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ダンジョンマスターは好き勝手に生きたい。  作者: ベルフェゴール
第二章 ダンジョン魔物放出
22/57

022

マスコさんと二人で基地に向かう。

俺は警察の車両に乗るのだが、少し緊張する。

ただ移動前にシャツとパンツを皮製に着替えておいた。用心は必要だからな。


基地に着くと会議室に通される。

6人も居るな。ん?総理だよ。他の顔は知らないは総理だけは知っていた。

総理から挨拶が始まる。各大臣に基地のお偉いさん方、最後は部隊長さんか。

「ダンジョンの事について教えてくれないだろうか。

 先日までの君との話は聞いている。

 国民の暮らしと安全を守る為に、我々は何をするべきかね?」

「ダンジョンを消す事ですかね。」

「我々にダンジョンを消す事はできるかな。」

「無理、ですかね。」

「貴様は何を言っている。我が国の火力は他国には引けを取らないぞ。

 こんな素人に何が解るというのか、話にならんだろう。」

「素人で悪かったな。でもダンジョンは俺の方が詳しいを思うのだがな。

 話が不要なら帰らせてもらうよ。」

席を立つ前に

「大臣、少し黙っていてくれないか、私が彼を話をしおているのだよ。」

総理、大人だな。

「すまなかったね。

 ダンジョンが消せない理由を聞いても?」

「まずは数と人員の問題ですかね。

 それとダンジョンは神の意志です。

 全てを消した場合、何が起こるか俺には解りません。」

「何が神の意志だ、この基地の隊員は優秀な者ばかりです。

 総理、我々の隊にダンジョン攻略を命じて下さい。」

「君も黙っていてくれないか、まだ話は終わっていないのだ。

 失礼した。

 ダンジョンを消す以外の方法は無いのかね。」

「俺にも解りません。

 ですが、魔物から取れる魔石がエネルギーの代わりにならないか?

 そんな事を考えて思案ちゅうです。」

「・・・そうか、魔石か・・・

 この先の話は内密でお願いしたいのでが、良いかね?」

全員が頷く、俺は無視しておく。

「米国では研究が開始されたそうだ。

 彼がいったエネルギーの消失も確認している。

 原油、ガス、鉱石、それだけではない、地下にあった核燃料も消失したそうだ。」

おいおい初耳だよ。核もエネルギーとして吸収したのかよ。

「今後、我が国に原油が入ってくる事は無いと思っていい。

 原油が無い、燃料が無いということは戦闘機もミサイルも飛ばない。

 火力は使えないのだよ、大臣。」

「そんな事が、どうすれば・・・」

「そう、どう対処するか、今から話をするのだよ。

 勅使瓦さんだったね。どう対処すればいいか知っていたら教えてくれないか。」

「・・・・・国を救えるかどうか、解りませんが・・・

 俺は魔石を使った道具を作ろうとしています。

 火力とか、飯も食べられない事はしていません。

 それこそ魔石でフライパンが使えないか、鍋や炊飯器の代わりができないか。

 そんなことを試していこうとしています。」

「そうか、生活に必要な物こそ重要だな。君の考えは間違っていない。

 だが、我々は1億以上の人々の将来を考えなければならない。

 怪我や病気の対応、食料問題、考える事は山積みだ。

「怪我や病気は何とかなると思いますよ。

 ダンジョンで取得できるスキルに聖魔術があります。

 これは怪我や病気を治療できる魔法です。

 レベルが低いと切り傷程度しか治せませんがレベルが上がれば骨折でも完治できます。」

「そんな事ができるのかね。本当なのかね。」

「誰か怪我人がいればこの場で俺が治せますよ。」

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

「その前に。扉横の人、俺に魔力を飛ばすの止めてもらえます。不快なんだけど。」

全員がそちらに向く。

「いや、あの、・・・・・」

「何をしているのだ?」

「「「「・・・・・」」」」

「何をしていると聞いているのだが。」

総理、苛立ってるな。

「多分ですが、鑑定のスキルを使っているのでしょう。

 スキルには魔物や人のスキルを見れる鑑定があります。

 彼は取得できたのでしょう。そして、誰かの命令で俺の鑑定をしているのです。」

基地の方々は目を丸くしている。

「無理だったでしょ。

 俺の鑑定はできないよ、隠蔽のスキル持ってるから。

 君は


 ハタナカノボル

 26才

 人族

 職業 軍人 

 Lv6

 体力  65

 魔力  25

 筋力  50

 敏捷  35

 スキル

 鑑定Lv2

 魔術

 無


 間違ってるところはあるかな?俺は鑑定の上、解析ってスキルを持ってるから。

 今、隠蔽を解いた、ステータスが見れるはずだから読み上げて。」


「・・・・・よろしいですか?」

基地の偉いさんに確認している。

数人が黙って頷きハタナカ君が読み上げる。


「勅使瓦九郎太

 年齢42才

 人族

 職業 ダンジョンマスター

 Lv768・・・・・

 以上です。」

「「「「「「・・・・・」」」」」」

「理解いただけましたか。

 このレベルがダンジョンマスターになるレベルです。

 俺はLv9のダンジョンしか制覇していません。

 最終ランク、Lv10は未制覇です。

 この基地の隊員が皆さん優秀なのは理解しています。

 ですがダンジョンを全て消す事は無理です。」


「隊員さんたちのレベルは最高でどのくらいですか?」

「レベル12が最高だ・・・」

ゴブリンに勝てるかな。

「ふむ、君はどうやってレベルを上げたのかな。」

「神の導きでダンジョンに入り、意志に沿って制覇した、そんな感じです。

 ただ、神の加護でしょうかね、少し多めにスキルが付与されましたが。」

「特別だとでもいいたいのか!ふざけた話をせずに真面目に答えろ!」

基地のおっさん、怒るなよ、本当なんだからな。

「面倒だな~!こっちこそいいか「おいっ!そいつもこの部屋から出せ」・・・・・」

総理が怒ったよ。

「申し訳ない、我々も少し苛立っているのだよ。」

「解ります、俺もいきなり神様の話されたら怒りますからね。

 でも、今回は事実なんです。信じて話を聞いて下さい。」


そこから長い話が始まったが、それなりに答えていく。

だが、論より証拠、実演する事を提案した。

「魔物の強さを疑ってますよね?

 それならば魔物の素材を出すので火力で砕けるか試していただけませんか。

 総理、話を進めるにはそれしかないと思いますが。」

「・・・・・演習場は空いてるか?」

「はっ!いつでも使用可能です。」

「よし、行こう。」

俺や隊員は先に部屋から出され演習場に向かう。

「火器は何を使いますか?」

隊長さんに聞いてみる。

「機関銃でどうでしょうか。」

俺は熊の皮を出し、

「これでお願いします。

 ハタナカ君、これ鑑定できる?」

「はい。

 ジェネラルベアの皮

 と出ています。」

「ありがとう、隊長さん、これが熊の皮です。」

「解りました、お借りします。

 これをマトに着けてくれ。

 紐で縛る、テープで固定するなんでもいいから早くしろ!」

隊長さんもイラついてるのか。


しばらくしてお偉いさん達が来た。SPが取り囲み面倒な奴らだ。

「では初めてくれ。」

総理の一言で5人の機関銃から一斉に発砲が始まる。

五月蠅いね。耳栓俺にも貸してよ、VIPだけって差別だ。

全弾撃ち終わり、皮が回収される。

やはり無傷だ、傷すらついていない。

「これが深層に居る熊の皮です。

 機関銃は役に立ちません。

 龍の鱗もありますが、試してみますか。

 これより強いですが。」

「いや、結構だ。」


部屋に戻り、

「熊の魔物だったか、あのレベルの魔物が出てくるというのかね。」

「あれはLv8の最下層に居ます。

 関東平野にはLv8のダンジョンが多数あるので、出てくる可能性は高いですね。

 ちなみに隊長さんたちはどういったダンジョンに入ったのですか。」

「ゴブリンが居るダンジョンです。

 入った場所にゴブリンがいて、そこから先には進めていません。」

高難易度なダンジョンだな。

2足歩行系のダンジョンか。

「そこに俺が入る事はできますか?」

「閉鎖しているので民間人は入れません。」

隊長、固いな。

「私が許可しよう。

 ただし隊員数名を同伴できないだろうか。」

「一緒に入るのはいいですが生死の保証はできませんよ。

 隊長さん、犠牲になった方は居ますか?」

「・・・・・二名ほど」

「場所はどこですか?

 明日にでも行きたいのですが。

 もう少し進むと多分オークが出ます。

 オークは肉を落とすのですが、美味しいですよ。」

「魔物の肉が食べられるのか。」

「ええ、俺は食べてます。解析結果で食用とでますから。

 この先、魔物が溢れる世界になったら家畜は飼えないだろうから肉はダンジョン産が主流になるかと思いましてね。」

「「「「「「・・・・・」」」」」」


場所は家から200キロも離れていたが明日の朝9時に到着予定で向かう事にした。

同行は隊長さん他2名、生死にはお互い関与しない。





時間通り、9時に着くと隊長さんが待っていた。

「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」

「「「おはようございます。」」」

敬礼で返された。

俺はいつもの装備に着替え中に入っていく。

「武器は使わないのですか?」

隊員Aに聞かれる。

「これです。」

昨夜、片手剣をエンシェントの角で作っていたのだ。

「街中で持っていると警察に捕まるから、隠して持ってますよ。」

「「「・・・・・」」」

空間収納に唖然としているな。

隊員さんは機関銃だ。腰やリュックに予備の玉が入っているのだろう。

「隊長さん、ちょっといいですか。」

俺は隊長に話かける。

「何でしょうか。」

「装備はそれだけですか?」

かれらの装備にプロテクター類は無い。

「はい、これが支給されている装備です。

 支給品以外の使用は禁止されていますので。」

そうですか、禁止ですか。

「中に入りますが、俺の後に居て下さいね。

 絶対に前に出ないように。」

そう言って中に入る。

ゴブリンが3体、前方に居るな。

真直ぐ進んで行く。後ろから銃を構えついてくるが、俺を撃つなよ。

「この先、30mに3体居ます。

 一気に倒すので耳を塞いでください。」

「バリバリッドッカーーン」

雷魔法で一瞬で倒す。

三人は動くことすらなく唖然としている。

魔石と棍棒を拾って次のゴブリンに向かう。

「隊長さん、行きますよ。」

声をかけて正気に戻し移動する。

「今度は5体ですね。

 剣で倒すので、発砲しないでくださいね。」

そう言って空歩で一気に加速、飛びながら首を落として行く。

これも瞬殺である。

「隊長さん、行きますよ。」

声をかけるが反応が薄い。

4体の群れ、5体の群れを次々に瞬殺していく。

ボス部屋はゴブリン8体だった。

剣で倒していく。

「隊長さん、どうします?

 俺はこのまま続けますが。」

「・・・戻ります。

 一緒に行動しても足手まといなのは理解しました。」

「「「ありがとうございました。」」」

三人が帰ったので魔法で瞬殺を繰り返しダンジョンカードを入手する。

最下層はオーガだった。

昼過ぎにはダンジョンマスターになり停止にして入口に戻る。

「早かったですね。どこまで進んだのですか。」

「ここはLV8、最下層は14でしたね。

 1階層からゴブリンは難易度高いと思いますよ。」

そう言ってる間に岩山が消えた。

「「「「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」」

10人ほどいた警備の隊員も合わせ唖然としている。

「制覇してダンジョン消しておきましたから。」

そう言って着替え

「お疲れ様でした。」

早々に家に帰った。


夕方には戻り、今日の戦利品オーク肉でステーキを食べる。

美味いな。ダンジョン肉は素晴らし。

もう一枚かな、

「ピンポン」

誰だよ夕飯時に!

「どちら様でしょうか?」

「夜分にすいません、マスコです。」

「いらっしゃい、どうぞ。」

って後に総理と隊長と2名の隊員さんが控えてる。

ちょっと狭いけど居間のソファーに座ってもらう。

「今日は隊員の傷を見ていただきたいのだが、可能だろうか。」

「いいですよ、どうしたんですか。」

「ゴブリンに叩かれて腕と肩が動かくなってしまって。」

隊員さんが申し訳なさそうに言う。

「回復」

面倒なんで一気に治してしまおう。

淡い光が隊員さんを包み、腕と肩の周辺が強く光りだす。

光が収束していき、消える。

「どうですか、治ったと思うのですが。」

隊員ささんが腕をくるくる回し

「ありがとうございます、何ともありません。

 隊長、動きます、腕が動きます。」

嬉しそうだ、回復はいいな。

「勅使瓦さん、ありがとうございます。」

「その魔法を取得する条件など知っていますか。」

総理は真剣だ。

「いや、条件までは解りません。スキルは運頼りかと。」

「そうですか、一人でも多く取得したいスキルなので・・・」

医療費の問題だな。

「総理、これから夕飯でオークの肉を焼くのですが一緒にどうですか。」

「ちょっといいですかね。」

総理は廊下にでて電話している。予定の確認だろう。

「お食事。ご一緒させてください。」

隊長さんと隊員さんは厚めだな、総理は300gくらいでいいだろう。


「「「「いただきます。」」」」

「男一人なんで肉だけで申し訳ないです。」

ステーキだけの食事が少し恥ずかしかった。

「「「・・・・・」」」

何も言わずに食べている。

不味いのかな?俺は美味いと思ったのだが。

そう思いながら2枚目のステーキを完食する。

「美味しかったです。」

隊員さんが一声発すれば

「これが魔物の肉ですか、国産和牛にも負けない美味しさですね。」

総理も笑顔だ。

「まだ時間はありますか?

 見ていただきたい場所があります。」

俺は思い切って三人をダンジョンに案内した。

「この先、見た事は当分の間秘密でお願いします。」

SP二人も含め6人で1階層に入る。

「「「「「ええっ!」」」」」

全員が驚きの声を上げる。ここは俺が作った野菜畑が広がるダンジョンなのだ。

「これはどうやって?」

「ダンジョンに野菜を吸収して覚えさせ、草木と同じようにフロアに発生させています。」

「これもダンジョンマスターだからできる事なのか。」

「そうですね。マスターの権限で設定できます。」

「そうか、これと同じダンジョンを作れますか。」

「可能です。ただし、このダンジョンは魔力の消費が少なくなってます。このままで維持できるか今は試験中なのです。」

「そうですか、試験中ですか。結果はいつ頃ですか。」

「未定ですね。総理はこのダンジョンで食料事情が解消できるか?って事ですよね。

 どのくらいの数が必要か解りませんが、ここは俺が毎日魔力の管理をしています。

 俺に管理できるのは2~3か所でしょうか。

 近い将来の食料事情を補う事は無理でも淘汰された後なら可能かと思います。」

「淘汰とは?」

「言ってませんでしたね。

 俺が聞いたのは人類の生存確率は一万分の一以下、つまりこの国は一万人が残れればって事です。」


全員が無言のまま帰っていった。

生存確率、低すぎだよな。


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