31 愉悦
「だああああーッ!!きっっっつぅー!!」
「だらしない…」
喫緊の脅威が去り虚勢を張る必要もなくなったので地面に大の字で転がる俺。ようやく視界がクリアになり頭上を覆う巨木の葉の隙間から微かに差し込む曙光に目を細める。そして隣に膝を抱えて座るマナ。その顔が苦々しく歪んでいるのは疲労のせいだけではないのだろう。
「遊ばれた。あいつが本気だったら皆死んでた。いつもこんな無謀な事をしてる?」
「まー侯爵クラスが予想外だったことは認めるけどね。でもサプライズがあった方が面白いじゃん?」
「命が掛かってる」
「下調べはしただろ?渦中に飛び込むんだ、こんなこともある。今回はたまたまリスクを踏んじまったってだけさ」
「はぁ…付き合いきれない」
「おっ?とうとう音を上げたか?俺はいつも大体こんな感じだぜ?」
それでもまだついてくるか?と嫌らしい笑みをマナに向ける。
「…次からはもっと用心して」
「してたさ」
ベルトに着けた魔法石入れを外しマナに渡す。攻撃、防御、妨害、逃走、それぞれ一級品を用意しております。その中身に目を剥いたマナは、しかしまた別の疑問が生じたらしい。
「これだけあればあの悪魔を滅ぼせた。何で逃がした?」
「いや〜どうかな」
ピンピンしてる騎士公も集まってたし、滅ぼすとなると向こうも死に物狂いでくる。どっちに転ぶかは五分五分ってところか。そして何よりも勝ったところで魔法石全部使ったら赤字なのだ。
魔法石入れを回収しどっこいしょと立ち上がる。そのまま生まれたての子鹿のようにプルつく足取りで最後の仕事を片付けに行く。
「まず今回の目的は悪魔祓いじゃないしな。逃げてくれんならそれでいい」
「目的?」
俺の後についてくるマナ。疲労のせいかヒョコヒョコしている。
「あ〜お前これまでに悪魔と戦った事無いのか」
転がってるディアスの器、奴が抜けたことで元に戻ったその姿には案の定見覚えがあった。最初に消息不明になったAランクパーティーのリーダーだ。
俺はその胸にダガーを突き立て、マナが顔を顰めているが構わずにそのまま熱の残る内部に手を突っ込む。何とも言えない感触の中、本来心臓のある位置に代わりに埋まっている目的のブツを引っ張り出しマナに見せる。
「魔水晶だよ」
取り出したばかりの真珠の如く体液でてらてらと輝くこぶし大のそれ。付着した血液を取り出した布で拭うと、晴れた日の夜空の様に一点の曇り無く透き通る水晶の姿が露わになった。
「流石は侯爵だ。このサイズは滅多にお目にかかれない」
ニヤリと笑う俺の真意をまだイマイチ分かっていないマナは首を傾げる。
「それくらいの魔水晶なら珍しくない。これが目的なの?」
「分かってないな。コイツは魔水晶でもただの魔水晶じゃない。純度100%の魔水晶だ」
この言葉にようやく全てを理解したマナは息を呑む。
純度100%の魔水晶は受肉した悪魔からしか採取できない。こぶし大の、単純な大きさでみれば決して大きくないこの魔水晶は、その実これ一つでウルの魔力需要を1年近く賄えてしまえるというとんでもない代物だ。末端価格で数千万Gといったところか。人生5回は遊んで暮らせる金額である。
よし次だ。
周囲には騎士公共が脱ぎ捨てていった空の器が転がっている。同じ要領で魔水晶を収穫するべくダガーを振り上げる俺にマナが待ったをかけた。目の前に横たわる男の形をしたモノ。それの胸が僅かに上下していることに気がついたか。
「まだ息がある」
「だろうな。死んでちゃ器の意味がない」
「待って」
構わずダガー振り下ろそうとする俺の手をマナは掴んで止める。
「んだよ?こいつは最早ただの肉の塊だ。本人の魂はとっくに食われてここにはないぜ」
「……」
この連中はもうどうにもならないことを悟ったマナの手が緩む。その後俺は粛々と作業を進めるがマナは終始目を逸らしたままだった。いや手伝えよ。
『―――』
一通りの収穫を終え豪華な戦利品ににんまりしているところで微弱な念波を感知した俺達。動きたくないと身体が絶叫しているが無視もできずに仕方なく発信元を辿る。そしてそれは何と氷漬けにされたヴェルナー像であった。
『おい、そこにいるのは分かっている。早く氷を割れ』
相も変わらず上からおっしゃってくれるヴェルナー閣下。今の状況分かっているのだろうか。
「いや〜そうしたいのは山々なんだけどねぇ。これ永久凍結魔法なんだわ。対抗魔法がなけりゃどうにも――っておやぁ?丁度ここにご所望の魔法石がごさいますねぇ。さてどうしましょう?」
『御託はいい。さっさと要求を言え』
まあ正直やろうと思えばコイツをこのまま放置して戦利品をせしめるってこともできなくはない。が、それは俺の美学に反する。となれば俺の要求は一つだ。
「ククク、察しが良くてなにより。では――」
「〈業火〉」
「ああああぁぁ…っ」
空気の読めないマナの暴挙のせいで膝から崩れ落ちる俺に発掘されたヴェルナーはほくそ笑む。
「フッ一応聞いておいてやろう。要求は何だ?」
「もう…いいです…」
もうヤだこの娘。
強敵を破った達成感かはたまた囚われの身から脱却した開放感か、漂う弛緩した雰囲気の中で、しかし俺たちは失念していた。
真に恐れるべきは悪魔などではなく人であると。
「「「――ッ」」」
周囲に大きな魔力反応を感知。魔法が発現する前の数瞬、咄嗟に俺たちは散開する。だが気の過剰使用と肉体的疲労から慣性を殺しきれずにたたらを踏む。これは…マズい。
「何のつもりだこれはッ!!!」
ヴェルナーの怒号が周囲に木霊する。すると未だ残る氷柱や巨木の幹の影から驚いた様な気配があった。
「――!」
姿を現すはなんと十人程の元囮要員の皆さん。その中の一人を先頭に歩み寄ってくるが微妙な距離がある。瞬歩で詰めようにも一足では届かない、そんな距離だ。そのまま先頭に立った男はすまなそうに口火を切る。
「申し訳ない。悪魔と誤認した。――私たちは増援だ。遅参について謝罪を」
誤認?違うな。今のは威力偵察だ。俺達がどの程度消耗しているか推し量るための試金石。
「騎士達の姿が見当たらないがどうした?」
「死んだ。私たちをここに送るため犠牲となってくれた」
ハッものは言いようだ。自主的か否かに触れていないぜ。
「それで戦況は?霧が晴れている。カタはついたと?」
「ああ」
会話はヴェルナーに任せさりげなく敵情視察。姿を晒したあの十数人だけの筈がない。疲労で鈍った頭に喝を入れ周囲を探る。
「クソッ…ハイエナ共が…っ」
思わず小さく悪態が溢れる程状況は切迫していた。
「…レイ」
「分かってる」
包囲されてる。本人達は隠れているつもりだろうが気配で丸分かりだ。おまけにこちらの消耗状況まで把握された。全快ならいざ知らず侯爵級悪魔と一戦交え、極度に消耗した今の俺達ではBランクパーティー複数を相手取るなど手に余るどころの話ではない。
発動から発現までのラグが大きい〈長距離転移〉で逃げるという手はこの距離では妨害されて終わりだろう。一応アテはあるが、できることなら戦闘は避けたい。
「素晴らしい!流石はAランク、二つ名は伊達では無いな」
ひとしきりヴェルナーから情報共有を受けた男は満足げに頷き、ではと態度を急変させる。
「採取した魔水晶をこちらへ」
「何だと?ふざけるな」
「何もふざけてなどいないさ。戦果は平等に分けられて然るべきだ。君たちに代わり私が分配する」
「ふざ――ぬ…」
こいつはきっと全否定しかしないだろう。それじゃダメだ。口を開きかけたヴェルナーを遮り俺は無理矢理会話に割って入る。
「断る、と言ったら?」
「君たちに拒否権は無い。気がついているだろう?今君たちは完全に包囲されている。この意味が分かる筈だ」
「…”平等”と言ったな。まさか頭数で割るつもりか?雑魚相手に逃げ回ってたテメーらとボスを倒した俺達。この2つの仕事が等価だとでも宣う気かね?」
すると先頭の男の陰から野営地の生き残り連中がヒョコッと顔を出す。ま~たこいつらか。しぶとすぎやしませんかしませんかね。
「私たちが他の大勢を相手してたからアンタらはそのボスに集中できたんでしょ!!3人でリンチしといて偉そうにしないでよね!!」
「俺たちみんなが頑張ったおかげだろ!お前らのじゃねぇ俺たちみんなの戦果だ!!お前みたいなクズにも分け前をやるってんだから感謝しやがれ!」
「喋んなコバンザメ共。てめーらは黙って尻にくっついてろよ。捌いて食うぞ」
「「コ――ッ!?」」
ギャーギャー喚く連中を無視して交渉ができないから黙らせろと顎で指示する。一応男はその通りにするも、だがと付け加える。
「戦果の独占は許さない、それが我らの総意ではある。だから素直に協力してくれないか?私たちとてこんな事はしたくないんだ」
「はいはい建前の朗読どうもありがとう。『出すモン出してさっさと死ね』って正直に言ったらどうだ?端っから生かして帰す気なんざねーだろ。後が怖いもんな?」
まだそうなっていないのは単にブツの確認ができず一緒に吹っ飛ばしかねないからだろう。加えてこちらの状態を完全に100%は読み切れていないのもあるか。人質ならぬ物質を取るって手もあるが、それは実質的にこちらの劣勢を肯定する事になり、交渉上非常に不利に働く。
こーゆーのは足下を見られたら終わりだ。虚勢でもハッタリでもかませるもんは全部かます。
「まぁ実際、そっちの読み通り消耗はしてるけどね」
俺は内実を毛ほども感じさせないよう悠然と一歩前に出た。すれ違いざまマナとヴェルナーへ小さくあることを伝える。
「たかだか伯爵級悪魔を相手にした程度で俺たちがへたばると思うか?」
正直全身がぷるぷる痙攣を始めているくらいには消耗している。他二人も似たようなものだろう。だがここが踏ん張りどころなのだ。不敵な笑みを顔面に貼り付けかかってこいと手招きをする。
「湧いたウジを処理する分はちゃんと残してあるから心配すんな。その分厚い面の皮引っぺがして標本にしてやる」
脅しには脅しで。俺が放つ無慈悲の殺気、それにマナとヴェルナーも呼応し連中へ殺気を叩き付ける。
「Aランクナメてんじゃねぇぞ」
大地が震え、大気が軋む。木々がざわめき空が墜ちる。
おそらく全員の脳裏をよぎったであろう、お前はBランクだろというツッコミすら一瞬で忘却の彼方へと追いやる殺意の爆発。その場にいる全員が無意識に後ずさりし身構えていた。
『く…っ、こいつらやっぱハンパねぇ…』
これはキくだろ。俺ら3人全開の殺気、つまり侯爵級悪魔と相対した時の重圧と同等ということだ。敵全員の引きつった表情と聞こえてきたその言葉で予想は確信へと変わる。
さて戦意は挫いた。次はアメだ。
「ほらよ」
「おい…」
ヴェルナーが制止してくるが構わず男の足元に小袋を放り投げる。
「…これは?」
「おめーらが相手した騎士公共の分だ。売りゃ400万くらいにはなるだろ。そっちの主張にも一理あるって事は認めてやるよ。おこぼれならくれてやっからそれ持って消えな」
連中にも面子がある。一度拳を振り上げた手前それをタダで収めるのは憚られるだろう。だから落としどころを用意してやる。
『よ、400万…っ』
侯爵とは比べものにならないが400万Gとて大金だ。それだけもぎ取れれば交渉としては大成功。まだまだ殺ったるでぇな俺ら(見た目は)を相手取って命までパァにするリスクを考えたら及び腰になるのは当然のことであろう。そして弱腰とは伝播するものだ。
よしよし良いぞ食いつけ。
「靡くなッ!!!!」
コイツらヤベーしもうこれで良くね?十分だろと流れが確定的なものと成りつつあったところで男が一喝。
「ブラフだ。この破壊規模は侯爵級以上によるもの。消耗は決定的だ。今の彼らには私たちに対抗する力は残ってないさ」
クソが。
さらにこのクソ野郎は追い打ちとばかりにとっておきのカードを切る。
「君は…レイと言ったか。君には感謝を伝えたい。君が提供してくれた魔法石は非常に役に立ったよ――このように」
クソ野郎が嫌らしい笑みを浮かべながら取り出したる物は紛れもなくあのミーティングで俺が奴らにくれてやった魔法石そのものだった。
クソがクソがクソがクソが!こいつ見覚えがあると思ったらあん時俺が渡した野郎じゃねーか。猫かぶってやがったな。ミーティングん時とうって変わってよく喋りやがる。
「カーッ、ペっ!おいおい勘弁してくれ。数で囲ったかと思ったらお次は借り物ですか。恥ずかしくねーの?三下根性染み付いてんなぁオイ!そんなだから騎士公みてーな雑魚にボコされんだよカス!」
せっかく穏便に平和的に解決しようとした目論見を潰されヤケクソの様に言いたいことをまくし立てる。マナとヴェルナーに煽るなと止められるがここは言わせて貰う!!
「大体さぁクソの役にも立ってないお前らにも少しは分け前を恵んでやろうっつー俺たちの心遣いが分かんないかね?脳みそまで弱いのかよテメーらは。あ〜だから恥って概念もわかんねーのか。君たちには高度過ぎたかな?脳足りんの足手まといは足手まといらしく謙虚にスカスカの頭を垂れて施しを受けてろってんだ。こんの――三流共がッ!!」
中指をビシッと突き立てつつひとしきり吐き出してスッキリした俺と対照的に性処理に付き合わされたケツ穴男は能面の様な表情で吐き捨てた。
「…もういいだろ?黙れよ」
奴の魔法石が砕けその右手に紫炎が宿る。
よし使ったな。
「死ね」
「「―ッ!!」」
奴が掌をこちらに向けた瞬間、血相を変えたマナとヴェルナーが退避しろと後ろから俺の肩に手を掛ける。そんな二人に構わず俺は一言。
「認証:“Death for traitors”」
そうたった一言、回天の祝詞を紡ぐ。
「は…?」
俺たち(というか主に俺)を焼く筈だった紫炎に何故か自らが焼かれている事実に呆けた声が一つ。さぁ来るぞ怨嗟を喰らった怨霊達が。男の身体が弾けその内から溢れた出た苦悶を浮かべた無数の人魂が周囲に襲いかかる。
突如として現界した阿鼻叫喚地獄。それを前にふはははははははは、とディアスよろしく地の底から響く邪悪な高笑いを上げる俺。
「分かる!分かるぜ!スゲー分かる!!意趣返しってのはサイコーに気持ちいいもんな!かましてやりたかったよなぁ!クソ野郎に吠え面かかせてやりたかったよなぁ!分かるよ!」
「「……」」
ふと後ろを振り返るとドン引きした表情のマナさんとヴェルナーさんが。
「ちょっ…引きすぎじゃないですかね」
「…っ」
思わず手を伸ばしたらマナに後ずさられた。えっ何これちょっとショック。
まあいい、気を取り直して現状分析といこう。
<炸裂する呪怨>は無差別攻撃だ。当然俺たちにも襲ってくる。確かにAランクにも有効とは言った。が、有効打になるとは限らないのだ。なぜならディアス戦でも分かるように、Aランクの戦闘ではこのレベルの魔法がポンポンと当たり前の如く飛び交う。
こいつらとて腐っても上位冒険者だ。この魔法一発で全滅させられるとは考えていない。三分の一も喰えれば御の字だろう。だが撹乱としては最高の仕事をしてくれた。
気の残量的にギリか。既に筋肉の痙攣や脱力も生じ始めている。だが今を逃すともう勝機は無い。
「狩るぞ」
マナへ魔法石を放る。刻印された魔法を確認したマナはうげっと嫌な顔をしていた。ヴェルナーにはいいか。確か雷系統には電気刺激で無理矢理身体を動かす魔法があった筈だ。
さあラストスパートといくか!!
「「〈斃れて後已む〉!!」」
「〈自動人形化〉」
「ま、待って待って待って待ってよ!ごめんなさい!謝るから命だ――あがっ…」
ま~た性懲りもなく生き残っていたクソ女。腰を抜かして命乞いを始めたそのよく回る口に剣先を突っ込む。
「うるせーから閉じろ。口は災いの元って知らねーのか」
「もが…これじゃ……閉じれな…」
「あっそう、なら一生開けとけ」
俺は容赦なく女の口から上を斬り飛ばす。散々邪魔してくれた手前、俺の手で引導を渡せて幸運だったとも言えるな。
「はぁ~あ、まったく馬鹿な奴らだ。欲をかきすぎるからこうなる。ひとまず生き残れた事を喜べば良いものを」
無造作に転がる男女の死体。転がった性別不明の頭部を蹴りボヤく。すると少し向こうに屍の中に一人佇むマナの姿が目に入ったので近寄って転がってる死体に腰掛けつつマナの様子を観察する。
「ほぉん?容赦ねぇな。てっきりお前はまだ処女だと思ってたんだがね?」
「そんなもの…とっくに捨てた」
そう口にしたマナの瞳の奥には底知れぬ闇が広がっていた。
「ま、いーや。さっさと転移で帰ろうぜ。早くしないと〈斃れて後已む〉の負債が酷い事になる」
転がった死体から回収できそうな物は回収しつつ帰り支度をしていたところで遠くの方からヴェルナーが俺たちを呼ぶ声が聞こえてきた。
あれディアスが言ってた方向だな。襲撃のせいですっかり忘れていた。できることならすぐにでもウルの自室に帰って魔法を解除したいところだが、ヴェルナーの声色からただならぬ事態のようだ。
「これを見ろ」
「うわ…マジかよ…」
呼びかけに応じ近くまで来たところで俺たちが目にしたものはでかでかと刻まれた大地の裂け目であった。のぞき込んでも底など見えず、俺たちの立っている場所の遙か下方から朧気な光が差し込んでいる事のみ確認できる。そして何より強烈なのはこの裂け目から立ち上る絶大な魔力。
「地脈の亀裂…」
「そうだ。まだ完全に裂けてはいないが、放置すればこの場所が魔境化しかねん」
「今回の元凶が分かったな。爵位悪魔みてーなレアが呼ばれたわけでもなく何でこんなトコにって思ってたがこの魔力だ、たまたま〈異界門〉が開いちまったってことか」
「おそらくな。一度撃退したとはいえ再び開く可能性はある。お前達はここを封鎖し増援を待て。俺は至急ウルへ帰還しギルドへ報告する」
「ん」
「は?おい待――」
ヴェルナーの野郎は命令するだけすると了承も得ずに転移で消えやがった。
残☆業☆確☆定☆
思ったより長くなってしまった
次話からは街中に焦点を当てて行く予定