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プロローグ
自室のベッドにうつぶせに転がって枕に顔を埋める。
しばらくして息苦しくなり寝返りを打てば、天井にぶら下がった照明の光りが痛いほどに目を差して思わず顔を逸らした。
それでも募る胸の内の感情に遣り切れなさが渦巻く。
結局あたしは卑怯なんだ。ありもしない想像に縋って、出来もしない理想を掲げて。
決断を後悔しない、なんて物語の中だけの事だ。世界には、選びたくても選べない者がいる。満足など出来ない選択がある。それしか選べない道が存在する。
だから……どうすればいいかは分かっているのに。けれどもあたしは出来もしない足掻きを、この胸に抱き続ける。
────願うだけで、思う通りになればいいのに。