173 古今未曾有の大風呂敷/月の住人(嘘)
この時代において帝に背くことは即ち朝敵となることでした。
世界は狭く、日本で暮らしている人からすれば神にも等しい存在だったのでしょう。
それだけに、かぐや(魔女)と饕良(魔族)の考えることは極めて異質です。
ですので、まさか帝は自分が騙される可能性など万に一つも考えていなかったのでしょうね。
かぐや
飛翔魔法でさらに北に3里ほど飛んだころ、すっかりと日が落ちてしまい、眼下には夜の闇に覆われた山々が黒く広がっていた。
「お願い!四郎殿!どうか無事で!」
四郎殿のことを考えると、胸が高鳴り冷静な判断ができなくなっている。
全ての考えがぐるぐると同じところを巡っている。
ああ、これは完全に恋だ。
あの人がいなくなることを考えるだけで胃の腑が焼けるように痛くなる。
その都度回復治癒呪を使うが、全く効果がない。
当たり前だ。恋の病を治す魔法なんて存在しない。
「四郎殿!どこですか!・・・こんな上空からじゃあ聞こえるはずもない。どこか、降りる所は・・・」
月の光にきらりと光るものが見える。
あれは・・・鴨川の源流か。とりあえず降りようか。
暗闇の中、注意深く川岸の平らなところを探して降りる。
あたりは完全に暗闇に包まれていて、鼻をつままれるまで分からないほどだ。
「光よ。照らせ。」
下位の精霊魔法で光の精霊に命じ、周囲を照らし出す。
山の中に敵がいればいい的だが、もしかしたら四郎殿からこの光が見えるかもしれない。
・・・そうだ。四郎殿に渡した刀・・・せめて、鞘だけでもまだ身に着けてくれていたら・・・。
「まずはやってみるだけね。・・・宏闊たる天地に響く金色の銅鑼よ。我は奇跡の桴を以て汝を打ち鳴らし、その谺を以て神秘を探究するものなり。・・・見つけた!」
失せ物探しの魔法を使い、1里(4km)四方に魔力で作った波を響かせる。
するとここから北方向、川の対岸の向こう、2町(220m)ほどの距離の山中から谺のようにその波が返ってきた。
しかも、ゆっくりとこちらに向かって移動している!
「もしや!四郎殿!そこにいらっしゃるのは四郎殿か!」
「ぬ!?まさか!この声はかぐや殿!?その明かりはかぐや殿か!」
ああ、間違いない。この声、そしてこの暖かい魔力の波動は間違いなく四郎殿だ!
思わず川に分け入り腰までずぶぬれになりながら渡り切り、川岸の崖をよじ登る。
水上歩行の術式や浮遊呪を使っている暇もない。
「なんと!?・・・泥だらけではないか!・・・すまぬな。吾が貴方を守らなければならぬのにむしろ守ってもろうて。」
崖の上にいた四郎殿の胸に思わず飛び込んでしまう。
四郎殿は左手で鞘を佩き直しながら右手で頭をかく。
そのしぐさがなんとも愛らしく、思わず笑みがこぼれてしまった。
「ふふっ。四郎殿が無事でよかった。それに私は守ってなどいません。四郎殿は自ら戻ってきてくれたのですから。はい、忘れ物ですよ。」
そっと抜身の刀の柄を差し出す。
四郎殿は両手でその柄をとり、左腰の鞘にゆっくりとおさめた。
「かぐや殿。そんな濡れたままでは体を冷やしてしまう。せめて風の当たらないところに・・・いや、これを羽織ってくれ。」
四郎殿は自分が来ていた衣を脱ぎ、私の背にそっとかける。
照明魔法に照らされた四郎殿の鍛え抜かれた身体がたまらなく愛おしいが、これでは四郎殿の体が冷えてしまう。
思わず四郎殿の体に触れると、彼の腹からクク~というかわいらしい音が聞こえた。
照明魔法の柔らかな光の中で四郎殿は少し顔を赤らめている。
「私はさしもありません。それより、私の屋敷に帰りましょう。すぐに暖かい湯を湯船に張りましょう。羹(スープ)を用意します。ああ、四郎殿が好まれたシードルも出しましょうか。」
「ああ。だがこう暗くてはな。今夜はここで・・・かぐや殿?」
「ふふっ。私につかまっていてくださいね。勇壮たる風よ。汝が翼を今ひと時我に貸し与え給え!」
ふわりと軽い浮遊感が二人を包んだ瞬間、四郎殿は慌てて私の身体に抱き着いた。
「わ、吾は高い所は苦手・・・う、わあぁぁぁぁぁ!」
ふふふっ。四郎殿にも苦手なことがあったとは。
でもまあ、将来的に二人で空を飛んで世界をめぐってみたいから、そのうち慣れていただきましょうか。
◇ ◇ ◇
距離にするとわずか4里(16km)の距離を長距離跳躍魔法で跳び、わずか十も数えぬ間に星空の逢瀬は終わってしまった。
長距離跳躍魔法が私の屋敷に近づくにつれて急減速した瞬間、屋敷を取り囲む松明の群れに四郎殿が驚く。
庭に着地した私たちを、六郎をはじめとした家人たちが心配して駆け寄ってきた。
見れば、六郎だけではなく何人もの男たちが血を流している。
「なんと!?まさかあの女が襲ってきたのか!?」
「・・・あの聖釘という杭・・・もっとしっかり調べておきたかったのですが、その暇はないようですね。」
「かぐや様!ご無事でいらっしゃったのですか!それに兄者も・・・お二人とも無事でよかった。」
「六郎。何があったのですか?それに、ジジ様とババ様はどこですか?」
「かぐや。わしらはここじゃ。六郎が守ってくれた。だが・・・すまぬ。あの杭を奪われてしまった。」
杖を突いたババ様がジジ様に支えられて人垣を分けながら出てきた。
杖を突きながらも足はふらつき、いまにも倒れそうだ。
「ババ様!今すぐ治します!」
手足が震えているババ様を抱きあげ、素早く回復治癒呪をかける。
高齢を押して無理やり身体を動かしたのか、心肺機能がガタガタだ。それに、全身の筋線維もかなり傷んでいる。
・・・くそっ!回復治癒呪の効きが悪い!
とりあえず何とか治せはしたが、今後のことを考えると早急に何か手を打たなければならない。
ジジ様だってこのままではそれほど長くないかもしれない。
この二人には孫を・・・四郎殿との子を見せたい。
たとえ、血がつながっていなくても、ジジ様とババ様の思いを継いだ子供が残ることを見せたい。
ならば、もはやあの禁薬(エリクサー)を作るしかないのか・・・。
思い悩んでいると、東の門を何者かが激しくたたく音が聞こえた。
門から正々堂々とやってくるということは、あの女魔族とは関係ないのか?
「門を開けよ!御前の御影見させ給うぞ!」
なんだと?今さら帝が何の用だ?
まさか、この前ので懲りずにまた来たのか!?
「・・・門を開けてください。四郎殿、申し訳ありませんが北対の宝物殿の中へ。六郎。案内を頼みます。」
「はっ。兄者、こちらへ。」
こちらを心配そうに見つめる四郎殿を六郎がせかすように連れていく。
さて・・・どう対応しようか。
下手に帝を怒らせてジジ様やババ様や家人たちを害されるようなことになれば、この国を相手に全面戦争でもするか?
「かぐやや。儂らのことは気にせんでよい。もう十分生きた。あの竹の荒屋にいつ戻っても構わない。それに、きっとおまえ様は四郎殿との間に必ず可愛いややこを授かることじゃろうて。だから、どうか思うままにしなさい。」
ジジ様は決意が滲む顔ではっきりと言った。
ババ様も頷いている。
ああ、この二人は本当に私の親なんだ。
「ジジ様・・・いえ、お父様、お母様。必ず切り抜けてごらんに入れます。かぐやにお任せください。」
よし、肚は決まった。
まだ良い考えはない。
だが、帝よ。見事あきらめさせて見せようぞ。
◇ ◇ ◇
門を開け、帝とその配下を屋敷に招き入れる。
まるで戦にでも行くのではないかという出で立ちだ。
「帝よ。すでに私はお仕えすることはできないと申し上げたはずです。」
「朕は女心は移ろいやすいと聞いたものでな。朕に仕えれば讃岐殿にも官位をくれてやろう。だが仕えぬならば・・・。」
「そんなことを言って脅すおつもりですか!?」
「・・・武者、陰陽師、そして修験者のおよそ千人が屋敷を囲んでおる。そちがどれほどの力を持っていようとも逃げることはできぬよ。」
は。私をなめるなよ?
たかが千人程度、一息、いや瞬きの間に殺してくれよう。
むしろ影も残さずこの世から消してやろうか?
いや、父母の今後を考えると、それは最後の手段だ。
「・・・帝よ。私は逃げも隠れも致しません。なぜこのような事を?」
「朕はそちが他の男の物になるのが許せんのじゃ。どうしても手に入れたい。そちは心に決めた男でもいるのか?ならば朕は!」
・・・「ならば」なんとする。
ああ、もうこれは正攻法では如何とも出来ないな。
下手に四郎殿のことを知られれば暗殺すらあり得るということか。
いっそ、帝を・・・。
だが、四郎殿を朝敵にすることはできない。
一体どうしたら良いんだよ。
う~ん、考えがまとまらん。
ならば・・・。
「帝よ。畏れながら、私がなぜお仕えすることができないのか、申し上げましょう。・・・私はこの国の者ではないのです。彼の地の都に住まう者なのです。まもなく・・・そう、次の満月の夜、月が最も高くなる時に迎えが来ます。」
そう言って中天に輝く月を指差す。
・・・うん。我ながら何を言ってるのか分からん。かなり混乱しているのだけは分かる。
常識的に考えてあんなところに住んでいる人間などいるはずがない。
というより、第1、第7、第8の|元素精霊に乏しく、重力も6分の1しかない死の世界だ。
私としたことが大失敗したよ。
だまされる奴なんていないだろうな。
「な、なんと!かぐや殿は月の住人だというのか!それも次の満月の夜に迎えが来るだと!?」
・・・いたよ。こんな与太話に騙される馬鹿が。
「え、ええ。月から迎えに来る使者の軍勢はとても強く、弓で射たとしても届かず、刀や槍は彼らに触れることすらできないでしょう。」
「ぐ、ならば・・・朕はそちを閉じ込めてでも月の使者とやらには渡さぬ。かぐや殿。朕は何としてもそちを娶ってみせようぞ。」
「たとえ私を蔵に閉じ込めて戸を閉めても、あの国の人が来たらすべて開いてしまうでしょう。そして、あの国の軍勢を目にしたならば、勇猛な心を奮って戦おうと思う者など一人もいないでしょう。」
そう言いながら衣の袖で顔を隠し、よよよ、と泣いて見せる。
ちょっとだけ面白くなってきた。
「・・・かぐや殿。まさか、そちは・・・。」
いかん。バレたか?
帝は・・・とても心配そうな顔をしてこちらをのぞき込んでいる。
言ってる内容がどう考えても脳の病気の女のそれだからな。
・・・帝の顔を見る限り、頭のおかしな女を心配しているのではなく、本気で私が月に帰ってしまうことを心配しているようだ。
帝もたいがいだな。
ならばもう一押し。
「私はほんの一時ということでこの地に降り立ちました。ですが気付けばもう何年もここで暮らしました。ああ、帰りとうはない。それでも私の心の思う通りにはならないのです。」
うん。悪質な詐欺か宗教勧誘をやっているような気がしてきたよ。
・・・ウウン。楽しんでなんかナイヨ。
帝のあまりの必死な顔が面白くて噴き出しそうになるのを何とかこらえ、本格的に目尻に涙が溜まり始めたころ、帝は決心したかのように口を開いた。
「よし、朕に任せよ。必ずそちを守ってみせよう。今、この屋敷の周りにいる兵だけでなく、さらに千人の兵を動かそう。・・・次の満月は7日後だったな。それまでの間、かぐや殿は讃岐の翁と媼との別れを心行くまでなさるがよい。」
・・・よし!騙し切った!
しかし、月の使者とやらを追い返したら、ちゃっかり私のことを娶るつもりでいるよ。
まあ、そういう話にもっていったのは私だから仕方がないけどね。
ひとしきり帝は格好をつける言葉を述べた後、嫁入り前の最後の7日間を親子水入らずで過ごすようにとだけ言っておとなしく帰っていった。
その代わりといっては何だが、屋敷の周囲は二千人を超える軍勢が警備を始めたおかげで自由に外に出ることもできなくなってしまったよ。
「かぐや様。まことに月の都とやらに帰ってしまわれるのか?その月の使者とやらは拙者が追い払ってくれようぞ!」
六郎がいつの間にか宝物殿からカヴァーチャ(神の鎧)を着込み、トリシューラ(戦神の槍)とピナーカ(選定者の弓)を携えて転がり出てきた。
・・・おい、何と戦うつもりなんだ。
四郎殿までカヴァーチャ(神の鎧)を着込んでるよ。
もしかして気に入ったのか?
「六郎。あれは方便です。月の迎えなど来ませんよ。・・・似たようなものはこれから作りますけどね。」
「作る?月の使者を、ですか?」
気付けばお父様、お母様、そして四郎殿までもが集まっている。
「かぐやや、まさか、帝をたばかったのかえ?」
・・・お母様、そんなに青い顔をしなくても・・・。
あんな話に騙されるような帝にこの私がどうにかされるわけないでしょうに。
「ええ。ですがご心配には及びません。いっそ派手にいきましょう。それこそ、後世まで語り継がれるくらいにね。」
さあ。それっぽく見える召喚獣やゴーレム、それから神格などを選別しなければ。
あ、この国の神格とも契約だけしておこうか。
おっと。覗き見をする奴がいないとも限らない。
この国の陰陽師が使っている魔法や術式にもまだ精通しているわけでもないからな。
光と音、それから魔力を欺瞞する結界でも貼っておこうかね。
楽しくなってきたぞ。
ん?何か忘れてるような気が・・・?
◇ ◇ ◇
饕良(トゥーラ・ステラ)
利用価値のなくなり始めた中納言にかけた魅了魔法は、解除することもなくそのままにしてあるが、いまさら奴が私に何ができるものでもない。
殺すまでもないし、せいぜい予備として取っておく程度でいいだろう。
聖釘を回収した後、北の山小屋に戻ってみたら四郎という男はすでに逃げた後だった。
・・・念入りに両手両足を砕いておいたというのに、大したものだ。
おそらくは魔女が何らかの回復治癒魔術を四郎に持たせておいたに違いあるまい。
だが・・・たとえ塞いだとはいえ、腹に風穴を開けられ、両の手足を砕かれてなお生きる意志を失わない男など、そうそういたものではない。
あの男は魔女にはもったいない。
何としても私のものにしてやる。
懐から「ささめ貝」・・・一つの巻貝の殻を取り出し、耳に当てる。
これはこの国に来てから開発した道具で、対象となる召喚獣や蟲が聞いたささめごとをこの貝の中を通して聴くことができるという優れものだ。
「・・・月に帰る?月の迎えが来るだと?・・・この女、本気か?そんな与太話に騙される男など・・・。おいおい?帝のやつ・・・信じたよ。この国、本当に大丈夫か?」
そこまで聞こえたのち、バツンという音とともに一切の音が聞こえなくなった。
おそらく、魔女が結界を展開したのであろう。
残念ながら、魔女の結界を突破する技術も魔力もこの世には存在しない。
しかし・・・四郎の腹の中に紛れ込ませた蟲には気付かれなかったようだ。
あの蟲が孵化するのはあと7日。
「くくくっ。魔女め。何をするつもりか知らぬが、敵は帝だけではないことを思い知らせてやろうぞ。」
◇ ◇ ◇
四郎(安倍左衛門三郎四郎頼中)
昨夜からかぐや殿の屋敷の周囲を取り囲む二千人に及ぶ兵、陰陽師、修験者たちは、当初から帝の銘を正しく理解していなかったのか、いつの間にか帝の想い人を守るために配されたことになった。
はじめは弓や槍を屋敷に向けていたことなど忘れたかのように、屋敷の外に向かって目を光らせている。
同時に、屋敷の中にいる女性が帝の想い人とあっては、兵たちは屋敷の中に入ろうとすることはおろか、中を覗こうともしない。
「う~ん、かぐや殿は月からと言ったのだから屋敷の外を守ってもどうにもならぬのではないか?それにしても・・・どうも腹が減る。かぐや殿の屋敷の飯は旨いし、むしろうれしいことではあるのだが・・・。」
身体がなまらぬよう、庭先で木剣を振るっていると、汗が流れ出るころには決まってクゥ~という情けない音が腹からなってしまう。
「四郎殿。そろそろ小腹もすいてきたでしょう。甘いものを用意しました。ご一緒しませんか?」
汗を手ぬぐいで拭きながら廂の間(縁側)に腰掛け、木剣を置き、かぐや殿から頂戴した刀を腰に差す。
かぐや殿は氷を削って作ったような器に、白い何かを盛り、その上に小さな葉と赤い実をのせたものを吾に差し出した。
「かぐや殿?これは・・・雪か?いや・・・少し黄みがかっている。それと、この赤いものは木の実か?」
「クイントゥス・マキシマス・グルゲオ・・・ええと、今からおよそ千年前、はるか西の国にいた男が考案した、牛の乳を使った氷の菓子です。赤い実は・・・西の国ではこんな実がなる桜があるんです。」
さすがはかぐや殿。
このようなものは日本では口にしたものなどいないであろうに、吾のような者が口にしてもよいのだろうか。
恐る恐る氷の器を受け取るが・・・思っていたより冷たくない?それに・・・手が濡れない。
硬質な感触。
器の向こう側が透けて見えるという、不思議な感覚。
これは・・・まさかガラスか?
いや、色の付いていないガラスなど見たこともない。
同じく氷のようなもので作られた匙で白いものを掬い取り、口に運ぶ。
「ん!?冷たい!甘い!なんという、これは、なんという美味!」
「くすくす。喜んでいただけたようで何よりです。・・・ああ、その器と匙は割れやすいので気を付けてくださいね。それは宮中で出回っているガラスよりも透明度が高いですが、壊れやすさは変わりませんからね。」
口の中で溶けていく氷のような、それでいて柔らかい不思議な感触。
そして、体験したこともないほどの甘味。
「・・・まさか、雪雲を食せるとは思わなんだ。うむ。大変な美味だ。かぐや殿。まさしく貴女は天女であらせられるのだな。」
しばらく無言で目を合わせていると、かぐや殿はそっと吾の手を取る。
「私は四郎殿と同じ、人です。ちょっと長生きで少し力があるだけの。あと六日、全てが終わったら、私と夫婦になってくださいますか?」
「ああ。吾が命をかけて貴女を幸せにしよう。」
今上といえど、かぐや殿は渡さぬ。
たとえ朝敵となろうとも、この人は吾が生涯をかけて守り抜くと誓おう。
四郎がかぐやの求婚に答えるという、この時代にはあり得ない形での婚約が成立しました。
さて、いよいよクライマックスです。
かぐやと四郎は幸せになれるのでしょうか。