プロローグ
頭が割れそうだ…
今日で3日は寝ていない。
安藤雷人は千鳥足で高校への通学路を歩いていた。
繰り返す毎日、学校には行きたくない、でもめちゃくちゃ行きたくないってほどではない。
不登校ではないし、学校にも少なからず友達はいる。
そりゃ騒いだりして注目されるイケてるやつってわけじゃないけど、まぁ地味は地味なりに学校生活楽しんで、それなりの苦悩もある普通の生徒だ。
身長175で体重75キロ、顔は普通?だが性犯罪者みたいなアブナイ目つきをしてると言われる。失礼な話だ。
特技という特技はなく国語の成績が少しいいのと、FPSが上手いくらいで特に長所があるわけではない。
それに周りから見れば少し俺は変態みたいで、そのおかげで彼女もできない、はっきり言って童貞だ
もう一度言う童貞だ。キスもしたことない。
小学生のときと中学生のときに好きな娘のリコーダーをなめなめしたくらいの性体験しかしたことない。
それはそうとして学校に行きたくないってのも、行きたくない確固たる理由があるわけでもない。
俺はバリバリのインドアで現実の人と接するより、パソコンの向こう側にいる人たちと銃を撃ち合っていたいんだ。
つまり家から出たくない、ひきこもりで生きていけるならそれにこしたことはないという考えを俺は持っている。
そんな俺が家から出て数百人は人が集まっている所へ出向くのはそれなりのエネルギーが必要となるのだ。
「とりあえず彼女できないかなぁ、なんでモテないんだろ」
ひとりぼやいてみる。彼女などできるわけない。
昔、そこそこかわいく、俺が好意を抱いている幼馴染みがいて、中学2年のとき公園のベンチでいい雰囲気になったのだが、緊張のあまり
「おし○こ飲ませてくれ!」
と欲望を吐き出してしまって絶縁状態になったことがある。
そのとき俺にはノーマルな恋は無理だと悟ったのだ。
秋風が冷たい、後少し時がたてばカップルよろしくの冬になり、陰惨な気分で年を越し、受験地獄が待っている高校3年に突入するのか
「はぁ~」
俺は思わずため息を吐いた。
すると上から気配がする
「ん?」
ふと空を見上げると黒い影が猛スピードで落下してくる
「おいおい嘘だろ…」
嘘だろと言い終える時、すでに黒い影は俺の目と鼻の先にあった。
グチャ!
聞くに耐えない重低音と同時に、気づいたら俺は潰されていた。 それが何かすら分からない存在に
肉はミンチに、周りは血だらけ。
即死だった。
死ぬ間際かわいらしい声で
「あ、やべ」
と聞こえた気がするがまあ気のせいだろう。
俺の人生は高校2年にて幕を閉じた…