第5話 ギルド
今日2本目です。
ギルド
-トーリの町中-
俺はあの後いくつかの質問を答え、トーリの町への入ることを許可された。
後は衛視に貰ったこの仮仮証明書をギルドに持って行って、金貨1枚を払って仮証明書を発行してもらえばいいのだが……。
-じー ひそひそ-
めっちゃ見られている。
町中の雰囲気は悪いし、浮浪者がかなり多い――やっぱり俺も狙われているんだろうな。
【隠密】とか持って入れればやり過ごせたかもだけど、戦闘特化の【マスタードラゴン】に日常生活で役立つスキル、アビリティは皆無だ。
……まあその分戦闘力はチート級だから文句はいえないかな。
俺は絡まれる前にさっさとギルドに行くことにした。
-冒険者ギルド-
俺がギルドに入いると、5,6人かが顔をニタっと浮かべこちらに近づいてきた。
あ~面倒な事が起こりそうだ。
「なあ兄ちゃん。俺らとパーティ組まね~か?」
「新人だろ? 優しく教えてやんぜ(笑)」
「はは、装備品も買ってやるよ!」
うわ~下心見え見えだ。
てかもう絶対騒ぎは起こりそうだし、我慢する必要ない……かな?
俺は何も言わず【竜神の眼光】、【竜神の威圧】の順にアビリティをONにした。
-バタバタ-
「て、てめ~ 何を……」
「ぐは……」
「……」
俺を囲んでいたやつは全員尻もちをついて動かなくなった。
――ついでに静かになった。
【竜神の眼光】
発動者の目を見て恐怖から目を逸らしてしてしまうと全パラメータが3分の1になる。
ただし発動者のレベル-10以上の相手には効果がない。
【竜神の威圧】
発動者の姿を見てしまうと【麻痺】、【サイレント】、【パニック】状態になる。
ただし発動者のレベルの半分以上の相手には効果がない。
正直【竜神の眼光】はいらなかったようだ――ここにいる全員が俺のレベルの半分以下みたいだし。
まあ使ってみたかっただけなんだけどね……発動したらすぐに目線を逸らされたから、同時に恐怖も与える効果があることがわかった。
-ガチャ-
ん?
奥から壮年のおっさんが出てきた――【麻痺】になっていないということは高レベル。
俺はそのおっさんにロックをかけてみた。
【ヒューマン仙 Lv.138】
お! 初めて仙人を見つけた。
Lv.100以上が仙と言ってたし、Lv.200以上のヒューマンはヒューマン神になるのかな?
「この度は、当ギルド登録冒険者がご迷惑をおかけし、申し訳ございません。その書類をみるに仮証明書の発行ですね? どうぞこちらに」
「わかった」
勘だがこのおっさんには悪意は感じられなかったのでいう通りにすることにした。
-ギルドマスター室-
「どうぞお座りください」
かなりへりくだった様子で上座を勧められた。
俺は豪華なソファーにドスっと座りこんだ。
「あんたがここのギルドマスターか?」
「はい。ギルドマスターのサーレといいます。職業は【大神官】です」
「ヤマトだ」
「ヤマト様。私はあなたに反抗する意志は全くございません! ……申し訳ございませんがロックと威圧系のアビリティを解いて頂けないでしょうか?」
あ、解くの忘れていたわ。
ロックかけているって拳銃で狙ってますよって言ってるようなもんだからね――だからこんなにビビってたのか。
俺はロックとアビリティを解除した。
「ありがとうございます」
「いい」
「あの……初めに申し上げた通り私に貴方を害する意志は全くございません」
「ふむ」
「その上でいくつかご質問とお願いをしてもよろしいでしょうか」
「殊勝な態度に免じて話を聞くだけは聞いてやろう」
「ありがとうございます。……まず貴方は神様ですね? しかも1月ほど前から現れた高レベルな新人と同じ所から来た」
どう答えるか――いやもうぶっちゃけるか。
「そうだ。この世界の創造神に地球という別の世界から召喚された神の1柱だ」
「そ、創造神様? 実在するのですか? しかも別の世界から……」
「実在する……が本人から聞いたところでは、この世界の維持のみに注力する存在で名もないそうだ。我達が呼ばれた理由は先の大戦で多くの神を失いバランスが壊れてしまい、それを補うためと言っていた」
「そうなんでs……も、もしかしてその者たちを殺してしまってはまたバランスが崩れるのでしょうか?」
「いや、共倒れにならない限りは、殺して高レベル者が増える方が安定するはずだ」
「殺してしまってよかったのですか? あなたの【眷族】ではなかったのですか?」
「違う。そもそも向こうの世界では神は基本的に認知されていない。さらにレベルアップやスキルなどもない」
「まさかそんな世界が……では何故こちらにやって来たものは高レベルでスキルを使えるのでしょうか」
「それは元の世界地球がこの世界より高位にあるからだ。おそらくわからないだろうから簡単にいうと向こうの一般人でもこちらでは高レベルになる。またスキルやこちらの知識は創造神が教えたようだ。……ただ向こうはかなり平和だったからほとんどの者は戦闘経験ゼロだがな」
「なるほどだからあんなにアンバランスだったのですね」
それから被召喚者達の現状を聞いた。
予想通りかなりの人数が餌食になっているらしい。
さらにとばっちりをくらってこの世界の冒険者同士でも殺し合いが頻発しているようだ。
「あのここからがお願いなのですが、ヤマト様にこのトーリの町の守護神になって頂けないでしょうか」
すみません。
【祝福】の話を入れれませんでした。
次には絶対説明します。