世の中暗い
渚「はぁなんとか日付が変わる前に帰れる…」
僕は今日も会社に無償で御奉仕をした。
最近は近所で不審者が出るらしく暗いなか帰ろうか、または会社に止まろうか迷いながらもやはり我が家の布団で寝ることを選んだ。
そもそも、僕は男だ。
もしもの時は男の腕力でなんとかなると過信していた…
「よう渚」
ヒッ!
僕は驚いたが振り向くと
娘「なんで驚いてんだよ。失礼と思わねーのか?」
渚「ごめん…でも、珍しいねこんな夜に買い物?」
彼女の手のは袋が握りしめられていた。
娘「あのばかオヤジが家にある牛乳とか全部飲んでよ。明日の分だけとりあえず買ってきただけ」
渚「あの人らしいね。重いでしょ?持つよ」
娘「男らしいじゃねぇかまぁお言葉に甘えてってやつか?サンキュ」
僕は彼女の持っていた袋を持ったが思いの外重く中身を見ると
牛乳が8本に食パン8袋という一般の価値観では決して明日分ではない
だが、彼女は人間ではない。この理論で大抵のことは納得する
この袋を片手で顔色変えずに持っていたことにだってだ。
娘「でも、お前もこんな時間まで仕事か?ブラック企業ってのは魔王軍よりもブラックだよな。辞めたくならないか?」
渚「確かに辞めたいときもあるけど辞めてしまうと次の就職先がなかなか見つからないとかよくあるらしいからね。我慢だよ」
娘「職がなければ追い剥ぎでもして金稼げば問題ないじゃん」
渚「それはこの世界のルールではしてはいけないことなんだよ」
娘「めんどくせぇよな」
と意外にも安らかな帰路を送っていると
おねえさん…
ちょっと…見てくれないか…
娘「私にいってんのか?」
渚「ん…この流れってまさか!」
バサッ!!
振り向いたらコートを広げた全裸の男がそこにいた。
ぎゃゃゃゃゃゃゃあああ
うわぁぁぁぁぁええいあ
バキッ!
娘「粗末なもの見せんじゃねぇよ…」
そうだ。叫んでいたのは僕だった
変態「うぅ血がぁ…あぁぁ息子が」
娘「ほら。渚帰るぞ」
渚「うん。」
はじめての体験に膝が笑っていた僕に肩を貸してくれた彼女はカッコよくみえた。
母さん僕は都会で今女性に不審者の魔の手より助けてもらうという体験に恥ずかしさがありますが、こんなもの日頃の日常に比べるとへでもありません
強く元気にやっています
来月まとまった休みがとれれば帰ります