ゲームですら貧乏
週休二日制の罠にハマり久々の休日を過ごしてた僕は魔王の娘に一緒に高校に入学することを説得してほしいと頼まれた。
バイトだってそうだか「週休二日制」には気を付けろ!
渚「説得に行こうって言ったけど、ここって公園だよね!」
娘「最近はパチンコで負けたらここで憂さ晴らしをしてるらしくてな。二日に一回の頻度でここにいるらしい。」
仮にも魔王さんは世界をおさめていたのだ。
小学生1「魔王マジスゲー」
小学生2「ベイ◯レードマジつえーよ!」
魔王「ハハハ!そうだろう!我輩はすべての遊戯で天才と言われた男だからな!」
いまの魔王は近所の小学生をおさめていた。
娘「オヤジ!話があるんだけどいいか?」
魔王「おぉ。いとしの娘よ!一体お父さんになんのようだい?」
小学生「あっ!僕たちこの後塾だからいくね!またね魔王!」
魔王「うむ!不審者や交通事故には気を付けるのだぞ!」
僕とすれ違った小学生が
「全く接待プレーって疲れんだよ…執事さんとこ行こうぜ」
と聞こえてきたので、おそらくこの政治に革命が起こる日が近いと感じた。
魔王「ところで娘よ…話とはなんだ?」
娘「学校の件なんだけどよ。やっぱり私は諦められないんだ。だから頼む!」
魔王「だめだ!お父さんはスクールラブは許さんぞ!渚くんもそうだろ!?」
渚「僕は彼女のやりたいことを尊重してあげてほしいです。」
魔王「渚!貴様裏切ったな!いいのか?貴様が憧れてたスクールラブをわが愛娘がするんだぞ!」
なぜ魔王は僕が悲しい青春を送っていると決めつけているのだ?
そもそも僕は高校時代は彼女もいて楽しく過ごしていた。
僕のなかでなにかがキレた
渚「彼女は次元融合後はあんたのせいで家事をしたり家のことをすべてしてるんだぞ!彼女は17歳です!やりたいことだってたくさんあるんです!それなのに小学生にすらバカにされるあんたのためにやりたいことを諦めるなんておかしいでしょう!なにがスクールラブだ?年相応でいいことじゃないですか!僕だって彼女と同じ年で彼女くらいいましたよ!かってに寂しい青春送ってると決めつけんじゃねぇよ!」
魔王「渚くんが壊れた。」
娘「渚…そこまで決めつけられたことを…」
渚「ハァハァそれにこの世界で生きてるなら…高校くらいは出ても損は…ないでしょう?それにハァハァ…同世代の友達が増えるしね…」
魔王「うむ…JKの友達が増えるのか…確かにそれはよいな…渚くんの言うとおりじゃの…そうじゃ…我輩らの世界のときはよく命を聞いて我輩のために動いてくれていたりしてたしな…もっとも親離れの時期なのかもしれんの…だが、学費などがな…我輩無職だし」
サッ…
執事「ご安心ください…特待生という扱いで転入を出来るように手配しました。あとこれ制服と教科書です」
魔王「執事よ。誉めて使わす」
娘「ここの高校…なんで私がここに行きたいって分かったんだ?」
執事「私のネットワークを使えばそんなものは容易いことです」
僕は知っている。
執事のネットワークとは
"おばちゃん"
だということを。
娘「お父さん…渚…執事ありがとう!」
渚「魔王なにもしてなくね?」
ー数日後ー
娘「母さん…今日から高校ってとこに行ってくるよ。友達と同じ学校だけどクラスに馴染めるかは分からないし、勉強は不安だけどがんばるよ。」
JK「おーい!!行くよ! 転入そうそう遅刻したいのかー?」
娘「おう!母さんいってきます…」
ガチャ
バタンッ!
魔王「行ったようだな…妻よ…娘もお前と同じ人間の道を歩むことを選ぶみたいだ。悲しいがそれもまた運命…受け入れることにしよう。だが、次元融合前よりも娘の笑顔が明るく綺麗になったようで父さんは嬉しい…お前もあっちの世界で喜んでくれているか…」
執事「魔王様…早速ですが近々個人懇談というのがあるみたいですがどうなさいますか」
魔王「我輩が行っても娘の迷惑になるだけじゃ。すまないが頼めるか?」
執事「担任は女性の方ですよ。」
魔王「一張羅を用意せぇ!赤マムシもじゃ!」