会合・会談
翌日の宿。今日はオフということで夜までの適当な時間は今村が外へ出掛けて3人と1羽と1匹は荷物番などを代わる代わるすることに決定した。
そして、その部屋で彼女たちは会議をしていた。
「さて、これからの議題はケッコン制度を頑張ること!」
「クルル、まだはつじょーききてないからなにしたらいいのかぜんぜんわかんないなの……」
「実は、ルナも……好きな番が出来て4か月しないと発情期来ないから……普通だとあるじだから満足してくれなさそうだし……発情期は凄いらしいぞー?」
「私も、まだです……一応、出来るみたいなんですが……元々亜人なのでデキにくい体質で、その上幼少期の環境が良くなかったので……」
いきなり頓挫した。
「……と、とりあえず! する、だけでもある程度情は湧くらしい! 問題はさせてくれないことだ! いっつも【玉壁】の中で一人寝てるから! ベッドの時しかチャンスはないぞー!」
「……でも、扉を開けると起きますから……それに、深く寝てる時以外だと傍に寄るだけで起きられますし……」
全員が悩む中でスライムは呑気に分裂していた。そして分裂した自分を再び吸収して動きを止める。
「……あの子はいーよなー……あるじ絶対アレは捨てないだろーからなー……」
「なの……クルルもおくちからなんかでればよかったなの……」
「……私、戦闘も頑張りたいんですが……お二人のステータスを参考にさせていただけませんか?」
昨日の恐怖からこの中でも一番危機感が高いアシュリーがそう言うとクルルとルナールも了承した。
「「「ステータス・クオ!」」」
アシュリー・キルトシュベルト (13) 白猫人 女 Lv.32
状態:重度隷属→保有者:イマムラ ヒトシ
及び【玉成】
命力:142
魔力:1037
攻撃力:257
防御力:189
素早さ:581
魔法技術:1374
≪技能一覧≫
【上級技能】…【気配察知】【探査魔法】【治癒魔術】
【中級技能】…【精神干渉】
【初級技能】…【杖術】【歩法】【獣化】【魅了】
≪称号一覧≫
【才女】【聖魔女】
現在所持金…12万G
「と、取り敢えず私のはこんな感じなんですが……」
アシュリーはそう言ってクルルとルナールの言葉を待つ。二人は割と驚いているようだった。
「つよいねー?」
「ルナたち頑張ってたんだけどなー……やっぱり2000の壁が厚いんだよなーて言うか、あるじの【玉成】ズルくないかー?」
「荷物持ちの為に、鍛えてましたから……それで、これで戦えますかね……?」
「んー……この辺りの敵ならいけるんじゃないかー?」
自分たちが倒した分の敵の魔素も【玉成】でアシュリーに与えられているのが何となく微妙な気分にさせてくるルナールはそう答えた。
「その、参考にクルルちゃんの見せてもらってもいいですか……?」
「どーぞなのー」
クルル・フォーゲル・ラシュランカー (0) 天使 メス Lv.58
状態:保有者:イマムラ ヒトシ
及び【玉成】
命力:1271
魔力:1034
攻撃力:1801
防御力:1272
素早さ:1792
魔法技術:1034
≪技能一覧≫
【上級技能】…【人化術】
【中級技能】…【嵐魔術】【近接戦】【魅了】
【初級技能】…【歌唱】
≪称号一覧≫
【懐刀】【無邪気な堕天使】【傾城の美幼女】【殺戮幼姫】
所持金…6万G
「バランス良いなーズルいなー」
「この、いちばんひだりのしょーごーは、ごしゅじんさまのばしょがなんとなくわかるなの。べんりなの。」
「えっ……それどうやったら手に入るんですか……? 何か特別なことをしたんですか?」
「しらないなの。あいのちからなのー!」
勝ち誇るクルル。因みに【懐刀】の称号の主な効果は自身が認めた主君の前でのステータス補整なのだが、クルル的にはそれがおまけだ。
「なー、この【傾城の美幼女】って、何か、可愛いって意味だろー? これ本気出したらどーなるんだー?」
「んー……わりと、たいへんなの。みるなの?」
「おー」
クルルは抑えていた分の魔力を解除してルナールに素の顔を見せた。
「お、おぉ……割と、ヤバいなー……ルナ、男になりそう……」
「じゃあやめるなの。アシュリーちゃんもみるなの?」
クルルは悶えるルナールから目を離して、ある程度魔力で抑えつつアシュリーに尋ねる。アシュリーはそんなことになるということに驚きつつ怖い物見たさで見てみることにした。
「にゃ、にゃふ……」
「こんなかんじなの。ごしゅじんさまはなんか、あんまりきかなかったみたいなの。レベル35こえたから、こーしんしてーっていったついでにみせてもロリコンにおちてたまるかっていいのこしてどっかいっちゃったなの。あ、こーしんはしてもらったなの。」
「おぉ……あるじは、凄いなー……」
クルルはそう言って自身の顔を魔力で抑えた。アシュリーが落ち着くのを待って、ルナールも自身のステータスを見せる。
ルナール・ストームフォックス (201) 嵐狐 メス Lv.62
状態:保有者:イマムラ ヒトシ
命力:416
魔力:1902
攻撃力:1401
防御力:894
素早さ:2003
魔法技術:2014
≪技能一覧≫
【上級技能】…【風魔法】【人化】
【中級技能】…【幻術】【近接戦】
【初級技能】…【威圧】【合成】【魅了】
≪称号一覧≫
【災害級魔獣】【ブレイブバスター】【殺戮姫】
所持金…7万G
「おぉー! 2000越えたぞー!」
「おめでとーなのー!」
「お、おめでとうございます……」
「種族変わるかなー? あるじって異世界の人だから変われる可能性高いよなー楽しみだなー」
楽しみにするルナール。アシュリーは少しだけ思ったことを口走る。
「……もう人じゃなくなりましたけどね……」
「……大丈夫かなー……」
心配になって来たルナール。異世界人なのに魔人になったという話は聞いたことない上、普通の人間はハイヒューマンと呼ばれる種族にランクアップするはずなので今村は何なのか気になるのだ。
「魔族、ですらないからなー……」
「まぁ……ご主人様ですから……」
「……だよなー……何かそれで納得する当たり……そうだよなぁ……」
人でなしだったから魔人になったんじゃないかという適当な説明で納得してしまった過去を思い出しつつルナールは頷いた。
「あ、話を本題に戻すとアシュリーちゃんは戦うってことでいいのかなー?なら色々注意点とかあるぞー?」
「なのー。まず、ごしゅじんさまとえものがかぶったらにげるなの……」
アシュリーは二人から様々なテクニックや心構えのような物を教えてもらうことになった。
「……さて、奴隷商……アシュリーから聞いた話は何か俺の中で微妙に辻褄が合わないんだが……王国は、屑だよな?」
その頃、今村は昨日の奴隷商の下へ移動していた。そこで話を聞こうと世間話を装って話題を振りまくと途中で丁重に招かれ、先日の支配人が別室での今村との会話に応じた。
「……王国と、共和国の間には混じり物……基人と、獣人のハーフである亜人が住んでおりました。」
そう切り出した支配人の長い話。今村が要点だけ絞ると
宗教的な理由で亜人はあまり好かれていなかったが、いる者は仕方ないと共和国は放置していた。
しかし王国は人間至上主義でそれが許せなかった。そのため共和国と合同でそのハーフが多い国を滅ぼそうとしたが、共和国はのらりくらりと躱す。
そして王国がブチ切れ、その村を滅ぼしにかかり、その村に住んでいる親戚を助けようとした共和国の獣人たちも殺し、助けに来た獣人たちは侵略者であると宣言して奇襲。
そして、王国が共和国の表層、国として成立していた部分を滅ぼした。
と言う流れらしい。
「で? 何でアシュリーに対してやたらと興味を?」
「それには訳があるのです……」
そして支配人の長い話が再び始まった。
イマムラ ヒトシ (17) 魔人 男
命力:3616
魔力:5635(前回+2)
攻撃力:6083(前回+1)
防御力:4001(前回+2)
素早さ:4124
魔法技術:5449(前回+3)
≪技能一覧≫
【特級技能】…【玉】
【上級技能】…【言語翻訳】【大魔導術】【総合戦闘術】【王氣術】
【中級技能】…【気配察知】【悪魔の御業】【鑑定】
【初級技能】…【奇術】【水棲】【総耐性】【調合】
≪称号一覧≫
【大魔導師】【真玉遣い】【美食の悪食王】【異界の者】【闇夜の虐殺者】【超理者】【魔物統者】【破壊の奇行師】【魔闘氣武王】【英雄殺し】【薬師】
現在所持金…1820万G




