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プロローグ

この小説はフィクションです。実在する人物、団体、施設等とは一切関係ありません。

 世界中の宇宙物理学者がワクワクしていた。10日前、超新星爆発が観測されたのだ。実際に超新星爆発を起こしたのは数十万年前だが、それと解る強い光が地球に到達したのが10日前なのだ。しかもこの超新星爆発は、これまで観測されたことがない超大型のようだ。

 既に世界中の天文台の望遠鏡がその超新星爆発を観測していた。その観測結果はリアルタイムにネットに公開されていた。


 そんな観測結果を見ながら、素粒子を専門としている物理学者のチームが、国家予算で建設した大規模観測装置をフル稼働して待っていた。今日にも地球に到達するニュートリノの量が急激に増加するだろう。それを観測するのだ。それだけでない。観測史上最大の超新星爆発だ。これまで観測できなかった未知の素粒子も観測できるだけの量が含まれているかもしれない。

 新たな素粒子発見ともなれば物理学者として大変な誉れになる。ノーベル賞候補にも挙がるかもしれないし、一般社会にも名前と業績が轟くだろう。たとえその正体を突き止められなくても存在を確認するだけ大きな成果だ。素粒子を扱う物理学者がワクワクしないわけがないのだ。


 この大規模宇宙イベントは素粒子を専門としていない他の分野の物理学者にとっても楽しみだった。物理の一分野が発展すれば他の分野にも必ず影響する。程度の差こそあれ、自分たちの分野にも何らかの刺激を与えてくれる。やはり楽しみなのだ。


 さらに一般市民の中にも天文や物理に興味を持っている人たちが数多くいた。自慢の望遠鏡を持ち出して超新星爆発を観測をしている人もいた。

 研究施設のある街にも噂が広がり、お祭り騒ぎになっていた。なんだかよく解らないが、すごい研究成果が出るそうだ。街を挙げてお祝いしてあげよう。

 たったの10日で関係者の気分は一気に盛り上がた。本当に多くの人が待っていたのだ。天文や物理に興味の無い一般市民を除いて。


「観測装置の稼働状況は?」

「良好です。ノイズは普段と変わらないレベルですから十分補正できます。いつニュートリノや未知の素粒子が来ても拾ってやりますよ」


 既に観測されている電磁波のレベルから、到達するニュートリノの量は予測できている。予測値を超えた何かを捉えれば、未知の素粒子の可能性が高い。研究者たちはじっとモニターを見つけ続けていた。


 そして、そのときは来た。観測装置は見事に仕事を果たした。ニュートリノだけでなく、未知の素粒子と思われる痕跡もしっかり、しかも大量に記録した。


 だが、その観測結果を物理学者が確認することはできなかった。


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