ヴァレール様とわたくしは生温かい目でイチャラブを見守る
今日はヴァレール様が言っていた、ヴァレール様とお義姉様が屋敷にいらっしゃる日。
みんなで挨拶し合って、せっかくなので中庭で四人でお茶会をすることに。
「アデールは今日も可愛いな」
「ジズ、王太子殿下の前ですよ」
「アデール…俺のことが嫌かい?」
「え、決して嫌ではありません。その、むしろジズのことは…」
モニョモニョと口ごもるお義姉様も可愛い。
「アデール、どうか君の気持ちを聞かせて」
「…っ、ジズのことが好きです!けれど王太子殿下の前ですからあまりからかわないでください!」
「からかってなんていないよ。本音だ」
「…もう、ジズったら」
いつものように赤面して髪を指先で弄びつつ、お義姉様はお兄様を結局受け入れてしまう。
お義姉様はやっぱり可愛い。
そこにヴァレール様が追撃をした。
「あ。僕たちのことは気にしなくていいから存分にいちゃいちゃしてくれ」
「!!!」
「そうですわ!お義姉様、お気になさらないでね」
「!!!」
「だってさ、アデール」
にっこり笑うお兄様。
お義姉様は顔を真っ赤に染めたまま撃沈。
「皆して人が悪い…」
「どうして?俺たちを祝福してくれてるんだよ」
「ジズのバカ」
とうとう拗ねてしまうお義姉様にお兄様はちょっと焦る。
「あ…ごめんアデール。アデールが可愛くてつい…やりすぎたね、ごめん」
「…」
ぷいっと顔をそらすお義姉様。
「ごめんなさい、お義姉様」
「悪かったね、アデール嬢。許しておくれ」
「お二人には怒っていません」
「そんな!ごめんよアデール。許してくれ」
またもぷいっと顔を背けるお義姉様。
「アデール、愛してる!本当に君が好きだ!」
「それはわかっています。でも…お戯れはほどほどにしてください」
「うう…可愛いアデールを愛でるのが一番の幸せなのに」
「もう、仕方のない方ですね…」
「!…アデール、愛してる!」
結局お兄様を甘やかしてしまうお義姉様。
そんなお二人をみてヴァレール様は呟く。
「ラブラブだねぇ…」
「ふふ、微笑ましいでしょう?」
「そうだね、愛し合う二人は微笑ましいね」
そんなわたくしたちには気付かず、お義姉様はお兄様といちゃいちゃしていてとても可愛らしかった。
「アデール、さっきは本当にごめんよ。今度埋め合わせのデートをしようね」
「ジズとデートなんて…楽しみです」
「アデール!可愛い!」
お二人は幸せなおしどり夫婦になるだろうなぁと生温かい目で見つめるわたくしとヴァレール様だった。




