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もう出たくない


私は長年魔王様に仕える執事だ

この命魔王様のために捧げてきた

メイドは何百といたが執事はこの私だけだった。


魔王様の一番近くにいるのはお嬢様をのぞき私だと思っていた


しかし、次元融合後は渚という人間風情が私よりも魔王様に近くなっている気がしてならない。


だから、私はあの男を抹殺することにした。



そのためには情報が足りない。

「いつ」「どこで」「どうやって」これが暗殺において重要である。

魔王様に気付かれず自然死で終わらすのが最も理想的な殺しの形だ。

だが、あの男は社会という戦場に立つ一人の戦士油断してはならない

今日はあの男を1日観察する


ー朝5時頃ー


あの男の朝は早い。

どうやらアイツのもつ社畜という称号は社会ではそれほど地位の高いものではないようだ。


渚「はぁ。毎日毎日始発で会社に出社。そもそも、面接では九時からっていってんのに詐欺だろ」


あの人間に限らず人は何かしら悩みがあるようだ。


ー朝7時ー

「「「今日も1日会社のために全身全霊で働きます!」」」


どうやら戦が始まる前同様に士気を高めるためにしているようだ…

だがこれでは体力を使い逆に士気を下げてしまう



魔王さまのように…


ー戦前ー


「えー皆さんが黙るまで二分かかりました。この二分を取り戻すべく貴様ら働けぇぇぇ!」



ーー


でなくてはいけない。

リーダーである人間は人の上でなく前にたつものだ。


ー朝10時ー


渚「すいませんでした!」

取引先「あのねぇ。いくら安くても納品が遅ければ意味ないんだよ?」

渚「申し訳ございません!」


あの男はミスをしたらしい。

ミスをすれば1度目はいいが、2度目は命がない

心にその事を刻めていない人間は同じ過ちを繰り返す


ー昼すぎー


渚「やっとご飯が食べれる…」


いかんぞ…

あれだけのエネルギーをつかって昼食がおにぎり1つだと…!?

あれではいつ倒れてもおかしくない

自己管理は戦士として当たり前の話だ

やはりあの男は戦士としての意識が低い


ー17時ー


とくに出来事がない。

ただ物を買わせ

ミスをすると謝る

それだけだ


渚「ただいま帰りました…」


社員1「私は!ノルマを達成できず!会社に拾っていただいた恩を仇で返すダメ社員です!」


ほう…ミスなどをすると吊し上げて回りの戦士に恐怖を植え付け支配する。悪くない



ー18時ー


上司「じゃあ俺帰るから後は頼むぞ〰」


ダメだ…

リーダーは皆のものが帰路に着くまでは帰ってはならん!

魔王さまのように…


ー戦後ー


魔王「えー皆さんの頑張りでなんとか勝てました。ですが!残党兵の不意討ちなどがある!帰るまでは油断してはならん!人間の言葉で帰るまでが遠足という言葉がある。それを胸に刻め!では解散!」


ーー


というのが正しいのだ。


渚「晩飯くって頑張るか」


んっ…!?

待て!?

またおにぎり1つだと…!?


あの男は戦場をなんだと思っているのだ!

戦士を…戦を愚弄している!

こうなればやむ終えん…


prrr


電話だ。


お嬢様からのようだ。


娘「あんたなにやってんだ!帰ってこねぇなら飯は要らねぇってことだな?」

執事「待ってください。今すぐ…今すぐに帰ります!」




ー次の日ー


渚「やっぱり転職したいよなぁ」


執事「おい!勇内渚よ!」


執事さんだ…

僕は彼が苦手だ


執事「持っていけ」


執事さんはなにかを投げた


渚「これは?」

執事「戦士たるものバランスのとれた食事が全てだ。黙って持っていけ」


渚「しつじさっ…」


彼は僕がお礼をいう前に消えていった。


もう少しだけ頑張ろう…

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