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星の見えない時
何も見えない中を闇雲に歩く
北はどっち?
空には方角を示す星すら見えない
そもそも僕は何処に行きたいのだろうか?
かつては何かを求めて歩いていた気がする
しかし長い時間さまよっていた僕に残されたのは、この暗闇を抜け出すという思いだけ
僕は歩き続ける
更に歩き続ける
くたくたになっても歩き続ける
そこでようやく気づく
「何もない僕のたどり着く先には幸せなどない」ことを
必死になって足元を探す
だけど光の差さない場所では何も見つけることは出来ない
無くしたしたものは、そこにはない
戻ろうにも道が判らない
それでも必死に探し続ける
きっと今の僕の顔は他人から見れば滑稽なのだろう
だがここにはそれを笑う人すらいない
笑い声も響かない
ただ暗闇が広がるだけ
急に寂しさが込み上げる
「見て欲しい」「聞いて欲しい」
あぁ…そうだったのか
僕は「自分ではない誰か」を求めていた
同時に空が瞬きだした
その空に浮かんだのは僕だけの星座
僕はそれを目印に歩き始める
きっと迷うことはない
疲れきった足を引きずるように歩く
「ゴールはすぐそこ」
そう信じて