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ダンジョン経営で暮らす異世界生活  作者: もふもふLv99
目覚め
4/5

ケテル

迷宮と魔力のイメージは某なまいきなゲームをイメージしています。

あと説明のタイミングがなさそうなので補足すると、ステータスは「同レベルの人物と比較してどれくらい優れているか」なので、レベル差が異常にあれば筋力Eでも筋力Aより強いこともあり得ます。

…【鑑定】スキル。

このスキルは通用さえすれば相手の名前・種族・スキル・その他諸々…

様々な情報を獲得することができる、非常に強力なスキルである。

しかし、万能なものでは断じてなく、特殊な状況下でない限りは「自分のレベル+【鑑定】のレベルの3倍」より上の相手には妨害されてしまうのだ。

俺の今の【鑑定】レベルは2。つまり相手は少なくとも、レベル31以上の相手である。

俺はテトのレベリングの成果を確認したが…

―――――――――――――――

名称:テト

種族:迷宮獣人族(猫)

レベル:30

性別:女

称号:【迷宮守護者】

スキル:【剣術Lv5】【身体強化Lv5】【直観Lv3】【氷魔法Lv2】

能力値

体力:C

筋力:C

防御力:E

俊敏性:B

魔力:C

幸運:F-

―――――――――――――――

かなり成長しているが…奴に勝てるかと言われると微妙なところだ。

テトは【鑑定】が使えないが、相手の強さは【直観】を用いて察せるはずだ。

だが、テトは俺を庇うように前に出た。

「おい!何してるんだ、逃げるって言ってるだろ!?」

「ご主人が生き残れば私は復活できるのでしょう?ならば私が囮になった方が逃走率は上がる」

そう言うや否や、テトは呪妖樹(イービルトレント)に向かって攻撃を仕掛けた。

氷魔法と斬撃による集中砲火。

今まで戦ってきた相手なら、一撃ごとに数体は倒せてもおかしくない。

だが、呪妖樹(イービルトレント)はまるで効いていないかのように迫り、その根を鞭のようにしならせてテトを吹き飛ばし、俺に激突させた。

内臓が潰れる感覚とともに、俺は口から大量の血を吐き出した。

かなりの致命傷だが、俺はまだましだ。

テトは上半身と下半身が衝撃で分かれ、触れた肌から感じる熱がどんどんと冷えていっている。

いくら蘇生が可能とはいえテトが戦闘力の大半を担っている以上、絶体絶命の状況であることに変わりない。

確かにテトは強くなってはいる。俺よりも、ずっと。

だがヤツ相手には勝つためにはおろか、時間稼ぎにすら力不足であった。

俺はテトの手を握り、【迷宮の主】の権限である転移を発動しようとした。

しかし、それを止めたのは…

まるで血の霧の如き深紅の長髪を靡かせた女性が、片手に持った悍ましい武器から放たれる一閃で呪妖樹(イービルトレント)を一刀両断する音だった。

「…大丈夫か?」

そう言って彼女はテトの口をこじ開け、真っ赤な回復薬を呑み込ませた。

その薬の効能は凄まじく、見る間に足が生え直っていった。

完全回復薬(フルポーション)だ。失った体力までは回復しないが…休息を十分にとれば回復する。君の分も必要か?」

「い、いえっ!私は回復魔法使えますし…」

「そうか…無理はするな。このあたりではまず見ない強さの魔物だ。手遅れになる前に見つけられて本当に良かった」

「あ、ありがとうございます…私はパル。この子はテト。あなたは…?」

「あぁ、紹介が遅れたな。私はケテル、冒険者をしている」

―――――――――――――――

名称:ケテル

種族:人間族

レベル:妨害

性別:女

称号:妨害

スキル:妨害

能力値

妨害

―――――――――――――――

名称:禍者(マガイモノ)

武器種:大剣

等級:妨害

特殊効果:妨害

―――――――――――――――

名前を聞くと同時に【鑑定】を使ってはみたが…ほとんど妨害されて見えない。

武器の名前と種族以外は見た目通りだったので、ほぼそれ以外の情報はなかった。

「まさか呪妖樹(イービルトレント)…それもレベル10程度のエリアにレベル53のヤツが現れるとはな…君たちはどうしてここでアイツと戦っていたんだ?」

「冒険者になるために森を抜けてルンツ王国に行こうとしたんです。そうしたらいきなり…護衛のテトが一撃であんな姿にされてしまって…」

「そうか…ならばコレを渡しておこう」

そう言って手渡してくれたのは、蒼い光を放つ水晶だった。

「これは…?」

「【消滅石】と言ってな、魔物は魔力と匂いで獲物を探すんだが、その両方を遮断できる。効果は丸一日はもつ」

「なにからなにまで…ありがとうございます」

「大したことじゃないさ。本当は護衛として同行したいところだが、急ぎの用事があってね…それじゃ、幸運を祈るよ」

そう言い残して、彼女は赤い閃光のごとき動きで、ルンツ王国…俺たちが向かうつもりだった国…の方角へと飛び去って行った。

俺が自分の体を回復していると…

「う…」

「テト!よかった、無事で…」

俺は無意識に大粒の涙を流し、テトに抱き着いていた。

「ご主人…そうだ、私…」

「いいんだ。結局助かったんだし」

そう言ってひとしきり頭を撫でたのち、消滅石を携えて俺たちはルンツ王国へ向かったのだった。

ケテルさんの元ネタがわかる人は作者と握手。

元ネタに恥じぬ程度には強いです。

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