STORY13:ちらつく影
感想・評価 待ってます!
「さあ、行きましょ」
太陽が真上に来た頃、ミーナが荷物を担いでそう言った。
ゴッドとパールの闘いから、そんなに時間は経っていなかったのだがミーナは急いだ様子を見せていた。
リュウとサミーが続いて歩き始めるのを、他の皆は呆れた様子で見つめている。
「おい?オレ、回復終わって無いんだけど?」
その辺に生えていた薬草を頬張りながらゴッドが言った。
勿論、薬草はミーナが見付けて来た物だ。
ガイも、やれやれ、と歩き始め肩を竦めた。
「知ってるわよ。でも、行かなきゃムム達の身体はそのままなのよ?」
でも・・・、と出し惜しみしているゴッドにガイはこう告げた。
「だから、お前は後ろで待ってればいいんだよ」
そして、笑った。
「・・・って、ミーナがさっき呟いてたぞ」
ベシッ!
ミーナはガイの頭を叩いて、また前に歩き始めた。
まるで、”余計なこと言わないでいいの!”と言わんばかりに。
大して痛くないが、頭を擦って後を追いかける。
結局、リュウを先頭にミーナ、サミーとガイ・・・と続いて皆前に進んで行った。
林を抜けて行くと、腕を前で組んで待っているルビーの姿が最初に目に写った。
額には青筋が浮かんでいる。
「遅い!遅すぎだアンタ達!!」
ルビーはそう言って呪文を唱えた。
右耳の赤い宝石に触れ、光を放ち1本の太刀を手に取った。
それは、赤く『太刀』と呼ぶには細すぎるもの。
だが、長く、ルビーの身長を遥かに超えていたのだ。
「まあいいさ。さあ!相手をして貰おうか!!」
その台詞と共に、ルビーの瞳が表情が変わった。
リュウが構えるが、その後ろから別の声が聞こえた。
何時の間に現れたのか、ミレイから身体を入れ替えたヒューゴが姿を見せていた。
「某が相手をしよう」
そう言って腰の劔に手を掛ける。
朱色の瞳が、ルビーを捕らえた。
面白い、とルビーは笑い足下を蹴る。
鞘から抜いたばかりの劔で、ルビーの前進を止めた。 ルビーがいた場所、そこから随分離れていたはずのヒューゴの懐に、赤い太刀がキラリと怪しく輝いた。
シューグ:本名 シューグ・ナ・ベロール 男 氷の紋章 20歳 ミレイ:本名 ミレイ・ロナ 女 水の紋章 17歳