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星のプリズムは、月の虹を春にかけて

作者: 逢乃 雫

桜雨の午後


まるで夢見鳥のように



いくつもの


花びらが舞いながら



とけゆく空の


雲間からさしこむ



陽ざしが奏でる


春色のアンダンテ



広がる草萌えの


葉の翠の中に



風にさゆらぐ


君影草の花は白く



大地に春を


鳴らす鼓草(つづみぐさ)



真心を照らす


小さな太陽のように



やがて夕木立の


オレンジに染まりゆく



アルストロメリアは


流れる星を


花びらに宿すように




満ちゆく季節を


星のプリズムは照らして



南の夜空高く


黄金の獅子の尾


デネボラと



春の女神とともに


煌めく白銀のスピカ



アークトゥルスは


こぼれた夕陽の(しずく)のように



三つの星がおりなす


春の大三角



季節の光で


照らす星のプリズム




満ちゆく月は


春のプリズムとなって



彩りゆく大地とともに


春満月は


やさしく微笑んで



雨上がりの夜空に


かかる月の虹は



渡りゆく


こころの橋となって




いくつもの


言の葉にふれながら



様々な色を


こころに描きつつ



そのとき何を想い


何を見つめるか



心のプリズムに


映りゆく


景色を大切にしながら




時にこころに


ふる雨も



雨上がりの虹のような


そして


春の月の光のような


言の葉もまた、あると信じて



誰かの傘となり


こころの月に


かかる虹のように



あたたかな色の


まごころを大切にできたら




桜雨が上がり


まるで夢見鳥のように



葉桜から空へと


こころへと


とけゆく花びらが



奏でる春は


アンダンテの音色



星のプリズムが


かける月の


虹はこころの、宙を渡って

























4月中旬の夜空には、しし座のデネボラ、おとめ座のスピカ、うしかい座のアークトゥルスの3つの星が描く「春の大三角」が輝きます。


デネボラは淡い黄色、スピカは白色、アークトゥルスは橙色に見えます。春からエキゾチックな花が咲くアルストロメリアには、「未来への憧れ」の花言葉があります。


君影草きみかげそうはスズラン、鼓草つづみぐさはタンポポの別名で、花言葉はそれぞれ「幸せの再訪」、「真心」です。夢見鳥ゆめみどりは蝶、アンダンテはイタリア語で「歩くような速さで」を表す音楽用語です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
とても優しい詩ですね。 春がアンダンテのようにゆっくりと進むようで温もりを感じました。 そして、そっと背中を押してくれる応援歌で元気も出ました。 素敵な詩を拝読させていただきありがとうございました。
桜雨の午後に桜がゆっくりと風に乗って散ってゆく夢見鳥のような舞が様子の浮かんできました。 花びらがとけるような空と雲、春の陽ざしが奏でるゆっくりと穏やかな時間を感じられました。 スズランは鈴の音符のよ…
花曇ではなく「桜雨の午後」からだんだんと春めいていく感じが、「雲間からさしこむ」もの、「花びらに宿す」ものなど、空と大地からしっかりと広がるのがよかったです。 そして、宙も、月のプリズムで春めいて! …
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