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第1話 人との遭遇(神視点)

残酷表現があるので注意してください。

人との遭遇(神視点)



・・・レベルが157から255になっているな。

おそらくだがこれは俺の元々の力が加算されたからだろう。

まあキャラデータに上書き保存されたら『権能』も使えないし、種族もヒューマンになっちゃうからね。


あ、そうそう、このRPGでは種族は選べずヒューマン一択だ。

あんだけゲームとしてこっていたのも、ゲームキャラと本人を定着させるためでもあったのだから当然ではあるが。

外見も元の世界と同じでTSもできない・・・ゲームを始めるときに初めから決まっていた。

これとゲーム内の言語が本人の言語になっていたので、このゲームの謎の一つとして議論されていたわけだが――なんで俺、神関連と疑問に思わなかったのだろう。

神(自分と父親)の存在を知っていたのに人間社会で生きていたためか、魔法?頭おかしいんじゃない・・・みたいな考え方をしてしまった。

バカだろ俺・・・。


まあいっか!

過ぎたことを気にしてもどうしようもないし、今の境遇に不満があるわけじゃないしね。

元の世界じゃ力を使おうとすると目立っちゃうから、派手に使えなかったんだよ!

昔は結構ドッカンドッカンやってたらしいんだけど・・・世知辛い。


とにかくこのRPGっぽい世界で自由にたまに『役割』を果たしながら、生きていきますか!

まずはスキルとかの確認か・・・。


「ぎゃー 誰か助けてくれ~」


ふむテンプレ通りのイベントが発生したか・・・いや違う!

シカっぽい魔物に襲われているのは日本の学生風の恰好をした――男だった。


ここは可愛い女の子が登場するところだろ!!!


俺は思わず神に叫びそうになったが自分も神だったのを思い出してやめた。


う~ん、正直男を助ける趣味はないんだよな~

神だからか命に対する価値観が違うし・・・でも人間社会で生きてきたから助けた方がいいような気もする。

・・・どうしよう。


結局俺は、今の自分の強さを確認ついで助けることにした。


「おい、下がってろ!」

「おお、ありがとう・・・」

「ふん!」


俺は素手でシカっぽい魔物の顔を思いっきり殴った!


-ばっしゅー ドボドボ-


まさにスプラッタ――俺が殴った瞬間シカっぽい奴の頭は炸裂し、血が飛び散った。


「ひ、ひ~い」


俺が助けた男はその惨状にビビって腰が抜けたようだ。


-ぴかーん-


俺がスプラッタして数十秒後、シカっぽい奴の死体が光に包まれ――その一部が俺に吸収され、また一部は世界にとけ、残りが角や肉、硬貨?に変わった。


「アイテムボックス」


・・・何も起こらない。

どうやら「アイテムボックス」は使えないようだ。

まあ俺には別の物があるから関係ないんだけど・・・こいつの前では自重しておくか。


俺はとりあえず落ちている硬貨っぽいのを拾い上げた。

金貨が1枚、銀貨が2枚と銅貨が5枚だ。

ゲームと同じ価値だと

金貨1枚=銀貨100枚=胴貨=10000枚だ。

ちなみにその上に白金貨(金貨100枚)、黒金貨(白金100枚)というのもある。

単位はイェンで胴貨1枚は1円と同じくらいの価値のはずだ。


RPGで敵がなんでお金を落とすのか疑問に思っていたけど、おそらくその者が存在していたという証拠、遺品みたいな感じで変換されているってことか・・・。

存在の力がすべて倒した相手や世界に吸収されて何も残らないということは出来なかったのだろう。


などと考えながら硬貨をポケットに入れていると、さっきまで腰を抜かしていた男が話しかけてきた。


「お、おい! お前もゲームの中に入れられたんだろ! NPCじゃないよな?」


う~ん、見た目が同い年くらいだからかため口だ・・・神様に向かってなんて口のきき方だ。

俺は若干不機嫌になりながらも応対した――向こうの世界では人として力を隠していたが、こちらではあまり力を隠すつもりはないので態度が尊大になっている。


「ああそうだ。大丈夫そうだな。それじゃあな」

「ちょ、ちょっとまて! ここは元の世界に戻るために協力するのが正解だろ! 何勝手にどっか行こうとしているんだ!」


俺は立ち去ろうとしたが引きとめられた・・・ちっ!


「俺は別に戻ろうだなんて思ってないから協力する意味がない。足手まといはいらん」

「くっ、俺より高レベルだからって・・・俺だってこっちの世界に来て強くなっているんだぞ! いいからこい!」


??何でレベル差がわかるんだ――そういえばゲームではロックした相手の種族とレベル、HP,MPバーが見えるようになっていたな。

俺はこの男の情報を見ようとしてみた。


【ヒューマン Lv.47】


HP,MPは減ってないみたいだ。

このゲームではレベルが10以上離れると種族とレベルは???で表示されるようになっている。

つまりレベル246以上のやつじゃないと俺のレベルや種族を把握されることはないということだ――おそらくめったにいないだろう。

竜神族とバレると町中で騒ぎになるので都合が良かった。


にしてもレベルが10以上離れているのは確定しているのに何でこんな偉そうな態度を俺に取ることができるのか疑問だ。


「レベル47なんだから足手まといだろ。あとさっきの戦闘も見てたしな」

「う、うるさい! 何でお前はそんなに余裕があるんだ! ・・・そうか! お前が俺をここに連れて来たんだな! このやろう! 早く俺を元の世界に戻しやがれ!!」

「俺も巻き込まれたんだが・・・まあ元の世界に戻せないこともないな」


俺はちっぽけな存在に神の救いの手を差し伸べてみる。


「ほ、本当か! いや戻すのが当然だ! 早くしろ!」

「だから俺も巻き込まれたんだが・・・」


俺はそう言いながら光を発し、もうひとつの姿に変身する――もちろん竜だ。


「ひ、ひ~い」


また腰を抜かしているようだ。

まあ無理もない、いきなり全長20mくらいの竜になったのだから。

姿は東洋風の細長い身体で赤銅色に淡く光る鱗に包まれている――赤いシェ○ロンを想像してくれたら大丈夫だ。


『俺もお前と同じように巻き込まれてこの世界に召喚された一人・・・いや一柱だが向こうでは神(見習い)をやっていた』


俺が神ということを言ったせいか、少し落ち着きを取り戻し怒鳴りかけてきた。


「か、神様ってんなら早く戻しやがれ! それくらい簡単にできるんだろ!」


安い挑発である・・・というか俺以外の神だと信仰、尊敬ポイントが足りないと力を使えないとか聞いたことあるから、こんな言い方したら即アウトである。

まあ俺はちっぽけな人間の戯言など気にしない。


『それを決めるのはお前次第だ。俺の権能は1つ「竜神の試練」だけだ。これをお前に下し、それを乗り越えた時、元の世界に戻すことは出来るだろう』

「な、俺がここに来ることになったのもお前たちのミスとかなんだろ! 早く俺に詫びて元に戻せよ!!」

『何度も言わせるな、俺も巻き込まれただけだと。そして俺の権能はこれだけだ、それ以外で元の世界に戻せる方法など知らん。他の神なら出来るかも知れんがここは異世界だから予想できない』


その後もグダグダ喚いていたが正直聞いていない。

20分くらいして少し落ち着いたのか、竜神の試練について聞いてきた。


『「竜神の試練」とは望みに合う強さを示すことだ。もしお前が元の世界に帰るだけの奇跡を与えるに相応しい強さを証明できれば、俺は俺の権能を使ってお前を元の世界に戻すことができるだろう』

「そ、それしかないんだよな? じゃあその「竜神の試練」とかをやってくれ」

『確認するが本当にいいのだな?』

「早くしろ!」

『ではお前の名前と望みを俺に言うがいい』

「俺の名前は山田俊郎。望みは元の世界に戻ることだ」

『ふむ、受諾した。では「竜神の試練」を始めよう』


「竜神の試練」は望みの価値と等しいだけの強さを持った俺と戦い、勝利することが出来れば報酬として望みを叶えるというものだ。

俺がこの権能を使うのは初めてだがうまく発動したみたいだ――竜形態から人の形態になり、しかも先ほどより身体が重い気がする。


「それでは俺を倒してみよ! 山田俊郎よ!」


今回は先制権を相手に与える特典もあるようで、こちらからは先に手を出さない。

どうやら山田俊郎も攻撃を待っていることに気付いたようで、殴りかかって来た。

今の俺たちは元の世界の姿のままなので剣なんかは持っていない――ちなみに裸足だ。


「うりゃー」


-べきっ-


山田俊郎の右手が折れたようだ。

弱体化していても俺の頑丈値は高すぎた。


「い、いて~よ~ な、何だよ手加減してくれるんじゃないのか! これ何て無理ゲーなんd、ぐへ~」


-ぐちゃ-


俺はシカっぽい奴(そういえばレッドディアーって名前だった気がする)と同じように殴り、レッドディアーと同じようにスプラッタにした。

「これ何て無理ゲーなんd」が山田俊郎の最後の言葉となった。


数十秒後、レッドディアーと同じように光になって俺と世界が存在の力を吸収し、残りは山田俊郎が着ていた服と硬貨(さっきより多い)、魔石っぽいのになった。


「仮にも神の試練なんだ、不正や手加減など出来るはずがないだろうに」


俺はもういない男にそうつぶやいた。


元の世界に戻るのは非常に困難なようだ。

レベルが上がれば世界とのつながりが強くなるので元に戻るという望みの価値は上がる、つまり俺も強くなる。

可能性があるとしたら、望みをかなえる一人のために複数人で挑戦することだが――自分のことしか考えない者では無理だろうな。


この世界で初めて会った人は――俺の手によって殺されました。



-ヤマトの竜神の試練の記録-


挑戦者1人

挑戦回数1回

生存者0人

成功回数0回

死亡者1人

失敗回数0回


・・・成功率0%、死亡率100%


う~ん。

神様に願いをかなえてもらうには試練を乗り越えるのが普通だと思うんですが、それが竜神だとドラクエとかドラゴンボールっぽい。

もう少し差別化すべきか・・・。


今後は日常パートとか神様TUEEみたいなのが続く感じだと思います・・・プロットなしなのでどうなるかわかりませんが

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