突如裏切る猫
私は旅立ちます。
この真っ暗な世界…漠然とした不安…私には荷が重いのです
家族からは早く孫の顔が見たいと言われ
後輩からは売れ残りと言われ
合コンにいけばみんな年下…
いい感じの関係になれば妻子もち
もうだめです。
お母さんお父さん先立つ不幸をお許しください…
「ほう…別れるつもりか…」
売れ残り「だれ!?」
「我輩は魔王。この公園を統べるものだ!」
売れ残り「どこから声が…」
魔王「ドラゴンが天を飛び、あらゆる場所にダンジョンが点在するこの世界で魔王がいないと思っておるのか?」
売れ残り「そうよね…言われてみればそうよね。魔王はいるわよね。それに天から声だって聞こえるわよ!でも…なんで魔王さんがこんな私に?」
魔王「決まっているだろう。…を捨てようとしている人間を放っておけるわけないだろう」
売れ残り「魔王さん…私なんかの価値の無い命なんて…」
魔王「価値のないものなどない!」
売れ残り「魔王様…」
魔王「我輩もあんなことをしてしまったとき、すごく傷つけてしまったんじゃないかと…」
売れ残り「えっ傷つけ?SM?」
魔王「我輩は…を抱いて寝てるがあれは素晴らしいものだ。」
売れ残り「抱いて?えっ///」
魔王「我輩も…を捨ててしまったときはひとつ成長した気でいた」
売れ残り「魔王様…あなたも捨てるのね…」
魔王「だがすぐに虚無感に襲われてしまった!安易に抱き枕を捨てることをやめたのだ!」
売れ残り「そうよ。捨てるなんていけないわ…いい歳になってから捨てられるとどれだけ苦労すると思ってるのよ…」
売れ残り「でも、この人は私を捨てないって…魔王さま…抱いて!」
バサッ!
ギュッ!
魔王「ぅぁぁぁあなになにこのババア?えっえっ?痴女?なに?」
売れ残り「あなたにならすべてを捧げるわ!」
魔王「ぅぁぁ重い!二つの意味で重い!」
抱き枕を捨てようとしていた男性「捨てるのやめるんで帰ります」
魔王「ちょっと!?君!たすけてぇぇぇ」