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閉会式

幸希(こうき)は、優しい光に包まれた世界の中、自分の家族に会っていた。


「・・・母さん?父さん?」


幸希は今にも泣き崩れそうなほど嬉しかった。


幸希の母親らしき人物は、肌が白く、150㎝程の小さい背で、にっこりと微笑んでいた。


また、父親らしき人物は、肌色が濃く、がっしりとした体格、175㎝程の長身で優しく笑っていた。


「どうした幸希、そんなに俺達に会えたことが嬉しいか!」


「そりゃ嬉しいに決まってるだろ。二人してどこに行ってたんだよ」


幸希は目から涙をボロボロと溢しながら言った。当たり前だ、幸希にとって二人は、一番かけがえのない人物なのだから。


「あらあら、幸希ったらそんなに泣くなんて。私達も嬉しいわね」


言いながら、母さんは目線を自分のお腹に落とし、左手で支えるように、右手で優しく撫でるような動作をしていた。


「ああ、そういえば幸希には言ってなかったわね。私、妊娠しているの」


彼女の動きを不思議そうに見ていた幸希に、本人から解説が入る。


「え?妊娠・・・?」


幸希は驚きを隠せなかったが、彼女のお腹をよく見ていると、不自然に膨らんでいることがわかった。


「そろそろ4ヶ月かしら、幸希には内緒にしていたのよ」


「な、何で内緒にしてたんだ?」


「母親が妊娠しているからって、お前に負担を掛けたくなかったらしい」


父さんが返答してくれたが、やはりこの両親は、息子のことを考え過ぎのような気もする。

幸希にとっては最初から教えてくれればよかった気もするが、彼の両親はそういかないらしい。


「そうなのか・・・なんか、ごめんな。俺に気を使ってたみたいで」


「そんなことないわよ。むしろ、内緒にしていた私達が悪いもの。幸希は全然悪くないわ。ほら、こっちに来て」


幸希は、彼女の言うとおりに母さんのすぐ近くまで行くと、手首を握られた。



「・・・・・・ろ。・・・きろ。・・・起きろ」


「う、うん・・・。あれ?准弥(じゅんや)伊吹(いぶき)・・・どうしたんだ?お前ら」


先程まで両親と話していたと思っていた幸希だが、どうやら夢だったらしい。それよりも何も無い床で寝ていた自分への驚きを隠しながら訊ねた。


「・・・転送されても中々お前が起きないから起こして来いって言われたんだよ」


「それよりも、閉会式が始まりますよ。体が痛まないなら早く行きましょう」


「・・・痛むわけないだろ。確かにこいつは俺に負けたが、必要最低限の傷しか与えた覚えはないぞ」


「そっか、俺って負けたんだな」


そうだ。幸希は間合いに入っていた准弥に理解が遅れ、そのまま撫でるように切られたのだ。


「・・・まあ、そんな事は後で良いだろ。それよりも、閉会式に行くぞ。早く終わらせたいんだ。シングルマッチを」


「理由が私的過ぎません!?

まあ、とりあえず行きましょう。皆さんがあなたを待ってますよ」


幸希も人を待たせるのはあまりしたくないので、そのまま二人に付いていった。


幸希もモニタールームに転送されていたそうで、巨大な壁一面に設置されているモニターに目を丸くさせたりしながら閉会式を行っているらしい運動場へ足を急がせた。


運動場には、職員と学年、クラスごとに並んでいる生徒がざわつきながら閉会式の始まりを待っていた。


「それでは、また閉会式が終わってから話しましょうか」


「・・・まあ、それが一番良いだろうな」


「ああ、また後でな」


それぞれが自分の位置に付くためにバラバラになったところで、担任の教師が近づいてきた。


「早川君、大丈夫ですか?」


どうやら幸希の身を心配してくれているらしいので、とりあえず現状の返答をしておく。


「はい、大丈夫です。ありがとうございます」


その言葉を聞くと担任の教師は教頭に一言声を掛けてから自分の元居た位置に返っていった。


『それでは只今より、シングルマッチの閉会式を始めます。

まず、今回のシングルマッチの上位三名は前に出てきて下さい』


その言葉で列の前に動き始めたのが二人いた。一人は准弥で、もう一人は少し離れていて分からないが、女子のようだ。


そして、その二人が最前列よりも、さらに前に出てきてしばらく経ってから『えー、二年三組 早川幸希君、前に出てきて下さい』と言われ、そこで初めて幸希は自分が二位であることを思い出した。


幸希が前に出たら、『それでは、自分の学年、クラス、名前をそれぞれ答えてください』と言われ、准弥から答えていった。


「・・・二年一組 江ノ本准弥です」


「二年三組 早川幸希です」


「二年二組 日向(ひなた)(さくら)です」


と、指定されたことを答えた。


『ありがとうございます。では、以上の三名には例年通り、一ヶ月の遠征に向かってもらいます。尚、二年の学年主任を務めている志田(しだ)(まこと)先生を、一時的な責任者として同行させたいと思っています』


(ん!?なに?エンセイって、今度は何が起きるの?え?この三人で何するの!?)


幸希は、もう現実逃避で頭が一杯で、そこから先の話を懸命に聞かないようにしていた。

最近忙しすぎて頭痛が痛いです。

どうも、お久しぶりです。赤坂ラルラです。

いやー、はい。最近の忙しさがいつも以上にキツイ気がして止まないです(笑)

といっても一つ一つのイベントの濃さは良い感じなので何とか投稿できました。

というわけで、そんな中書いた今回は・・・次回への導入のことを考えたって言うと聞こえは良いですが、正直なところ非常に内容が薄いと自負しています。なので、序盤から考えていた、内容を濃くできるものを冒頭にぶっこみました(笑)

これでネタが1つ減りました(笑)でも、それなら新しいネタを考えたら良いだけですね(焦)

そんな感じで出来たって言えば出来たんですが、次回は随分と期間が空くと思います。

理由としては、試験が二つ連続でありまして、勉強で手一杯になり、小説を書く時間が取れないと思うからです。まあ、それでも書くときは書きますので、次回でまた会いましょう。さよ~なら~

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