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その気なく新興宗教

そう。

俺が神仏召喚除霊を行うと、大抵はその村などで「筋肉教」なるものが生まれる。


まぁ……必要だったからとはいえ、あれだけ筋肉を褒めちぎり、そして降ろされた屈強マッチョ神に助けられるのだ。

その神々しさと鋼のようなボディーにあてられ、たいていが信仰のニュアンスすら変えてしまう。


筋肉は裏切らない。


その言葉通り、筋骨隆々な神々に救われるのだ。

その為、「筋肉は裏切らない」という事が魂に深く刻まれてしまい、皆が筋トレを始めるのだ。


どうも「筋肉教」における「筋トレ」は、他の宗教で言う所の「祈り」や「読経」のようなものらしい。

軽いトレーニングからガチムチを目指す本格派なものまで、度合いは違えど誰に言われた訳でも申し合わせた訳でもなく、皆が体を鍛えだすのだ。


「……まぁ、体を鍛えると健康にもなるし生命エネルギーが活性化されて高まるから、街全体の死霊への防衛力が上がるからいいと思うけどさ……。」


俺の術が第二段階に入るのに人々の「掛け声」が必要なのもそんな仕組みだ。

元々、死霊と生者では持っているエネルギー量が違う。

基本的には死霊よりも生者の方が格段に強い。

神話や悪魔信仰などで人々に信じられていたり祈りを捧げられていた場合でもなければ、当たり前だが死霊より生きている人間の方がエネルギーが強いのだ。


つまり、生命が生きているその力が死霊を退ける。


だから「掛け声」によって気持ちを高められた、祈りのような純真で崇高な人々の生きる力が義精霊を神格化させ、魑魅魍魎と戦うエネルギーとなる。

俺の世界の神様とは言えど、異世界で戦うにはこの世界のエネルギーも必要なのだ。


だから……、どうしても俺はあのパフォーマンスをしなければならないし、そして人々にパワーを分けてもらわなければならない。


だがそれによって俺は精神的に大ダメージを受け、人々は「筋肉教」にハマってしまう……。

すっかり筋肉に魅了された町の人々。

それを俺とハックは遠い目で見つめていた。


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