3話
「ぬうぅ……ワシは認めんぞ! どうしてこのクズが死刑じゃ無いんじゃ!?」
「別に、実害を出したわけじゃありませんので……」
「うるさーい! ワシのかわいい孫に手を出したクソ野郎は、死刑、死刑、死刑じゃあああああああ!」
まさか、こんなことになるなんて……。
このままだと俺、死んじゃいますけど?
3時間前☆
「ここ、どこ?」
おかしい。絶対的におかしい。
さっきまで留置場にいた人間が、全裸で道端に投げ捨てられているなんて誰が想像できただろうか。
「とりあえず、何か着るものないのか……」
その辺を探してみるが、別に目立ったものはない。
「いや、おかしいだろ! 何で俺全裸なんだよ!」
「あら、やっと目を覚ましましたか」
俺が絶望していると、後ろからかわいらしい声が。
「うわっ!? びっくりした!」
「はい、これ着替えです」
わーい、おひさまのかおりのようふくだー……じゃなくて!
「ここどこだよ! ていうか、何で俺全裸!?」
「簡単にいうと、これはチャンスなのです」
「チャンス……?」
それより、さっきの光った現象や、俺がフルチンの理由について教えてほしいんだが……。
「あなたには、二択の選択肢を選ぶ権利があります」
「選択肢?」
俺の体を見ないように後ろを見ている美少女が、意味深げにそういった。
「一つは、私が裁判所に連れて行き、あなたを死刑に追い込みます」
それは恐ろしい。
「もう一つは……」
死刑とか頭おかしい。まあ、美少女だからぜんっぜん気にしないんだけどね?………………命って尊いんじゃなかったっけ? 俺が死んでも誰も悲しまないとか、そういう現実を突き付けてるの?
「隣国の王国で仲間を連れ、私と一緒に世界中を旅することです」
「旅? それだけ?」
一つ目があまりにも残酷だったから、もしや「私の夜飯になってください」とか言われると思ったが、それならお安い御用だ。
「それぐらいなら全然いいよ?」
「!? 本当ですか!?」
美少女と旅とか、言葉だけでも胸が躍る。それでこの美少女……優が喜んでくれるなら、まさにwin‐winの関係だろう。
「じゃあ、今すぐ行きましょう!」
「え、ちょっと待って!」
大きな声を出して喜ぶ姿も、本当にかわいらしい……まさに俺の嫁!
「よーし、行くぞ優! 世界中、何周だって付き合うぞ!」
「ゆ、優!? いきなり名前で、しかも呼び捨てですか! 気持ち悪っ」
動揺する姿もかわいらしい。
「で、一体どこ行くんだ?」
「ま、まずはですね……親に許可を取りに行きましょう」
えっ……つまりそれは?
「私の家に行きましょうか」
何!? 女の子の自宅だと!