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我が青春は未だ遠く。(仮)  作者: 干しぽすたー
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1話

──おじさん、今日も聴かせてよ。最果ての歌を!


『キミも飽きないね、ローラン。いいよ。キミが望むのなら、何度だって歌ってあげよう。おじさん達の故郷の歌を。』






────────────────────────────


「懐かしい夢だな。」


もう顔も覚えていないあの吟遊詩人のおじさんは今何をしているのだろうか。

・・・声がなんというか、テレパシー的なアレだった気がするが。

俺は所謂転生者である。この剣と魔法の世界に生を受け早15年。

神様転生とかした訳でも無く、ただ単純に前世の記憶があるだけなんだが。

そんでもって今世の容姿は前世と何一つ変わらない。正直父親は金髪母親は銀髪だから不貞の子を疑われそうだが、父も母も自他ともに認めるバカップルだし、なんなら母はヤンデレだし。家の使用人も黒髪の子が生まれても真っ先に捨て子、その次に母方の祖父が若干黒みがかった茶髪なのでそちらの遺伝だろうという結論になり、浮気の考えに至らなかった程にお互いベタ惚れだし。

しかし俺は前世の記憶はあるのだが、自分の名前がどうしても思い出せない。

・・・まぁ、些細な事だ。大体前世の名前なんて知らなくても何一つ問題は無い。

今世の家は貴族で、それなりに裕福だ。父は軍のトップにいるみたいだし、地位も相当高いのだろう。確か辺境伯だった気がする。俺は三男だからあまり家のことは詳しくないが。

上二人の兄は優秀だし、病弱なわけでも無いから俺は最低限のマナーを叩き込まれてあとは放っておかれた。まぁ、マナーの教育はクソ厳しかったけど、仮にも貴族の息子だし。高貴なる義務と言う奴だろうな、知らんけど。

そうそう、肝心な今世の名前。ローラン・ブルターニュ。それが俺の名だ。


────────────────────────────

寝巻きから着替え、吟遊詩人から貰った笛を首にかけて寝室を出て食堂へ向かう。俺お付のメイドは今日も寝坊だ。

「ローラン様、おはようございます。」


「ん、ユミルか。おはよう。」


この3メートル近い身長に筋肉で執事服がパッツンパッツンになってる男はユミル。俺専属の執事にして守護者(ガーディアン)だ。

もっとも、紅茶を入れるのは下手だし、不器用だから執事の仕事はほとんど出来ないが。なんで裁縫だけはあんなに出来るんだか分からん。


ユミルに扉を開けてもらい、食堂へ入る。


「おはようございます、父上。」


「おはよう、ローラン。」


1番上の兄はもう国に仕える身で、王宮で住み込みで働いている。・・・生来の研究者気質のせいで帰れてない、の方が正しいが。

2番目の兄はまだ学生だが、生徒会に所属していて、俺たち新入生の為に準備をしているらしい。

・・・生徒会という単語だけでなんだか一気に世界観が俗物的になった気がする。教育体制だけは近代に近いからなぁ・・・この世界。

まぁ、魔法があるから嫌でも教育体制は発達するのかね。あれは知識量と技術、そして才能がものを言うから、最悪知識されあれば一定のラインまでは行けるし。

そして我が愛しの妹はまだお眠のようだ。

俺の母親は・・・我が家にはもう居ない。


・・・・・・あの人自由人すぎて・・・行動が予測できない・・・


そして・・・


バァァァァン!!!!


勢いよく扉が開き(吹っ飛び)、古きよきロングスカートのメイドが入ってくる。


・・・壊れた扉を魔法で直す。


「す、すみません・・・寝坊しちゃいましたぁぁぁぁぁ・・・」


彼女はティア。簡潔にいえばドジっ娘メイド。テンプレ?良いと思います。


「ローラン様ぁぁぁぁ・・・見捨てないでぇぇぇぇ・・・」


そう彼女は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら聞いてくる。


「見捨てませんよーだから落ち着きましょうねー」


(ローラン様、すごい棒読みですよ・・・)


(うるせぇ。俺に演技力を期待するな。ティアならこれで十分だろ。)


「ほんとですか・・・?一生お傍に置いてくれますか・・・?」


「あぁ。」


そう言うと彼女の顔がパァっと明るくなる。


(ほら。)


(我はティアがチョロすぎて心配です・・・)


まぁ、なんにせよ、これが我が家の日常である。




(やっぱりローラン様は優しいなぁ・・・こんなダメダメな私でも・・・一生お傍に置いて下さる・・・ティアは幸せものです・・・貴方様のような人に出会えて・・・見捨てられたらどうしようかと思って泣いてしまいましたが・・・そんなことは有り得ません・・・ローラン様がティアを捨てるなんて有り得ませんし、ティアは一生貴方様から離れません。良く考えればローラン様がティアを離れるなんてどうやっても想像できません。だってティアはローラン様の付属品なのですから。)


(ローラン様はお優しい。我のような図体のデカい化け物にも優しくしてくださる。その優しさに付け入る輩がこれから先必ず出てくる。人とはそういう利用できるかどうかでしか判断しない醜い生き物なのだ。もちろんローラン様は違うが。ならば我はローラン様の盾となり、ローラン様の痛みを肩代わりしなければ・・・)

ローランの歌とは一切合切、金輪際、全くもって関係ありません。

・・・強いて言うなら名前借りただけよ。

あ、タイトル募集。

タニキピックアップ回したら段蔵ちゃん2体出たから忍者娘ヒロインにしたい。

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