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001 プロローグ

 『貴方は抽選で※※の使徒である※※候補に選ばれました』


 『貴方以外にも99名が似て異なる並行異世界から※※候補がいます』


 『貴方たちの使命は※※※※にて世界を※※する※※の使徒である※※を倒す事です』


 『特典としてキャラクターメイキングが可能です』


 『異世界言語翻訳OFF。100ポイント獲得』


 『異世界文字理解OFF。100ポイント獲得』


 『安全地自動転移OFF。100ポイント獲得』


 『前記憶保持機能OFF。100ポイント獲得』


 『トータルポイント100から500へと増加』


 『※※の※獲得。500ポイント消化されました』


 『※※の※が隠蔽されました。特性・技能に変質しました。特性・特技が隠蔽されました』


 『キャラクターメイキング終了致します。転送開始』


 『※※※※。※※※※※※※※※※※※※※※※』


 『※※※※※※※※※※※※?※※※※※※※※。※※、※※※※※※※※』


 キャラメイクの後、神殿らしき場所にいた。

 周りには100名位いて、周りの連中は得意そうな、優越感にあふれた顔をしていた。

 目の前には聖女面した見た目だけはやたらと良い銀髪碧眼の女がいて、女が何かを言った。 

 何を言ってるのか分からない女と目が合い、女の目がゴミを見る物になり、女が周りの連中の目も哀れみや見下すものとなった。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 ……うん?


 知らない天井だ。

 いや、ある意味では知っている。

 青空天井と言うやつだ。

 上半身を起こしてみれば目の前にあちら側の岸が見えない程に大きな湖がある。

 右を見れば森があり、左を見れば森がある。

 上半身を大きくひねって後ろをみれば森がある。


 ビバッ大自然。


 オーケーまずは落ち着こう。

 落ち着くために深呼吸しようか。


 スー……ハ―……


 空気うめぇっ!

 なんてこった!

 空気を吸って美味しいと感じる。

 これが大自然の力と言う訳か。

 フハハハ、やりおるわ大自然め。

 いや、違う。

 状況確認しないと。

 うーん……うん?


 記憶がない?

 いや、これは自分の情報だけが抜け落ちている?

 体は大丈夫か?



 名前 アルマ

 種族 人族

 年齢 12

 状態 健康 混乱(微)

 特性 粘体(極)

 技能 粘体(極)



 おおうっ!?

 なんか見えた!

 鑑定的なアレですか?

 異世界転生的な……いや、漂流?

 なにも覚えてないんですけど。

 トラックとか女神とか。

 まぁいい。

 いや、良くはないが今考えて分からない事より確認できる事を確認せねば。


 ふと目線を横にやれば何か違和感を感じる。

 見えないけれどなにか居る。



 名前 なし

 種族 最上位魔性粘体アルティメットスライム

 年齢 0

 状態 良好

 特性 再生(極)

 技能 熔解(極) 吸収(極) 収納(極)

    変形(極) 変質(極) 分裂(極) 

    浮遊(極) 飛翔(極) 瞬動(極)

    発熱(極) 冷却(極) 発電(極)

    体液(極) 猛毒(極) 石化(極)

    発光(極) 変色(極) 透明(極) 


 ものごっついのが居たね。

 不思議と居ると分かれば見えないのに大きさや輪郭までハッキリと認識できる。

 それにしても最上位魔性粘体アルティメットスライムっていかにも凄そうな……お?


 『最上位魔性粘体アルティメットスライム:進化するほど爆発的に強くなる魔性粘体種の究極進化形。体液は完全回復薬になる』


 回復能力まで完備か。

 なんとなく分かってきた。


 記憶がないけど異世界漂流して、俺はチートにチートをおかわりしたような存在自体が反則臭いスライムを従えて、スライムマスターとして生きていかなきゃならないって事か。


 クゥ~……


 ……早くも命の危険が迫っているようだ。





 おおよそあらゆる生き物に共通する行動がある。


 捕食活動だ。


 食べなければ生きていけない。

 そして食べるためには大抵の場合対象を殺す事になる。

 生きると言う事は捕食すると言う事であり、生き続ける事と殺し続ける事はほぼ同義であると俺は思う。


 まぁ要するに……


 「お魚とったどー!!!」


 今は何より飢えに備える事こそジャスティス!


「ヒャッハー!大漁だぜぇ!」


 大物ばかり狙って100匹近く取っちゃったねぇ。

 生形態が狂っちゃうかもしれないからこれ以上の乱獲はやめておくかな。


 いやぁ~アルティメットスライムマジチート。


 もはや先生とお呼びするべきだな。

 なにが凄いってやっぱり一番凄いのは意識をリンクさせれるところだ。

 おかげで本当に思った通りに動く上にどんな事ができるのか一瞬で把握できてしたった。

 先生の体感時間は凄く速いらしい。

 そのため意識リンクしてるとまるで時間が凄くゆっくり流れている様に感じる。

 なのに動かすのは普通の感覚で行える。


 おかげで魚も餌を使わず、先端を銛のように返しをつけてとがらせた触手で撃ち抜いて巻き取り、釣り上げるという釣り?で大漁。 


 面白いのは俺の意識と先生の意識は別れているのに混乱せず両方認識できると言う事。

 触手の様にスライムボディを伸ばし、先生基準で鈍いと言ってよい遅さで振っても速すぎて俺の意識では認識できない。


 知能も下手をすると俺より賢くない?と思ってしまう程で、ある程度の指示を出しておくだけでも上手くやってくれる。


 今も現在進行形で大量の魚を収納し、3匹を三枚におろし、伸ばした自分の体を魚の形に合わせて変形し、発熱して焼きむらが出ないように魚を焼いている。


 適当に焼き魚の調理をイメージしただけでこれだ。

 難点は調味料がない事かなぁ。

 せめて基本にして万能の調味料である塩が欲しい。

 海魚なら海水に漬かってるから焼いただけで塩味十分なんだけどここの湖は淡水だし。


 塩が欲しい。


 くっ……敵に塩を送ると言う言葉の重さが体感できるとは。


 その辺に岩塩でも転がってれば……いや、そこまでは贅沢か。

 まずは人里に行くべきかな。


 焼けた魚を食べて、湖から飲み水の確保してっと。

 念のために熱して沸騰させた水を冷却して収納しておこっと。

 生水を飲むとポンポンが痛くなってしまうかもしれんからのぅ。


 でもまぁその前に。


 「グルルルゥッ」


 ある~ひっもりのなっかっくまさんにっ


 「グルァ!」


 背後から襲われた!


 バックからクマー!


 しかし!熊さんは口に透明な何かを突っ込まれて真横に引っ張られた!


 「釣つれたクマ~っとな」

 「グルルルガガガッ」


 とりあえず横倒しに倒れた熊さんには先生に巻き付いてもらい、変形・変質の連携で捕縛。

 変形・変質もチートなんだよねぇ。

 デフォルトでは体長30cm程度の中華まんフォルムなのに変形で大きくなれる。

 明らかに質量の増える変形とか……

 変質も硬軟弾力変幻自在で事実上物理的に破壊不能に近いし。 


 それにしてもでけーなこの熊。

 体長5メートル位あるね。

 体重2トン近くあるんじゃないの?

 手が4本あるね。

 熊の場合は前足かな。


 名前 なし

 種族 シックスグリズリー

 年齢 8

 状態 混乱(中)

 特性 剛腕(大) 剛毛(大)

 技能 爪術(微)  



 おっと、鑑定さんチーッス。

 足が前4本と後ろ脚2本で6本だからシックスグリズリーなのかね。

 とりあえず、意味も無く生殺しは良くないね。

 熊さんの耳から硬化した先端の細い触手を突っ込んで脳をクチャクチャっとかき混ぜます。

 するとあら不思議。


 名前 なし

 種族 シックスグリズリー

 年齢 8

 状態 生命活動停止

 特性 剛腕(大) 剛毛(大)

 技能 爪術(微)


 熊肉の出来上がり~♪

 そして収納で回収っと。

 何故か生きてる動物は収納できないっぽい。

 動物も生命活動が停止すれば収納できるし植物はそのまま収納できるのに。

 生き物だからダメではなく一定以上の大きさで一定以上動く物がダメなのかな?

 謎だねぇ基準がよく分からないや。


 こんな凶悪な猛獣が居るって事は、今いる場所はかなりの危険地帯なんだろうし、当面の飲料水と色々と使い道のありそうな大量の水を確保したら人の居るところを目指したほうが良いね。


 塩が俺を待っている!





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 ふんふんふふ~ん♪


 いや~快適だねぇ。

 先生に椅子状態になってもらいスライムフロントカバーで前方の風をカットしてもらいつつの飛翔であら不思議、高速機動型イスの出来上がり。

 アルス先生の認識能力は360°全方位の光・熱・振動・臭いと色々と感知する上に広範囲だから速すぎて衝突事故の心配もほぼ無し。

 衝突事故が起きてもスライムエアバックで安心。

 分裂も使って微細なミニ先生を散布しておけばさらに感知範囲を劇的に拡大できる。

 お陰で快適なお空の旅を体験できている。 


 傍目に見ると空気椅子でお空をぶっ飛んでる事になるけどね!


 それにしても、やはりと言うか今いる森は広大な上に相当な危険地帯らしい。

 オーク的な二足歩行のブタ村、6本手の熊、体高3mはある恐竜的な二足歩行のトカゲが率いる恐竜的なトカゲの群れ、馬より大きい白銀の1匹狼にと多種多様な猛獣の宝庫の様だ。


 恐ろしい危険地帯なのに今一つ危機感を持てないのは先生の移動速度が圧倒的だからだろう。

 先生に本気で飛んで貰えばマッハ以上は余裕で出る。

 俺の体はそんなに強度が無いみたいだから初速が速すぎるとグチャッとなってしまうけど、先生に反動を相殺して貰えばかなりいける。

 亜音速程度なら問題なさそう。

 音速を超えマッハ以上の速度になると音の壁に衝突してしまい、それ以降は俺を護るための障壁展開と反動制御で余裕が無くなる。

 先生単体ならマッハ20を目指せそうだけど……


 俺が先生の足を思いっきり引っ張っているような?


 いや、気のせいだ。

 先生に足とか無いし、俺と先生は一心同体だから問題ない。

 亜音速と言えば時速でおおよそ900kmちょいとかだから十分だし。

 マッハとか超えたらソニックブームが発生して近くに人が居たら鼓膜とか破れて迷惑だし。 

 俺は環境被害に気を使える男。


 理論武装……おっと、環境問題について考えていたら先生がトラブルの情報をひろってきましたよっと。

 六本足の熊と4名の冒険者と思われる集団が交戦している。

 2時間近くも亜音速で飛翔していたから人里が近づいているという事だろうか?

 まぁなんだ。

 なんて言うか。


 冒険者側が全滅した。


 熊つえー……


 ギリギリで登場してドヤァとかって展開はなかったらしい。


 もともと熊は体の大きさの割に人間より俊敏な生き物なのに、4本の腕と言うか前足と剛腕(大)の効果か速度が凄い。

 加えて剛毛(大)で毛皮の上からでは刃がほぼ通らないっぽい。

 毛皮の下にはガチムチの筋肉の鎧が詰まっているだろうし、衝撃にもかなり強いはず。

 体が大きいからなおさらだろう。


 クマックマックマー!で人の手足や首が曲がってはいけない方向に曲がりながら飛翔して終わってしまったよ……


 いや、俺は悪くないよ?本当だよ?

 そりゃー全滅してしまえば装備品とかお金と儲かるかなぁとか一瞬思ったけど、ゲスい考えを実行する前に終わってたし?


 ……仇は討ってやるからな!




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 色々とあった様な気もするけど見えてまいりました人里が!

 先生が見つけた人里は10mオーバーの城壁に囲まれたかなりの大都市っぽい。

 それなりの村でもあれば良しとしておこうと思っていたのに意外だ。

 そして発覚した衝撃の新事実。


 言葉が分からない。


 先生を通すとダメなのかと思い先生に光学迷彩をお願いし、透明人間になって城門で警備兵と通行人の会話を盗み聞きしてみるものの結果は変わらず。

 先生にお願いして念のために街中の文字を確認して貰ってみたが、やはり結果は変わらず。

 言葉も文字も理解できない。


 あっるぇ~?


 オカシイ。

 普通こう言う場合なぜか謎の翻訳機能とかで言葉が分かったりするものなのに……

 翻訳チート欲しかった。


 街に入るのは保留するしかないか。

 お金もあって宿もかなりあるのに言葉が分からず野宿とか……

 先生にテントやベットになって貰って雨風防いでもらいつつ発光でライト付き、発熱や冷却で室温調整完備の野宿かぁ。


 ……野宿?


 えっと……水はある。

 肉はある。

 塩は拾えばよいな。

 料理も街があるんだから拾えばよい?


 ……野宿?




ここまで読んで頂き有難う御座います。

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