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限られたキラメキ (6)

 翌日、朝のホームルームの前にクラス全員がプールに集まった。ヒナがお願いして集まってもらった。そしてそこで、ヒナはみんなに向かって頭を下げた。

「私が誤って壊してしまいました。ごめんなさい」

 小さなざわめき。頭を下げたまま、ヒナはじっとしている。これで良い。変な方向に転がって行くくらいなら、ヒナが全部をかぶってしまった方が話が早い。

 大体ゴリラだとかなんだとか、そんな話をどうやって信じてもらえって言うのか。元を正せばヒナがちゃんと確認していなかったこと、監視していなかったことが原因だ。そう考えれば、ヒナのせいだと言えないことも無い。

 元々ヒナには重い荷だった。ハルや、他のみんなが手伝ってくれたから出来たことだ。ここで誰かが降ろされるなら、それはヒナが適任だ。割と本気でそう思う。名前だけでも、ヒナは一応責任者な訳だし。

 ハルはなかなか納得してくれなかった。状況はよく呑み込めないけど、少なくともヒナがやったことじゃないんだろう、と。まあ直接的に手を下したのはヒナじゃない。っていうか、誰でもない。そんなんでみんなが納得出来る訳ないでしょ?具体的な犯人がいて、まるく収まってくれる方がスッキリするんだよ。

 ハルが判っててくれてるなら、ヒナはそれで良い。みんなで楽しくやろうよ。犯人捜しとかさ、そういうつまんない話はやめとこう。居もしない犯人を追いかけたって、良いことなんか何にも無い。ヒナは、そういうの良く解ってる。

「ちょっと待ってくれ」

 昨日残っていた男子の一人が前に出てきた。ありゃ、どうしたの?

「壊した原因を作ったのは俺たちだ。曙川は悪くない」

 彼らの記憶は少しいじって、プールで遊んで事故を起こしたとだけ認識してもらっている。ゴリラとか、誰かに襲われたとか、そんな記憶が残っていたら厄介事が増えるだけだ。ハルに見られているということもあるし、その辺りの整合性は取っておきたかった。

 彼らがボートを壊したとか、彼らのせいで壊れたとか、そういう操作は一切していない。彼らが自分でそう考えた、ということなんだろう。それでこうやって名乗り出てきてくれるとは、完全に想定外だった。

「そうなんだろう、曙川?」

 うーん、そう訊かれても困っちゃうな。

「えーっと、そんなことは無くてですね」

 ここで彼らのせいにしてしまうことは簡単かもしれないけど、それはあんまり望ましくない。彼らは彼らなりに真面目に悩んで、名乗り出てくれたんだとは思う。どうしたもんかな。

 晒し者のようなヒナの姿を見かねたハルが何かを言いかけたところで、大きな声がプール中に響いた。

「もう、そんなことしてるヒマないでしょ!」

 みんなの視線が一斉にそちらを向く。学園祭実行委員のユマだ。腰に手を当てて、仁王立ちのスタイル。溜まっているストレスはクラス内の誰よりも高い。ぶっちぎりだ。

「さっさと後どれくらいの材料と時間が必要なのかを見積もってください!間に合うか間に合わないか、間に合わないなら何をどうやって間に合わせるのか、生徒会と本部に怒られるのは私なんですよ!ほら、早く!」

 その声に押されて、慌ててみんながわらわらと動き始めた。一人取り残された感じで、ヒナは立ち尽くしている。ユマがずかずかとヒナの目の前まで歩いてきた。ゆらゆらとポニーテールが揺れている。うん、元気印が戻ってきたって感じだね。今はちょっとコワイよ。ええっと。

「曙川さんは気負い過ぎ!みんなは曙川さんに甘え過ぎ!」

 大声でそう言って、ユマはばんっとヒナの背中を叩いた。おうふ。結構痛いよ、マジで痛いよ。

「みんなでやるんだから、失敗もみんなのせい。勝手に一人で背負わない!」

「う、うん」

 ぽかんとしてしまった。ユマはにやっと笑うと、今度はハルの方を向いた。

「旦那、ちゃんと奥さんのこと見とけ!」

 どっと笑いが起きる。ちょ、ちょっとなんてことを。ユマは軽く舌を出してさっさとヒナのそばから離れていってしまった。

 これで禊は終わりってことだろう。全部チャラ。朝のホームルームの前に、みんな一仕事片付ける感じだ。設計図を見て、壊れている個所を調べて、残っている材料を数えている。ユマががみがみと大声で指示を出している。ぼんやりとその様子を見ているヒナの隣に、ハルが来てくれた。

「ちゃんと見とけってさ」

 言われちゃったね。ご面倒をおかけいたします、旦那様。

 サユリ、サキ、チサト、いも、じゃなかった、宮下君、和田君、高橋君が、こちらを見てうなずいた。みんなの目が、大丈夫だって言っている。みんな、想いはヒナと一緒だ。ユマだってそう。今やるべきことをやる。それだけだ。

「もっとみんなを信じてみなよ」

「うん」

 そうだね。ヒナはまだかたくなだったかな。もっともっと、信じても良いのかな。

 昨日の夜残っていた男子たちが、ぞろぞろとヒナの前にやって来て並んだ。揃って気を付けして、礼。

「曙川さん、すいませんでした」

 ふふ、大丈夫。気にしないで。あ、でももう勝手にプールに入ったりしちゃダメだよ?ゴリラに襲われるから。

 全員の顔がハテナになる。水泳部に伝わる戒めの逸話だよ。ルールを破って勝手なことをすると、なんだか知らないけどゴリラに罰を受けるんだからね。言ってるヒナにも訳がわからない。でも、ホントのことなんだから仕方無いでしょ。

 その後予鈴が鳴って、みんなで慌てて教室にダッシュした。きゃあきゃあ言いながら廊下を走る。息が切れて、それでも可笑しくて笑いがこみあげてくる。

 ああそうか、一つになるって、こういうことなんだ。


 ペットボトルボートの破損自体は、大したことの無いものだった。潰れてしまったペットボトルはどうしようもないが、完全な作り直しになるパーツ自体はほとんど無かった。見た感じは結構派手に壊れているみたいだったけど、思いのほか構造がシンプルで良く出来ている。設計した男子が得意気だ。うん、これは誇って良い。

 しかし、比較的特殊な形状のボトルと、2リットル以上の大きなボトルが材料として不足していた。お昼休みにはお弁当の伴としてデッカイ烏龍茶が鎮座し、特殊な形状のボトルを探して自動販売機、コンビニ、ゴミ箱を漁る羽目になった。これもまあ、設計図に従ったせいなんだけどね。こっちはもうちょっと柔軟性のある構造にしておいてほしかったかな。

 ボートを壊した犯人探しはウヤムヤになってくれた。これはほっと一息だ。探したところで出てくることは無いし。なんてったってゴリラだ。出てきてもどうしようもない。プールを出る際、施錠の確認をしっかりすること。プールサイドではふざけないこと。クラス内では、この二点をしっかり守ろう、という話で解決した。

 ゴリラに関しては、こちらがルールに従っている分には大人しいみたいなので、とりあえずは放置。集団投影となると明確な元栓が存在しないので、完全に消し去るのが難しいということもある。水泳部のみなさんはよっぽどゴリラにトラウマをお持ちのようだ。サユリに聞いてみても良く解らないという。一年生だし、そりゃそうか。

 ゲート作りで忙しそうなメイコさんに、ちょっとだけ時間を頂いてお話を伺った。首にタオルを巻いて、ヘルメットを被って、もうすっかり工事現場の主任って感じだ。しかも似合ってるし。ガテン系女子。

「あー、ゴリラねぇ」

 ん?なんかちょっと微妙な反応ですね。前もそうだった。ゴリラのことになると、やや歯切れが悪くなる。突拍子もない話で困惑しているだけなのかと思ってた。ひょっとして、実はそれだけじゃない?

 失礼して、少し心の中を覗かせてもらった。解決しないと何かが困るとか、切羽詰っている話では全然無い。でも、どうにもはっきりしないことが多すぎて。ヒナの精神衛生の健全さを保つために、ご協力をお願いいたします。

 あ、ゴリラだ。

 メイコさんの中に、明確にゴリラのイメージがあった。うわぁ、水泳部員に代々伝染する精神的ウイルスみたいなもんか?ゴリラウイルス。笑えねー。感染すると金沢カレーとか食べるようになるのかな。

 にしても、このゴリラもちょっと漫画的というか、カリカチュアだ。何か原型があって、それがディフォルメされてゴリラになっている気がする。本物のゴリラってヒナもそんなに詳しくない。ただ、プールにいる奴も、メイコさんの中にあるイメージも、全体的になんというか、人間臭すぎる。

 参考までに二年生以上の先輩方の中をちょろっとだけ拝見した。余計な所は見てませんよ。部内の色恋沙汰とかカップリングとか、もうメチャメチャ興味あったのに、ぐっとこらえておきました。メイコさんやっぱりもてるなぁ、とか。サユリはやっぱりそういう目で見られてるんだなぁ、とか。あああ、神様ごめんなさい。一回ゆるんじゃうとダメだ。しっかり締め直しておこう。

 実にほとんどの先輩方が綾鷹、じゃなかったゴリラを心の中に飼っておいででした。うわぁ、水泳部はゴリラに浸食されております。ヒナの中にもきっとゴリラが入って来るに違いない。ゴリラパンデミック。

 なんてね。まあ、なんとなく正体の見当はついてしまった。というのも、三年生の先輩から具体的なイメージと記憶が得られたからだ。そういうことなんだ。面白いっちゃあ面白い。

 学園祭まであと数日に迫ったある日の放課後、プールでは追い込み作業が開始されていた。ボートはもうほとんど完成している。強度とか安全性とか、そういった実際に浮かべた際の問題点について最終的な確認作業がおこなわれていた。これだけ頑張って、浮かびませんでした、とか、人が乗ったら沈みました、とかだったら最悪だ。

 ボートに乗るのが誰なのか、というところでも悶着が起きていた。そこまで頑丈なものでもないので、重量制限はしっかりと守っておきたい。その上で、乗りたいという希望者はクラスの中でも後を絶たなかった。ウチのクラス以外でも、噂を聞きつけて申し込んでくる人がいる始末だ。ああ、ヒナは遠慮しておきます。乗り物そんなに得意でも無いし。男子達で勝手に争奪戦しててください。

 そんなんでわいわい大騒ぎしている所に、青い顔をしたメイコさんがやって来た。お疲れ様です。えーっと、すいませんうるさくしちゃってて。

「ああ、曙川、その、ちょっと良いかな?」

 メイコさんがいつに無く、もごもごと言い難そうにしている。なんでしょう、と返事をしたところで、プールの入り口からその人が姿を現した。

「あ、ゴリラだ」

 ヒナの言葉を聞いて、メイコさんがブッと噴き出した。失礼、つい漏れてしまいました。お互いに目を合わせて、ぷくくって声を殺して笑う。ねぇ、ゴリラだよねぇ。

 いやだって、本体というか、オリジナルが見れてちょっと感動しちゃったんだもん。ははは、ゴリラだ。なんでゴリラだって、そりゃあゴリラになるわな。

 その後ろからもぞろぞろと何人かが付いてくる。全員ゴリラだったらどうしようかと思っちゃった。プラネットオブゴリラ。絶滅危惧種に支配されるほど人類も落ちぶれてないか。

 窮屈そうにスーツを着たゴリラ、じゃなかった中年の男性が、険しい表情でヒナの前に立った。ええっと、存じ上げてはいるんですけど、はじめましてのはずなので。はじめまして、曙川ヒナです。思わずゴリラさんと言いそうになる。これ拷問だよ。笑ってはいけない学園祭二十四時だよ。

 ゴリラ先輩、東堂先輩は丁寧にあいさつしてくれた。でもヒナの中ではもうゴリラ先輩だ。いや、ごめんなさい。人を外見で判断するなとか、外見のことをあげつらうなとか、そんなことは頭では判っているんですよ。でも無理。むぅーりー。そりゃ水泳部員の頭の中がゴリラで浸食される訳だ。ぶはははは。

 メイコさんと三年生の先輩が説明してくれる。まあ、ヒナは事前にみなさんの心の中から情報を仕入れてました。改めて整理しておきましょう。

 ゴリラ先輩はこの水泳部のOBだ。今でも水泳の指導者として活躍されている。この学校の水泳部にも沢山貢献されていて、今でもこうやって様子を見に来ることがある。

 今回は学園祭でプールが水泳以外のことで使用されると聞いて、どういうことなのか確認しに来た、ということだった。はい、ご苦労様です。

 先輩方や、ゴリラ先輩の後ろにいるOBの皆さんの記憶を見れば判る。ゴリラ先輩は物凄く厳しい人だ。プールのルールとか、使い方に問題があると物凄く怒る。現役当時からあだ名が暴れゴリラ、ってうぷぷ。それ不意打ちだよ、ズルい。

 しかし、よっぽど怖かったんだね。いや、まだまだ現在進行形で怖いのか。たまに今でも学校に来て、厳しく指導することがあるらしい。それを知っている人の中には、具体的に怖いゴリラ先輩のイメージが明確に残っている。それは何世代もの部員達の中にしっかりと刻まれていて、一つの共通幻想を生み出すに至った。プールのゴリラ。ちょっとでもルールにはずれたり、不真面目なことをすれば、厳しい罰が待っている。

「プールをどのように使おうとしているのか、説明をお願い出来ますかな?」

 ゴリラ先輩の後ろで、OBたちの顔が引きつるのが判った。下手な応えをすれば全員大目玉だからだ。メイコさんも緊張した面持ちでヒナの方を見ている。わいわい騒いでいたクラスメイトたちも、一体何事かとしんと静まり返ってこちらの様子を窺っている。ハルも心配してる?これ、ヒナの回答次第では、ここまでやっておいてペットボトルボート存続の危機だったりするのかな?

 なんてね。ヒナはゴリラ先輩のこと、そんなに怖くないな。直接会って話をするのはこれが初めてだけど、色んな人の中のイメージを見てきた限り、ゴリラ先輩は悪い人ではない。筋さえ通せばちゃんと理解してくれるタイプの人だ。見た目はまあ、ゴリラだけどね。

 プールサイドに出たゴリラも、見境なく暴れることはしなかった。それはあのゴリラのイメージを持っている水泳部員たちの印象でもある。ゴリラ先輩は、物事の判断が出来る人なんだ。そこはちゃんと理解されてる。そういう人だって思われてるなら、やましいところが無いヒナが恐れる必要なんて、全然無い。

 ヒナはペットボトルボートの出し物について説明した。多分ゴリラ先輩が一番心配されているのは、プールの使い方、安全面についてのことだと思う。丁度今、最後の耐久性試験をしていて、重量制限を超えないよう、乗員の選抜をしている最中だと話した。必要なら水泳で使用するアームリング、腕浮き輪を救命胴衣の代わりに使用するつもりであるとも申し添えた。

 ちらり、と後ろの男子たちを振り返る。大丈夫だよな、お前ら。うんうん、とうなずいている。うむ、しっかりしておいてくれ。ゴリラはヒナがここで食い止めるからな。

「外からの来客などを乗せるつもりは無いのだな?」

「そういう要望はあるかもしれませんが、お断りしようと思っています。やはり、万が一の際には対応出来ませんし」

 何しろプールの上だ。ぼっちゃーんと転落してずぶ濡れになられても、こちらでは何も保証することは出来ない。誓約書でも書いてもらえば良いのだろうが、万一の事故というのは起きてからでは取り返しがつかない。イベントとしてはもったいない気もするけど、ここは安全側に倒しておく。

 ふむ、とゴリラ先輩は考え込んだ。ごくり、と唾を飲む音。ん?ヒナじゃないぞ。ちょっと、みんなビビり過ぎじゃないですかね。確かに見た目はゴリラだけどさ。中身までゴリラじゃないみたいだよ?

 ヘンな緊張感を伴った沈黙が少しあって。

「良いんじゃないか?楽しそうなことしてるな」

 ゴリラ先輩は、がはは、と元気な声で笑った。

 OBたちがどよめいた。いやだからさ、どんだけ恐れてるんだよ。ああそうか、プールにゴリラ出しちゃうくらいか。実際にゴリラ先輩が水泳部に来て指導をしたらどうなっちゃうんだろう。なんかちょっと怖くなって来たぞ。

 その後は、ゴリラ先輩と少し談笑した。ゴリラ先輩は水泳部のことがとても大事で、だからこそ厳しくしているという話だった。

 屋内温水プールという設備は、お金がかかっている。この充実した環境を維持し続けていくには、事故とか不正利用とか、そういうことがあってはならない。人一倍そういったことに気を付けてきた結果、暴れゴリラが誕生した訳だ。

「まあ、泳ぐだけがプールじゃない。これは面白い試みだと思う」

 ほぼ完成状態のペットボトルボートを見て、ゴリラ先輩はそう言ってくれた。良かった。OBや先輩たちが見ている前でそう言ってもらえたのなら、もうあのゴリラも出てくることは無いだろう。ああ、ジャージで飛び込んだり、プールサイドで飲食したりしたらダメだからね。最小限のルールは守ろう。

「高校時代ってのは帰ってこないんだ。今を楽しめ、ちゃんと青春しろ」

 ゴリラ先輩にも青春ってあったんですね。そんな台詞が脳裏をよぎったが、黙っておいた。ゴリラ先輩は現在一児のお父さん。奥さんは、この学校の水泳部のOBだ。多くは聞くまい。

「曙川さん、すごかったね!」

 ゴリラ先輩たちが帰った後、クラスメイトたちがみんな一斉に駆け寄って来た。ユマが興奮気味に話してくる。え?そう?ヒナすごかった?

「ヒナ、よくあの先輩と普通に話せたな」

 ハルまでそんなこと言って。人は見た目だけじゃないんだよ。ゴリラ先輩はちゃんと話せばわかってくれる人なんだから。誠心誠意心を込めてお話ししたのです。まあ、予習済みではあったかな。

 そうそう、今のを見てわかったでしょう?プールでふざけてると、ゴリラに怒られるんだからね。おー、あれがゴリラかぁ。みんなもゴリラに感染しておくように。ゴリラウイルス、拡大中。

 大したことをしたつもりは無いのに、すっかりわっしょいわっしょいされてしまった。うーん、どうなんだろうね。ヒナは、ヒナに出来ることをしたっていう、それだけだったのに。

 ただ、みんな喜んでいる。クラスが一つになってペットボトルボートを成功させようとしている。その空気は気持ち良い。ヒナもその力の一部になれているなら、何よりだ。

 ハルも楽しそう。うん、ハルが楽しいならそれが一番。「ヒナ、頑張ったな」って言ってくれた。その言葉だけで、ヒナは満足出来る。へへへ、ありがとう、ハル。

 さあ、完成まであとちょっとだ。みんな、頑張ろう。

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