できる限りの援助
「そういえば、武装蜂起した平民たちの村の女子供はどうなりますの?」
「お咎めなしだよ」
「それは聞きましたわ、ヴァレール様。男性がいないとなにかと困りごとが発生するのではなくて?大丈夫ですの?」
「ああ…」
ヴァレール様は難しい顔をする。
「そもそもの事の発端は、彼らが貧困に苦しみ不満を募らせていたのを誰かに都合よく利用された事。だから残された彼女たちへの支援も本来なら必要だが…ことがことだ。そんな村を援助するわけにはいかない」
「…」
「彼女たちには申し訳ないけれどね」
「…そうですの。あの、ヴァレール様」
「どうしたの?シャル」
わたくしは、言いづらいことに若干口ごもる。
でもヴァレール様はそんなわたくしを待っていてくださるから、わたくしは意を決して言った。
「被害者であるわたくし自身が出来る限りの支援をするのなら、よろしいかしら」
「え?」
「出来る限りの支援といっても、使わずに貯め込んでしまっていたお小遣いをばら撒くだけですけれど…」
「それは…」
「平民であれば限度をわきまえれば一生困らない金額を配れますわ」
ね、ダメかしら?と上目遣いでお願いする。
ヴァレール様はそんなわたくしに困った顔をするが、頷いた。
「被害者本人がそうしたいというのなら、好きにするといいよ」
「ありがとう、ヴァレール様っ」
「本当は良くないと思うんだけど、幼いシャルに言っても仕方がないし…傷ついた分だ、認めてあげる」
「やったー!」
そしてわたくしは、さっそく彼女たちにお金を配った。
彼女たちはわたくしに平伏して、感謝してくれた。
獄中にいるもうすぐ毒杯を賜る彼らも、その知らせを受けて土下座していたらしい。
そして、少しでもわたくしの役に立てるようにとマインドコントロールの時のことを思い出そうとしていた。
黒幕探しに、少しでも進展があれば良いのですけれど。




