までですか?」

「11時頃でしょうか?全員が入口に強制転移されたので終わりにしました。」

「ダンジョンのリセット時間ですね。倒された魔物が全てリポップする時間です。」

「「「「「「「「!!!」」」」」」」

教えてなかったか、ごめんよ。


翌日は朝から隊員達と一緒にダンジョに行く。

手は出さずに助言だけを与える。

午前中に2対5をクリアする。

「このまま7階層に向かいます。」

8名は転移していった。

俺は4階層で4人の様子を見るが、真面目に戦っている。

ボス部屋で4対5だが剣を中心に戦い、危なくなると魔法で倒す。

うむ、それでいいよ。それで。

1階層で3班と合流して食堂に向かう。

「隊長さんは7階層に行きましたね。夕飯も戻らないですよ、多分。」

昼食後は3班の風刃と圧空盾だ。

簡単だった。風弾が出来る人には簡単だよね。

「3人で俺の盾に風刃を撃ってみて。」

魔力と速度の変え方を教えて7階層に行く。

フロアは終わっていてボス部屋に入っていた。

外には舘下君、鈴木君、多門さんが控えている。

「様子はどうですか?」

「中に5人入っているが幡垣君はフォロー、していない、見ているだけだ。

「3対5で余裕だね。次はファイヤーイーグルだから、期待していてね。」

そう言って俺は1階層で見守るだけだ。


「期待していてねってどういう意味でしょうか?」鈴木君

「私が教えてほしいわ!」多門さん

「すぐに終わるって事でが無いですよね?」舘下君

「勅使瓦さんはダンジョンの事になると常識が通じないから怖いですね。」鈴木君

2人は頷くだけだった。


1階層の3人と食堂に向かう。3人は着替えに戻った。

食堂には旦那方が勢揃いしているが、暇なんだな。

奥様方は全員で新しい料理に没頭しているらしい。

野菜中心でヘルシーだからな、血液もサラサラになってるよ。

しかし、魚が食べたいな。

夕食には隊員さん達が戻ってきた。

「クリアできましたか?」

「いえ3対5までクリアしました。食後にクリアしに行く予定です。」

「ご苦労様です。ファイヤーイーグル、フロアは6羽です。

 ボス部屋で悩んでいます。8羽でいいですか?」

「それでお願いします。」

流し込むように食事をして7階層に戻っていった。

4人はイノシシ肉を300キロも持ってきていた。だが、1000人分だと1人300gだ。1日分かな。

3日分で900キロ、1週間は開けられる。その間は・・・

明日は魚を取りに行こう。マグロがいいかな。


昼食用におにぎりを作ってもらい大間まで飛んだ。

隊長には夕食に戻るよう念を押しておく。

上空から大き目のマグロを探す。

おっ!あれなら200キロ以上あるな。

水球でマグロを持ち上げ、そのまま飛んで帰る。

食堂のテーブルの上にマグロを載せてから

「解体方法って知ってますか?」

全員が首を横にふる。

「頭を落として内蔵だすので、あとはお願いしますね。」

そういって頭を剣で落としお腹を開いて内蔵を出す。

子供は見せないようにした。せっかくのマグロが嫌いになると困るからね。

奥様方が切り分けている間にマグロ用の冷蔵庫を作る。

「マグロ専用です。」

下段は冷凍で上段は冷蔵だ。

余った分は冷凍しておけば解凍して刺身にできるだろうと-50度設定にした。

隊長さん達も夕飯には戻ってきてマグロ尽くしの夕飯だ。

「美味しい!」

この言葉が何回も聞こえる。もっと早く行けばよかったよ。醤油の出来上がりも期待したい。

フロアのファイヤーイーグルは問題なく倒していた。

4対6で戦ったようだ。

今はボス部屋で5対8をクリアすべく戦っているらしい。

「5対8なら十分ですよ。レベル60ですよ、皆さんも同じレベルになりますから。」

安堵の表情を浮かべダンジョンに戻っていった。

明日の午後は裾野行くだからな。焦っていたのだろう。


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