97 1979年 1月 光陰の魔女・命の価値、魂の重さ③
1979年 1月
メリーランド州・ペンシルベニア州 州境付近
トリコロールに塗装され、左肩に001とペイントされた機体が藪をかき分けて開けた場所に出ると、そこは雄大な流れを誇るサスケハナ川のほとりだった。
頭部に備えられた二つのカメラアイがその流れを捉えると、魔導装甲歩兵はなぜかその流れに見とれるかのように、動きを止めた。
魔導装甲歩兵の無機質な二つの瞳は冬の太陽に照らされて光を反射し輝く川面を捉え続け、その鋼鉄の手は何かを探すかのように空をさまようような動作をする。
サスケハナ川のほとりに立ち尽くしてから数分たったころ、南の空から低い、ジェットエンジンのような唸り声が聞こえ始める。
魔導装甲歩兵がそのカメラアイで空を見上げると、そこには長スパンの直線翼と胴体の左右に大きなジェットエンジンを持つ武骨な航空機が、恐ろしく低い高度と速度を保ちながらこちらに迫ってくるところだった。
その航空機は、サスケハナ川のほとりに佇んだ魔導装甲歩兵を射撃するにあたり、周囲に被害を及ぼさないよう、大きく旋回してサスケハナ川側から接近する。
(なにあれ飛行機だ怖いカッコいい何をするの回ってるこっちに来る近くで見たい避けなきゃ逃げなきゃ怖い怖い怖い)
魔導装甲歩兵のカメラアイは北東から急接近する航空機を捉え、その無人のコクピットにいくつもの思考が現れては消えていく。
機体は「恐怖」という感情に引きずられたのか、その場から近くの藪に向かって大きく跳躍する。
跳躍するとほぼ同時に、接近していた航空機の先端から小さな火の玉と大きな煙が上がる。一拍遅れて、それまで機体が立っていた場所にいくつもの大きな穴が開き、さらに遅れて連続して低く唸るような音になった砲声が轟く。
(撃たれたなんで怖いひどい許せない逃げなきゃ逃げなきゃ怖いひどいひどい)
いくつもの思考に押されて魔導装甲歩兵は藪を突っ切り、A10が飛んできた方向と逆のほうへ向かって全速力で走り出す。
家をなぎ倒し、トラックやバスを横転させ、道路を陥没させながら南西の方角に向かって。
◇ ◇ ◇
ジェーン・ドゥ
アバディーン性能試験場に向かう多用途ヘリの中で4点式のシートベルトを着け、魔法の箒や飛翔魔法ではない空の旅に感動していると、コクピットの操縦士がローターの音に負けないくらいの大声で話しかけてきた。
「お嬢ちゃん!デイビッドとどんな関係なんだい?もしかして恋人かい?」
どうやら、操縦士は私のことを知らないようだ。
デイビッドという職員も20代前半くらいの年齢だし、ヘルメットを被り、空軍のジャケットを羽織った私の年齢を少し上に見れば、そういう解釈もありなのか。
「そんなわけあるか!彼女に失礼だぞ!前向いて操縦しろ!」
デイビッドが慌てて否定する。そんなに強く言わなくたっていいじゃないか。
う~ん、なぜか私の意志と関係なくフラれてしまった。
ちょっと傷ついたぞ。
「もうすぐアバディーン性能試験場です。降機の準備をしてください!」
副操縦士が叫ぶ。
多用途ヘリはアバディーン性能試験場内チャーチビル試験区域の開けた場所に着陸し、私たち二人を降ろすと、再び離陸し、南の空へ戻っていった。
「さて、デイビッド。そろそろ暴走した魔導装甲歩兵も破壊されてるころだし、そっちは任せておいて先にパイロットに話を聞きたいわ。軍用車両試験施設の医務室だっけ?案内してくれるかしら。」
「もちろんさ。2号機のパイロットはまだ息があるようだが、意識不明になってから30分ほど経過している。話を聞くといっても難しいかと思うが・・・。」
一般人が立ち入れないエリアに立ち入ると、つい最近建築されたばかりのような真新しい建物の横に先進的なデザインの戦車や装甲車が並んでいる。
その中には、先日鹵獲した人型兵器の運搬車両も駐車しており、トリコロールに塗られ左肩に002とペイントされた機体が、背面ハッチを開けたまま俯せにされて固定されていた。
それらを横目で見ながら建物に入ると「MP」と腕章をつけ、白いヘルメットをかぶった憲兵が駆け寄ってくる。
「身分証明書の提示をお願いします。用件は何ですか。」
デイビッドが職員証と長官の署名が入った書類を提示すると、憲兵は直立不動のまま敬礼し、ちらりと私の顔を見て、得心がいったかのような顔をしたあとにやりと笑った。
「ジェーン、君の顔はそれなりに有名なはずなんだが、マリス局長はなぜ知らなかったのか・・・。研究ばかりで人の顔を覚えようともしない人だったからな。」
「ジェイソンの話では、私が美代の身体を使ってるころから嫌われていたらしいわよ。私は興味もなかったけど。さて、ここかしら?」
医務室のようなイメージがある部屋に入ると、大きめのベッドが二床あり、そこには日系とアフリカ系の兵士が寝かされている。
医務室内に備えられた4人掛けのテーブルに案内され、デイビッドが再び書類を提示すると、そこにいた二人の男は事件の経緯などの説明を始めた。
どうやら白衣を着た職員はドクターのようだ。軍服を着た初老の男は、武器科長のジェンナーと名乗った。おそらくはこの性能試験場の責任者だろう。
残念ながら、アフリカ系の兵士はすでに死亡してからかなりの時間が経過してしまっているようだ。
それに対し、日系の兵士はまだ生きているようだが、恐ろしく顔色が悪い。まるで野辺の草のようだ。
デイビッドが武器科長に状況の説明を受けている横で、二人の兵士に対し解析術式を用いてその状態を確認する。
「残念だけど、こっちの兵士は手遅れね。人格情報と記憶情報が完全に揮発してるわ。蘇生しても無駄ね。でも、こっちの日系人は何とかなりそうね。」
「ジェーン。ドクターの話だと、死因も意識不明の状態も全く不明だそうだ。キースは仕方ないとしても、せめてリュウヘイの事だけでも何かわかるか?」
デイビッドが日系人の眠るベッドの反対側に立ち、その顔を覗き込む。
アフリカ系のパイロットはキース、日系のパイロットはリュウヘイというのか。
ん、解析術式の結果が出たな。どれどれ?
「ええと、死因と意識不明の原因は同じようね。二人とも急激に魔力を吸い上げられて衰弱してるわ。リュウヘイについては、潜在魔力量が若干多めだったから何とかなったけど、キースについては人種的に潜在魔力量が少ないのが災いしたみたいね。」
差別的発言と捉えられるかもしれないが、黒人系の人種はその優れた身体能力と反比例するかのように潜在魔力量が少ないのが特徴だ。
肉体的には他人種を大きく上回るほどのポテンシャルを秘めているが、魔力量は他人種の一割にも満たないことがほとんどで、これには例外がない。
かつて、この話を聞いた魔法使いの一人は、フェッザーンにあった魔術王国の呪いの可能性に言及していたっけな。
「ジェーン。キースは人種的に潜在魔力量が少ないと言ったな。初めて聞いたが、魔法使いや魔術師の中では常識なのか?」
「いいえ?彼らは基本的に閉鎖的だからね。自分の潜在魔力量がどれほどあるかなんて敵に知られたら死活問題よ。直接肌に触れられでもしない限り他人に知られることもないし、普通は秘匿するものだからね。知ってるのは私くらいかしらね。」
「じゃあ、なんで君だけそれを知っているんだ?」
「・・・あなたたちが思ってるほど私は若くないのよ。何人の男と寝て何人の子供を産み、何人の娘の身体を使ってきたと思ってるの?私がその肌に触れたことがない人種なんてこの地上に存在しないわ。」
実際、どの人種相手でも褥を共にしたことがある。それも一桁や二桁ではない。
また長い間に判明したことだが、私が子を生すことができるのは、必ず潜在魔力が一定以上ある男が相手でなくてはならないらしい。
そのためか、すべての人種を夫にしたことがあるにも関わらず、私や私が憑依した娘の子孫の人種は大きく制限されるようになってしまっているのだ。
「さて、リュウヘイ君。残魔力量が3割を切ってるわね。意識不明の原因は、生まれて初めて大量に魔力を消耗したショックかしらね。放っておいても目が覚めると思うけど、早く話も聞きたいし、魔力を補充してあげようかしら。」
リュウヘイの人工呼吸器を外し、顔を近付けると、かすかな寝息が聞こえる。
・・・しっかり呼吸してるじゃないか。なんで人工呼吸器なんてつけたんだ?
ドクター、相当慌ててたのか?
「ジェーン?何をしてるんだ?・・・うわあ、魔力の補充ってそれかよ。うらやましいな、おい・・・。」
前髪をかき上げながら、リュウヘイの唇に私の唇を重ねて、魔力の受け渡しを行う。
しっかり口を開けてくれないから、舌を使って歯をこじ開ける。
後ろではデイビッドが騒いでいる。うるさい奴だ。まあ、集中が必要な作業ではないけどさ。
「ん、んん?ぶはぁっ!なんだ!?」
魔力が十分充填されたのか、リュウヘイが目を覚まし、同時に驚きの声を上げる。
「あんただれだ!ここは医務室?・・・キースは!キースはどうなった!」
リュウヘイはベッドから飛び起き同僚のテストパイロットの姿を探すが、隣のベッドに横たわるキースの姿を見るなり、慌てふためいて駆け寄った。
「おい、キース!・・・おい、返事しろよ・・・。このテストが終わったら、久しぶりにアトランタの実家に帰って少し長めの休暇をとるんだって言ってたじゃないか。ミシガン州なんて広島より田舎だと言ったら、雄大な五大湖を見せてやるって自慢気に言ったじゃないか。」
リュウヘイはベッド横に崩れ落ち、嗚咽を漏らしている。
「なあ、ジェーン。何とかならないか?」
「無理よ。私は神じゃない。本人の魂がここにない以上、何もできないわ。」
・・・私が使う回復治癒呪は、生命活動を促進したり自然治癒能力の後押しをしたりする、一般の魔法使いが使う回復治癒魔法や魔術師による回復治癒術式とは根本的に異なる。
どれほど身体が壊れていようが、極端な話だが身体の霊的基質と魂の情報、すなわち人格情報と記憶情報が完全な形で残っていればいい。
蛹化術式などと併用する必要はあるが、炭素、水素、窒素、リン、酸素、硫黄の原子からアミノ酸を作りタンパク質を組み立てられる。
それらを用いて、魔女のライブラリにある情報をもとに、臓器だろうが骨格だろうが筋肉だろうが皮膚だろうが、脳だって構築できる。
全身ことごとく吹き飛んでなくなっていても、魂の情報さえあれば、4種の核酸塩基をもとに32億対の配列を起こし、他者の細胞に転写するでも受精卵細胞を構築するでもして、3日もあれば人体を再構築できる。
ただ、この方法は自分に対してだけはできないようだ。おそらく、魂が大きすぎて普通の霊的基質では受け皿にならないからだろう。
霊的基質と魂の情報さえあれば、だ。
揮発した魂の情報を取り戻す方法は、実は存在する。
停滞空間魔法や加速空間魔法を使う際にアクセスしている世界の上位次元を制御して、対象の時間を逆行させればいい、はずだ。理論上は。
・・・逆行。言葉にすればたったこれだけだ。
だが、それを実現するのにどれだけの魔力が必要だろうか。
常人をはるかに上回る私の魔力といえども、この全存在をもってしても逆行させられるのは1回が限度だろう。
それに、おそらくだが、それをしたら私にはもう「次」はないだろう。
こんなところでたった1枚の切り札を切ることはできない。
しばらく無言でいたためか、黙祷しているとでも思われたのだろうか。
リュウヘイが泣きはらした顔を上げ、こちらに向き直る。
「すまない、みっともないところを見せた。・・・さっきのキスは人工呼吸か?本当に世話になった。ありがとう。」
・・・そんな顔を向けるな。礼なんて言うな。
私が何もしなくても、お前は助かっていたんだ。
私は我が身可愛さにキースを見捨てたんだ。
そんな言葉が口から出そうになるが、ぐっとこらえて表情を変えず、彼に言葉をかける。
「さっきのキスはただのおまじないよ。それより、例の魔導装甲歩兵だっけ?何か気付いたことがあったら教えてほしいんだけど。」
リュウヘイはしばらく目を伏せていたが、武器科長に許可を得た後、ゆっくりと話し始める。
「そもそも二足歩行をする乗り物の操縦なんて初めてだったからな、そこは省くとして・・・。そうだな。妙に疲れるんだよな。」
「疲れる?それは肉体的に?」
「車両や航空機にくらべりゃあ、操縦のために体を動かす量は多いんだが、俺たちも一応は軍人だ。装備を背負ったまま一昼夜駆けずり回るくらいはよくやっているし、たかが20時間くらいなら、手足を動かすだけでこんなに疲れたはずはないんだ。」
「ふ~ん。疲労は魔力欠乏症の典型的な症状ね。頭痛はなかった?あと、眩暈とか視界がゆがんだりとかは?」
「ああ、あったな。最後の2時間ぐらいだったかな。だんだんひどくなってきたんだが、最初は我慢できる程度だったんだ。ちょうどその時キースのやつが無線で『異常はないか』と聞かれたんだが、ヤツは『機体には一切異常はない』って答えたんだ。それでもしかしたらヤツも同じ症状なのかと思って聞き返したんだが、その直後いきなりキースの機体が派手に転倒したんだ。」
「キースも同じ症状だった可能性が高いわね。それで慌ててキルスイッチを押してキースを機体から引きずり出したというわけね。」
「ああ。2号機を駐機状態にするために起動カードを引き抜いたら、一旦症状は治まったように感じたんだが、1号機からキースを引きずり下ろしたあと一気に症状がひどくなってな。意識が飛んじまってさ。そのあとは覚えてない。」
「起動カードを引き抜いたら一瞬治まった?キースを引きずり下ろしたあと一気に症状がひどくなった・・・。じゃあ、もしかしてキースの機体は起動カードが入ったままってこと?」
「そうだな。俺は1号機からキースを引きずり下ろすので精いっぱいだったし、キースは起動カードを抜いてる暇なんてなかっただろうし。それがどうしたんだ?」
「いえ、他には何かなかったかしら?どんなにくだらないことでも、ちょっとしたことでもなんでもいいわ。」
「う~ん。そもそもが珍しい乗り物だからな・・・。あ、そうだ。気のせいだと思うが、操縦中は尻の下あたりからずっとエンジン音が聞こえるんだが、それがまるで歌みたいなんだよ。『手のひらを太陽に』、だっけ?ずっと聞こえてるんだ。10年ちょっとくらい前の結構新しい歌だし、ソ連製の機体から日本の歌が聞こえるのはおかしいだろ?まあ、気のせいだと思うんだが・・・。」
・・・動力炉から歌が聞こえた?それも、日本語の歌が?それに、起動カード。
何か大事なことを忘れているような気がする。
「ちょっと起動カードを見せてもらえるかしら?」
「どうぞ。それも鹵獲されたものをそのまま使ってるらしいけど、ただのカードだろ?」
リュウヘイから受け取った起動カードを手に取り、解析術式を用いて術式を丸裸にしていく。
やはり、ソ連の魔術師は詠唱や術式にかける暗号化の技術が甘い。
このレベルでは、私でなくても熟練した魔術師ならば簡単に突破できてしまうだろう。
・・・あった。魔導装甲歩兵の暴走理由が。こんなところに仕込んでいやがった。
そうか、パイロットが48時間しか持たないならば、戦場でパイロットが死亡し、制御を失った機体が鹵獲されてしまう危険性がある。
そこで、起動カードにパイロットの魂の情報をその魔力ごとコピーさせ、パイロット自身の「家に帰りたい」という本能を利用して帰投させるという術式を組んだのか。
だが、そもそも人工魔力結晶が十分な出力をしているのに、なぜパイロットの魔力まで吸い上げるんだ?
魔力ごとコピーする機構がなければパイロットは死なないで済むはずじゃないか。順番が逆じゃないか?
そうか、これはゴーレムの制御システム側の根本的な問題か。
ゴーレムは、その技術系統として作成術式と制御術式の二つがある。
作成自体はそれほど難しくない。手順に沿って術式を組めば魔力のない人間だって簡単にできる。
魔力結晶をはじめとする魔力貯蔵装置を使ったり、他のエネルギーを魔力に変換する装置を使えばいい。
だが制御となると話は別だ。制御術式を使うなら必ず制御者の魔力で制御する必要がある。
もちろん、潜在魔力量が少ない人間がゴーレム制御術式を使わないで口頭で命令して制御することも可能だ。
だが、それでは十分な運動性能を引き出すことができない。
いちいち戦場で口頭で命令なんてしていられるか。それを可能とするならどれだけの早口が必要なんだ?
そこで、潜在魔力量が少ない人間からでも無理やり魔力を吸い出す機構を作ったというわけか。
潜在魔力量が少なくて魔力を出力できない人間でも、負圧で魔力を吸い出してもらえるんなら、術式に必要な魔力の出力もできるだろう。
なるほどなるほど、本当によくできている兵器だ。人間を、それも燃料と制御装置の両方に消耗品として使っている以外はな。
だが、行先が北西なのはなぜだ?子供の歌が聞こえたのはなぜだ?
「ジェーン、何かわかったのか。」
「ええ、暴走の理由の半分は。あと半分は暴走中の機体を見ないとわからないわね。もうそろそろ撃破されたころじゃない?破片だけでも見たいわ。」
「そうだな。アンドルーズ空軍基地から飛び立った対地攻撃機も帰投しているころだろう。ちょっと確認をとるからここにいてくれ。」
デイビッドが武器科長のジェンナーを伴い、医務室から足早にどこかへ走っていく。
その後ろ姿を見送りながら、一つの可能性を考えていた。
私が教会の信徒を魔力結晶化した時のように、意図すれば魔力結晶には人間の人格情報と記憶情報を保存することができる。
それも意識がある状態でだ。
起動カードは魂の情報をコピーする設計になっている。つまり、ソ連は人工魔力結晶にパイロットの魂の情報をコピーするノウハウがあるということだ。
セイラムで奪取した魔力結晶には魂の情報は含まれていなかったが、そもそもソ連の人工魔力結晶の製法がセイラムの連中と違ったら?
意図しなくても魂の情報を保持したままとなる術式で魔力結晶化されていたら?
背筋に一筋の冷たいものが落ちる。その可能性を見落としていた、自分の迂闊さを呪う。
人工魔力結晶には、犠牲となった夥しい子供たちの魂の情報が残っている可能性を。