君と見つけたたったひとつの小さな世界。
大きな木の下で結成した
秘密組織の話。
「ねぇ…僕たちの秘密組織を作ろうか…」
君の言葉ってほんと…なんて言うか…
突然だよね…
その決断力って言うか…計画性がないって言うか…尊敬するよ。
きっと君は、行動力があるんだろうね。
目の前にいる私の大好きな人、斎藤華月
(さいとうかづき)は私の返事を待っている。
大きな木の下、太陽の光を葉が反射して
緑の光が差し込んでいる穏やかな昼下がり。
いるのは、2人だけで。
私は、笑顔で言った。
「いいよ、やろうよ‼」
その一言で君は笑う。
私は君のその表情が好きなんだよなぁ…
「じゃ、決まりね‼」
すぐに決まった。
組織目的とかどういうことをするだとか
何も決めずに進んでいった私たちのたった
ひとつの小さな世界。
私は君と、
ーーーーずっと一緒にいたかった。
あの頃の私は、きっとこの組織ができれば
君と一緒にいれるって思ってた。
でも…甘かった。
「ねぇ‼私たち、ずっと…ずっと
一緒だよね?」
「………う…うん…」
今になれば、全てわかってた。
何で君が戸惑っていたか。
何で君の笑顔がウソに変わったか。
私は、とっても弱かった。
でも、あの頃の私はその真実を確かめようとしなかった。
確かめたくなかった。
ずっと逃げてた。
もしも、私が…10年前に戻れるならば
あの時の返事をしなきゃ良かった。
あの時、君に質問しなきゃ良かった。
ごめんね、華月。
どうでしたか?
これから頑張っていきますので、
温かい目で見守ってやってください。
次回もお楽しみに‼‼