誕生日パーティー再び
「ハッピーバースデー!」
のぞみ、あゆむ、かなめ、つくもがそれぞれのテンション感でいおり、ちづる、しぐれ、まひろに言う。
「わーい!今日もお祝いしてくれてありがとー!さー、上がって上がって!」
しぐれが四人を促し、招き入れる。
「お邪魔しまーす!」
かなめが元気よく言った。
「お邪魔します、四人とも改めてお誕生日おめでとう」
「おめでとう!」
四人の後ろにいたそうまとえまも続けてお祝いの言葉を伝えた。そして靴を脱ぎ、揃える。
「そうちゃん、えまちゃんもありがとう!」
「お母さーん、みんな来てくれたー!」
まひろが二人のことも笑顔で迎え入れ、いおりがさくらを呼ぶ。
「ごめんごめん、今行く!」
少し手が離せなかったらしく慌ててさくらが玄関に来て言った。
「いらっしゃい。そうまさん、えまさん。あとあなたたち四人に会うのは初めてやな。いつもうちの四人と仲良くしてくれてほんまにありがとう。立ち話もなんやしこっち来て座ってな。そうまさんとえまさんもこっちどうぞ!」
「なーお父さんどこ行ったん?」
いおりがさくらに尋ねる。
「ほんとだね、いらっしゃらないみたい……?」
キョロキョロとそうまが辺りを見回して少しほっとしたかのように言う。しかし、
「ここでーす」
とトイレから出てきたあきらに
「ひえっ!お、お久しぶりです!お邪魔しております」
そうまは慌てふためいた。
「ああ、ひさしぶり、そうちゃん」
「ひえっ」
あきらが微笑みながら言うとそうまが明らかに萎縮したので
「もー、お父さん、あんまりそうちゃん怖がらせたらあかんやろ」
まひろが言うと
「ああ、いじめてるわけちゃうねん、まひろ。大丈夫。昔と変わらず仲良しやから。な?」
「は、はい!」
「いや完全に言わせてるやろ」
そんな二人の様子を見ていおりがため息をつく。
「お招きいただきありがとうございます、よければこちらどうぞ」
「ああ気ぃ遣わんくてもいいのに……!ってこれめちゃくちゃすきなやつや!ありがとうございます!やったー!」
そんな夫たちの様子を気にすることなく、えまから受け取ったお菓子を見てさくらが盛大に喜んだ。
「もー、お母さんまで」
またまた、いおりがため息をつく。
「そうだ、あなたたち、自己紹介しないと」
えまが、座って親たちの様子を眺めていた息子たちの方を向いて言った。
「うん。改めて、今日はお招きいただきありがとうございました。僕は長男ののぞみといいます。学校ではしぐちゃんと同じクラスです。いおりちゃん、ちづちゃん、しぐちゃん、まひろちゃんとは本当に仲良くさせていただいています」
のぞみが微笑みながら言い、あゆむの方を見た。
「あ、オレは次男のあゆむです。クラスはいおりと一緒です。オレも四人とは仲良く、させていただいています……?」
「何で疑問系やねん!」
「仲良いやろ!」
あゆむの自己紹介にちづるとしぐれが不満げに言うがあゆむは気にせず、
「あーはいはい、仲良しです」
と言い直した。
「あゆあゆ素直じゃなーい!はい!ボクは三男のかなめです!まひろちゃんと同じクラス!ボクも四人と遊ぶのちょー楽しいです!カメラもチェキも持ってきたからあとでみんなで撮ろーね!はい、最後はつくつく!」
そう言ってかなめがつくもにウインクする。
「えっと、四男のつくも、です。なんか寝てたらいつの間にかちづるが隣の席にいました。あの時の突然の騒音具合は忘れられないです」
「なんやとつくも!」
「想像がつきすぎる」
ちづるは憤慨したがいおりはその様子を想像し、同情したように言った。
「ふふ。本当にぼくたち四人が転校して来てくれて良かったって思ってるんです。今日もお招きいただけてうれしいです」
とのぞみが言う。
「まあ、うれしいわぁ。この子たちみんなこんな感じやしうまくやってけるか心配してたところもあったから。こちらこそ仲良くしてくれる四人がいてくれてほんまによかった」
「こんな感じて」
「お母さんに言われるとは」
嬉しそうに言うさくらにしぐれといおりがつっこむ。
「そういえば、私たちの自己紹介もまだやったわ。私が羅野さくら、この子たちの母です。今日は来てくれてほんまにありがとう!」
「僕が父の羅野あきらです。新しい環境で早速友だちができて楽しそうにしている娘たちを見れてめっちゃうれしいと思ってる。ありがとう」
さくらに続きあきらも自己紹介をする。真野兄弟は少し照れた様子を見せた。
「じゃあ、せっかくやからまずは、乾杯しよか」
「いおり、ちづる、しぐれ、まひろ。お誕生日、」
「おめでとー!」
さくらの音頭に他の七人も続けた。
「ありがと!」
「ありがとーう!」
「ありがとー!」
「ありがとう!」
四人もそれぞれ感謝を述べる。
「さ、みんな遠慮なく食べてな!色々用意したし!」
「やったー!いただきまーす!」
あきらの言葉にかなめが嬉しそうにする。他の三人も好きなものを皿にとりわけ、食べ始めた。
「飲み物も色々用意してるからすきなの飲んでな。のぞみくんはレモネードがすきなんやろ?ほらあるで!」
「わ、そうなんです。わざわざありがとうございます。うれしいです」
「のぞみ、いっつも飲んでるもんな」
「ふふ、美味しいよ。入れようか?」
「あー、うち炭酸飲めへんねんな!オレンジジュースあるから大丈夫!」
「そっか炭酸飲めないんだったね。炭酸入ってない美味しいレモネードが飲めるお店あるから今度みんなで行く?」
「行くー!」
のぞみの言葉にうれしそうにちづるが答える。
「あ、かなめ。それ取って」
「はい、あゆあゆ」
「ありがと」
「つくつくもいる?」
「うん」
「ほい」
「ありがと」
「珍しくつっきゅんちゃんと起きてるね」
「さすがにいつも寝てるわけじゃないでしょ」
「いや結構寝てんで」
「高確率で」
「まじか」
「まさかの自覚なし!?」
「そういえばまひろん、ウクレレはどう?」
「あ、ほんの、ほんのちょっとだけ弾けるようになった!」
「えーほんと!?聴きたーい!」
「いいよ!けど、ご飯食べ終わってからね」
「あ、ごめん」
「いおり、たまごの寿司あるけどいる?」
「いる」
「しぐ、えび取ってほしい!」
「おれハンバーグ」
「忙しいな!そしてつくもは寿司でもハンバーグやねんな」
そんな八人の様子を見ていたあきらはぼそっと呟いた。
「仲良しやなあ」
「僕も昨日、息子たちが楽しそうな所を見てそう思ってました」
「学生時代は俺たちもこれくらい仲良かったよな」
「え!?あ、まあ、はい!」
「本音が丸聞こえやわ」
「すみません」
「すみませんってなんやねん。仲良くなかったみたいやろ」
そんなそうまとあきらの様子を見てえまとさくらも笑う。




