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019

部屋に戻り、朝まで眠っていた。

「腹減ったな。」

最初の一言である。

昨夜から食事もせずに寝ていたから当然だ。

カップラーメン、カレー味を食べ一息つく。

この匂いが癒されるんだよな。


昨日の戦いを振り返ってみた。

魔力が切れたのは想定外だった。

相手より魔力があるからと安心していたな。

だが、攻撃方法にも問題があると思っていた。

最初の一撃で倒せなかった事だ。

口の中に突き刺しても大剣では貫けなかった。

魔力が足りなかったのだろう。

だが、ドラゴンも余裕はなかったはずだ。


そんな事を考えながら新しい剣を作る事にした。

エンシェントアースドラゴンの角と魔石で大剣を作る。

大きさは今までと同じでいいが、錬金で込める魔力を増やそう。

大剣の体積、6倍以上の角と魔石を混ぜていく。魔力も同時に混ぜてる。

ゆっくりと時間をかけて形にしていく。

茶色の大剣だよ、角が白ならいいのに茶色だったからな。

ちょっと残念だ。

だが、性能は良さそうだ、昨日のキングで作った大剣と見比べている。


今日は循環と吸収をしておこう。

オークやスパイダー、ゴーレム、スコーピオンまで使って55000以上の魔石だ。

昼は焼き鳥、夜はステーキでダンジョン素材で食事を済ました。




まずはキングからだな。

40階層で戦いを始める。

ブレスが放たれるのを防戦しながら待つ。

きた、ブレスだ。

盾で防ぎながら前に進んでいくがエンシェントほどの威力は無い。

ブレスを押し切り上に飛び上がって斬りつける。

スパッっと切れたな。魔力も少なくて大丈夫だった。

大剣が魔力を3000ほど持っているのだ。切断能力が各段に上がっている。


ボス部屋だな。

入ると同時にブレスだ。盾で押して行く。

徐々に距離が詰まり押し切れるか、その時横に躱しながら空刃を尾で撃ってくる。

簡単にはいかないか。知能が高いようだ。

攻撃は極力避けるように防御しつつ凍結弾などで応戦を続ける。ブレスは飛んで躱していたのだが、今回は凍弾で押し合っていく。昨日を同じように空歩で一気に加速するが、今回は大剣の魔力を使い空刃と剣撃を重ねて突きを入れていく。当たる前に5枚の空刃を出しながらの突きだ、下顎だけが残っている。

「ズドンッ」

巨体が倒れると同時に消えていった。

魔力に余裕が生まれたからな、少し楽ができた。

ドロップ品を回収し、部屋に戻ることにした。ドラゴンの素材は沢山入手しておきたいので一日一回の戦いがいいだろう。エンシェントの鱗は2m四方ほどの大きさだ、砕いて練り直せば用途は多彩だろう。




それからもダンジョン制覇は続いた。

回数を重ねるごとに戦い方を覚え、15回の戦いで遂にダンジョンマスターになった。

時々ドロップされるドラゴンの肉が美味しそうに見えた。

40階層、最奥の転移陣に乗ると今までと違った丸い球体が浮かんだ部屋に転移した。

どうしたらいいのか判らないので少しの時間で考えた。

まずは球体に触ってみるか?全ての穴が埋まったダンジョンカードを握り球体に触れた。

淡い光を球体と俺を包むとダンジョンの知識が俺の頭に入ってきた。

階層の事、魔物の事、エネルギーの事、様々な情報が俺に伝わってくる。


「ダンジョンは休止、停止、破壊を選択できますが、いかがしますか?」

頭に中に声が流れる。

レベルが上がると時とは違う声だ。

「誰だ?」

「このダンジョンのコアです。マスターが発生した現在、私はマスターの指示に従います。」

「生きているのか?」

「通常は思考を持っていませんが、マスターが発生した場合のみ会話できる機能が発動します。」

「・・・・・機能?思考はできるのか。」

「質問に答えることはできますが、考える事はできません。」



その後、必要な情報を得る事にした。

まずエネルギー、地中にあるエネルギーを吸収している事が分かった。

これは原油やガスだけでなく人口物でも燃焼したり物を動かす力を持った物が全て吸収の対象であった。

地下貯蔵庫は意味を成さない物になるようだ。

魔物の氾濫について分かった。

ダンジョンはエネルギーの吸収とコアが発する魔力で成り立っている。

この魔力が増え一定数を超え増えるとダンジョンが崩壊することになる。

崩壊を防ぐため、魔力が溜まったダンジョンは魔物や植物、岩などを周辺に放出する事で魔力を消費して存続していく。

ダンジョンによっては崩壊する物もあるが、その場合は周辺がダンジョンの階層と同じような環境になり、魔力が籠った地域ができあがる。

通常のダンジョンでは150日程度に魔力が飽和する。

Lvの高いダンジョンは魔力を貯めるのに時間がかかるので日数は伸びる。

崩壊か存続かはその時にならないと解らない。


魔鉄や魔鋼もエネルギーと同様で地中にある鉱物を吸収し精製している。

こいった物を作るのも魔力を使うので、階層内の鉄や植物を持ち去る事が崩壊や氾濫を防ぐ事になる。

ダンジョンが発生する場所は様々で発生した場所は、岩だったり森だったり周辺環境も含めて変化する。

ダンジョンのLvは1~10でここはLv9。

Lv9以上のダンジョンは少なく、相互の距離は500キロ以上が必要。

近いとエネルギーが足りなくなり崩壊する。

その関係でLvの低いダンジョンは高Lvのダンジョンにエネルギーを取られ吸収できずに崩壊することが多い。

低レベルとはLv5以下の事である。

Lv5だとオークジェネラル級が最下層にいる魔物。


階層はマスターの権限で変化させることができる。

最初に出現した状態が初期値として記録されており変更後に戻す事は可能。

変更した階層を初期値として記録する事も可能。

階層に出現する魔物も選択することが可能。

階層に魔物を配置しない事も可能。

植物は指定することが可能だが、ダンジョンが持つ物か吸収した事がある食物に限られる。

水を配置する事も可能だが周辺から吸収する必要がある。

魔石は魔物が有する石でダンジョンでは単体の精製はできない。

ダンジョンには種類があり動物系、飛行系、死霊系、ゴーレム系、罠系等の種類があること。

Lv10は飛行系に多い事。

ここは、この世界初のダンジョンなので混合になっていたこと。

混合系も存在し、解析でダンジョン入り口を解析すれば判明すること。ただし数は少ないこと。

肉をドロップする魔物が種類が少ないこと。


いろいろ判ってきたな、ダンジョンは有効に使えそうだ。

まずは作物を吸収させて畑が作れるな、常時収穫に適した状態にできる。

食物は実と枝、もしくは木があれば実った状態でなくとも状態を解析して植える事ができるそうだ。

鉱物を発生させるには吸収が必要なので必要以上には発生させないでおこう。


俺のステータスを確認しておこう。


【勅使瓦九郎太】

人族

職業 ダンジョンマスターを目指す者

Lv768

体力    612

魔力  74195

筋力   1083

敏捷    863

スキル

解析Lv10、探索Lv10、地図化Lv10、模倣Lv10、剣術Lv9、並列思考Lv7、棒術Lv2、盾術Lv7

魔術

錬金術Lv10、聖魔術Lv10、時空魔術Lv10、水魔術Lv7、雷魔術Lv10、風魔術Lv10、      土魔術Lv9、氷魔術Lv9、隠蔽Lv6






そんな情報を得た翌朝、世界が変わる日の始まりだった。


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