ルンツ王国
課題に追われて投稿が空きました。
…嘘です。本当はA0無補正を求めて彷徨っていました。
ケテルとの邂逅の後、俺たちはルンツ王国にたどり着いた。
正直言ってそこまでの大国というわけではない…が、見るからに士気の高い兵士たち、そしてそれなりに整備された道路。
入国審査の段階から、良い国であることがしっかりと伝わってくる。
「さて…到着したはいいけど、何しに行くの?」
「そうだな…近所の情報を集めに、と思っていたんだが…」
「ならギルド一択。私が人間だったころのデータが残ってれば使えるし、なかったらその時は新規で登録する」
なるほど…そういえばテトは元冒険者だったな。
「よし、決まりだ。冒険者ギルドは…よかった、すぐ近くだな」
冒険者ギルド兼酒場の扉を開ければ、ガヤガヤとした男たちの声が一気に静まり、こちらへと視線が向かった。
「何だぁ?こんなところに女二人で来るたぁ珍しいなぁ」
まぁ、テトは超絶美少女といっても過言ではないし、俺も美少女…というか美幼女…だからな。
そんな二人が一緒にいれば、目立つなんてもんじゃない。
…と、思ったのだが。
「しかも片方は獣人族じゃねぇか!ここは獣人に出せる料理なんかねぇよ、出直しな!」
ンだと、コラァ!
うちのテトに対してなんてことを…!
俺が声を上げようとしたその時
「アンタたちまたかい!新入りに注意するのは分かるけど、言い方ってもんがあるだろうがい!」
ギルドマスターらしき人物から怒号が飛んだ。
「ごめんなさいねぇ。ウチのギルドには山賊上がりのヤツが多くってね。彼も単に人間族以外には毒な香辛料とかを使ってるのを注意したかっただけなのよ」
「あぁ…そういう…」
「おう!すまねぇな、昔の癖が抜けてねぇんだ!」
確かに、強面ではあるがみんな笑顔だ。
本当にいい人なんだろう。ただ単純に単語のチョイスが終わってるだけで…
後ろの方にいる連中の方から「俺ら汗臭くねぇよな…?」みたいな声も聞こえるし。
「…すまない、私の冒険者情報は残っているだろうか。8年ほど前に失踪扱いになっていて、当時は黒猫系で登録していたはずなんだが」
「…うーん、申し訳ないが見つからないねぇ。死亡扱いになっちまってるみたいだ」
「そうか。なら再登録をお願いしたい。ご主人も一緒に」
俺がギルドメンバーのおっちゃんたちを観察していると、テトが慣れた様子で登録を進めていた。
慌てて俺がテトのところに向かうと、女将さんから1枚の紙を手渡された。
「一回登録したなら知ってるかもしれんが…規則なんで説明するよ。そいつは契約の魔道具。そいつに魔力を流せば晴れてお前たちはFクラス…銅級の冒険者さ」
そう説明され、俺たちはその紙に魔力を流す。
するとその紙は光を放ち、一枚のカードに変化した。
「ようこそ、冒険者ギルド『緋の焔』へ。二人を歓迎するよ」