ポイントカードあっても結局出すのがめんどくさい
──朝6:00──
玄関前
渚「ふぁ~さぁ会社に行き、ごみを売り付け回りますか。」
ガチャ
魔王「おはよう。渚くん。今日10時に3丁目の角のダンジョン集合ね。」
珍しい…魔王さんがこんな世の人々が出社する時間に意識がはっきりしてるなんて。でもいつもと雰囲気が…
渚「ダンジョンですか~じゃあまた夜に…」
魔王「違う違う!午後じゃなくて午前だよ!」
渚「え?いや、僕これから出社するんですけど…」
魔王「仕事かぁ~でも、渚くんいないとツッコミ役がなぁ…執事!」
シュッ
執事「魔王様…どうかなされましたか」
魔王「渚くんが今日仕事で来れないからどうにかしてもらえないかなぁ」
執事「御意」
────
上司「ったく…味が薄いんだよ…この味噌汁」
上司妻「でも…あなた最近お酒の量多いし…健康に…」
上司「うるせぇ!おれが薄いと言えば濃くすればいいんだよ!誰が養ってやってんだ!」
シュッ
──動くな─
執事「お前が勇内渚の上司だな?」
上司「だれだ…おま」
執事「振り向くな。物理的に首を飛ばされたくなければな。この有給申請書にサインをしろ」
上司「サ…サインだって??そそそんなことするわけねぇだろ。一人が休めば他のバカも休みたがるだろが」
執事「そうか…であればお前を殺してサインをもらうか…いや、それともお前がしている横領の証拠を…」
上司「ままままて。わかかかった、サインする。」
サッサッ
上司「ほら、これでいいだろ。」
執事「よし。これで勇内渚の有給は受理された?そうだな?」
上司「あぁ。だからもういいだろ。」
執事「いや、まだだ。」ズズズ
「味は悪くない。塩分控えめでもこれだけの味わいなのは誇っていい。だが、味つけを薄くするだけでなく具材を多くして汁気を少なくすることでさらに減塩に繋がる。覚えておくといい。」
上司妻「なるほど!勉強になります。」
執事「それからお前だ。体を気遣う存在がいることはどれだけ大事か分からんのか。戦場でも生き残るやつは他人に大事に思われる人間だ。すべての行い…今一度見直せ。」
上司「は…はい」
執事「では、失礼した」
シュッタ
──────
執事「勇内渚の有給申請入手しました」
魔王「よくやったぞ!さすが暗殺部隊隊長も兼任してるだけあるわ!」
渚「え、殺したんですか?殺したんですか?」
魔王「じゃああとでね」
ガチャ
渚「殺したんですか?」
シュッ
渚「…チッ」
と、まぁ奇跡の有給だ。おそらく会社設立以来はじめての有給取得者だろう。そんな奇跡を魔王さんたちに与えなければならないのは少し嫌だが…仕方ない。
渚「今は6時半…ってまだ10時まで二時間以上もあるじゃん…洗濯して…久々に朝御飯作るか。いつも会社で食べるなぁ家で食べるのはいつ以来だろう。そうだ、実家から送られてきた野菜と魚に肉に…げ…期限切れてるじゃん…でも臭いもないし大丈夫かな。よし!」
──────
渚「ふぅ!食った食った!大量に作りすぎてお弁当にしちゃったけど後で皆にもお裾分けするか。ってもうこんな時間…はぁ魔王さんはなにする気なんだろう」
────3丁目ダンジョン───
説明しよう!3丁目ダンジョンはこの地域では比較的規模の大きいダンジョンである!
7つの部屋に別れており、それぞれの部屋をクリアし鍵を集めることでボスの部屋に行くことができる!攻略難易度は執事一人で10分!娘なら3秒渚くんならゲームオーバーってとこだろう!
渚「魔王さんなんで説明を…」
魔王「だって説明しないとわからないじゃんか」
娘「いいから早くダンジョン消そうぜ」
渚「いやいや、さすがに消したら事件になるよ…てか、娘ちゃん学校は?」
娘「は?さすがにこの状況じゃ学校なんて行ってらんねぇよ」
渚「この状況?」
魔王「これからダンジョン攻略じゃよ。」
渚「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」