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孤独な少女

作者: 吉岡 未来
掲載日:2013/04/24

童話のように書いたつもりです。

小さい頃、母がよく読んでくれた絵本。


――孤独な少女の話。






少女はたった一人で、そこに居た。


少女は一人だとつまらなかった。


だから、ドールハウスを造った。


人形も創って、そこに役割を与えた。


最初は、自分と遊んでくれる男の子。


でも男の子一人じゃかわいそうだから、女の子も創った。


二人で遊ばせた。


そのうちに、二人は自分を見てくれなくなったように感じた。


だから大人を創った。


自分を視てくれる人。


だけど大人は、男の子と女の子が心配で、二人を見守る役に徹するようになった。


また自分は一人だ。


だったら分け隔てのない、動物を創ろう。


うさぎがいい。ふわふわした、かわいいこ。


うさぎはずっと自分を見てくれてた。


でも動物の命は短い。


うさぎは死んでしまった。


先に創った大人も死んでしまった。


男の子と女の子は大人になっていて、子供をたくさん産んだ。


子供たちはすくすく育つ。


大人になった二人はいずれ死んでしまう。


また一人になる。


そこには、永久しか、無かった。


『少女』を視ようとする人は居なかった。


天涯孤独の少女。


――少女はそれでも、いいのだろうか。


ドールハウスを眺めているだけで、満足なんだろうか。


僕は、知りたいけれど――彼女に会う方法を知らなかった。


流されている僕も、ドールハウスの中に居る。


だから、少女を探せなかった。


そうして僕も、いつかは死ぬんだろう。


疑問を抱えながら。


いや――いつしか亡くす記憶ならば、知る必要も無いのかもしれない。


最低限、今を生きれば――?


――生きれば、何になるというのだろう。


僕は何も残せない。


彼女も居ないし子は成せない。


頭も良くないから技術を残せない。


歴史を残せない。人望も無い。居ないも同然。


せまい空間の中でしか、生きられない。


それでも――望みがいつか叶うなら、僕が『少女』に成りたい。


孤独な少女。ドールハウスを見るだけの生涯。


それに成り代わりたい。


そうしたら少女は、僕を知る。


僕は少女を知る。


そして孤独に生った僕には、何かを遺す必要なんて無くなるんだ。


――最高じゃないか。


『少女』さん。もしも僕を視てくれているなら、居場所を代わってくれよ。


僕にはもう、遺すという作業を考えることすら億劫だ。






――あ。


と思った時には遅い。


僕はいつの間にか宙に浮いて、ドールハウス――地球を眺めていた。


――なれた。


不思議な感覚だった。


死んでしまったような、でも自分を動かしているという感触はあった。


こうしてぼくは永久をてにいれた。


つまらなくなんてないさ。


それぞれに感情があって、物語があって――だから観察は飽きないんだ。


唯一気になるのは、ぼくに代わって生きた少女の存在。


どうやっても見つけられなかった。


それだけが悔しい。


……なぁに、ヒトの世は輪廻転生と言われてて、再び地球に還ってくるとされている。


なら、また会えることを楽しみに、ぼくは待とう。


いつまでも、彼女の誕生を。

その後については、皆様の想像におまかせします。

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