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ハナコさんと異世界  作者: 御手洗 花子
2/2

花子の魔力事情

「何、おじさんたち。

幼い花子に、意味わからない事言わないで?


私はトイレの花子さん。

呼び出しを受けたから、来ただけよ?


あなた達、言ったでしょ?

〈花子さん、遊びましょ〉って。

だから遊びに来たのよ、花子は。


なのに、


女神の使徒とか、意味がわからないことゆーとんなら、頭カチ割って脳味噌床にぶち撒けっぞゴラァ。」


あら、いけない。

少女らしくない言葉を出してしまったわ。

ゴラァって、花子が使う言葉じゃないわ。

花子、いけない子だわ。


おじさんたちは、なんかプルプルしてるし。

トイレを我慢してるのかしら?

トイレなら目の前に有るのに。

使ったら最後、生きては出れないトイレだけどね。


「すまんが、膨大な魔力を鎮めてくれんか。

兵達がそなたの魔力で気絶しかけておる!」

偉そうだったおじさんが、青白い顔で足をプルプルさせながら、急に叫んで来た。


「あら、漏れそうなの?トイレつかう?」

私が気を使って言っても、誰も動かない。

ただただ、プルプルしながらこっちを見るだけ。


しかも、花子に膨大な魔力なんて存在しない。

あれは気、神力、色々言われているが身体が無いと発生しないエネルギー。存在という概念そのもの。

だから、肉体があるからこそ存在という力が発生する仕組みだ。故に花子には膨大な魔力なんて存在しない。私には体がないし。そもそも、魔力という概念は、生まれた時の私には付加されてないから。あったとしても、限りなく少ない量のはず。


そう。後から付加されない限りは。



「ねー、聞くけど私って、おじさん達に呼ばれてるのよね?」



「儂等は、確かにそなたを呼んだ。女神の使徒であるものを」



「………」

あっれー?おかしい。何かが、おかしい。

いや、おかしい事だらけだわ。

花子という<存在>は、<女子トイレ>にて<呪文>を唱えたら顕現できる存在だったはず。


確かに聞いたわ。<呪文>が唱えられたのを。

『花子さん、遊びましょ』って、言ったから此処への扉が繋がったんだもの。

でも、此処って<女子トイレ>なのかしら。

奥から3番目という制約があるから、最低でも3つの扉が必要なのに、見渡す限りあるのは1つだけ。

そして、<女子トイレ>っぽく無い。

カーペット敷きのトイレとか、掃除のおばちゃんに喧嘩売ってるもの。




「ということは、制約が干渉された可能性があるわね。」


花子という概念を上書き出来るとしたら、私より上位の存在のはず。

そして、先程から聞こえてた女神の使徒という単語。

女神といえば、アマテラス様とか、トイレの女神様とかの可能性が高いけど、日本神特有のお役所気質を考えれば、いくら上位の存在でも好き勝手はできないはず。面倒な手続きが沢山あるもの。


なら、外国の女神か?イシュタル様とかあり得そう。

あそこなら、好き勝手のやりほーだいが、許されるし。

いや、でも世界四大宗教の席捲で力を削がれてるから、私みたいな存在で遊ぶ暇は無いはずだし……


全くわかんない。

どの女神なのよ!

迷惑をかえりみずに、<存在>の定義を上書きしたのは!


「ねー。花子はおじさん達に、聞きたいの。

あなた達の女神の名はなんていうの?」

まじ、フルボッコにしてやるわ。





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