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悪役令嬢が王太子に掛けられた魅了の呪いを解いて、そのせいで幼児化した結果  作者: 下菊みこと


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わたくしと幼馴染

「シャル、元の姿に戻れたんだね」


「クラリス!来てくれたのね!」


今日は幼馴染が遊びに来てくれた。


クラリスはわたくしのことをいつも大切にしてくれて、とても大切な人。


男装の麗人と言われるタイプで、王家直属の騎士団に所属している。


「幼い君も可愛かったけれど、やはり今の君が一番輝いているね」


「ふふ、クラリスったら」


クラリスの言葉にクスクス笑う。


「それで、今は王太子殿下とはどうなの?」


「もちろん上手く行っているわ。幼児化したのも今思えば天の思し召しかも」


「…そっか」


クラリスは、少し切なそうな顔をした。




















『…シャル!』


クラリスは、わたくしが幼くなって数日後にお見舞いに来てくれた。


『クラリス!』


『ああ、本当に幼くなってしまって…可哀想なシャル!』


ぎゅうぎゅうとわたくしを抱きしめるクラリス。


『王太子殿下のためにこんな無茶をしたと聞いたよ。もうそんなことをする必要はない!婚約も考え直した方が…』


『もう、クラリス!滅多なことを言わないで!』


『けれど王太子殿下は今の今まで…君を蔑ろにしていたのに、なんで君はそんなに…』


幼くなっていたわたくしは臆面もなく言った。


『そんなの、わたくしがヴァレール様を愛しているからに決まってるわ!』


『シャル…』


クラリスはそれを聞いて、何故か目に見えて落ち込んでいた。


『それにね、なんだか最近ヴァレール様が優しいの』


『え?』


『幼くなってから、なんだか甘々になったというか…なんでかしら?でも嬉しいわ!』


『…ロリコン野郎め』


ぼそっとクラリスは呟く。


けれどその後クラリスはわたくしに微笑みを向けてきた。


『私なら、もっとシャルを愛してあげられるよ』


『え?』


『私はシャルをもっと幸せに出来るよ。王太子殿下のことは諦めて、私を選ぶのはどうかな?』


クラリスのその冗談に、わたくしはにっこり笑って答えた。


『わたくし、ヴァレール様もクラリスもとても大好きよ。でも好きの種類が違うわ』


『…そっか。気が変わったらいつでも言ってね』


『ふふ、ヴァレール様を愛しているからそれは無理よ』


『…シャルは、本当に純真だね』


クラリスは切なそうな表情。


そんなクラリスにわたくしはクエスチョンマークを頭に浮かべる。


そんなわたくしの頭をクラリスは黙って撫でていた。

高評価、ブックマークなどありがとうございます!とても励みになります!完結まで頑張っていきますので、楽しんでお付き合いいただければ幸いです!

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