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ダンジョン経営で暮らす異世界生活  作者: もふもふLv99
目覚め
3/5

森の中で

まだ2話しか投稿していないのに2件もブックマーク登録してもらっていたので、なろうの読者の中には相当な迷宮もの好きか百合好きがいるようですね。

本当にありがとうございます、励みになります。

さて。

森を抜けるとは言ったものの、これはそう簡単なことではない。

迷宮の外にいる以上、俺たちに強化は入らない。

テトはともかく俺は貧弱なステータスのため、ほとんど戦闘力はテト任せだ。

いかにも魔法職ですよ~といった風貌をしているくせに、魔力ですら7ランクもテトに劣っている。

いやまぁ、迷宮で生産される魔力を使えば、今覚えている魔法くらいは撃ち放題なのだが…

さすがにそんな勿体無い真似をしていると後悔するであろうことくらいは容易に想像できる。

ならばどうするか。

決まっている。

「…よし、このあたりを拠点にしよう」

そう言って、俺はテトの情報をもとに発見した湖のほとりに拠点を用意した。

といっても、食事も睡眠も不要なうえ、回復薬の類も素材だけあって技術がない。

故に荷物は着こんだ装備を除けば一切なく、その辺の平らな岩を運んできて椅子替わりにする程度で終わりである。

一般的な拠点作りに慣れたテトは「これを拠点というのは…まぁ、確かにこれで十分ではあるけど…」と複雑そうな顔をしているが、俺が無事でいるための最重要事項は「テトと別行動しない」なので、集合場所は必須なのだ。

そしてここで何をするかと言えば…そう、経験値稼ぎ(レベリング)である。

この森の中で魔物の強さと迷宮からの距離が丁度いいこの湖周辺の情報をテトから入手し、ここである程度までレベルとスキルを強化しておきたい、という想いがあった。

迷宮内部で発生した魔物ならこちらを上位者として扱い攻撃してこないため、それでレベルを上げるつもりだったのだが…

自身の迷宮で発生した魔物は経験値になってくれないため、ズルは出来ない仕様だったのだ。

そんな風に姑息な手段に思いをはせていると、早速こちらに魔物が現れた。

―――――――――――――――

種族:突撃猪

レベル:15

称号:なし

スキル:【身体強化Lv1】【突進Lv1】

―――――――――――――――

種族:一角兎

レベル:12

称号:なし

スキル:【身体強化Lv1】【直観Lv1】

―――――――――――――――

種族:大蛇

レベル:10

称号:なし

スキル:【身体強化Lv1】【毒撃Lv1】

―――――――――――――――

【突進】

方向転換ができなくなるが、一時的に速度が大きく上昇する。

―――――――――――――――

【毒撃】

触れた相手に対し、低確率で毒を付与する。

―――――――――――――――

いきなり3体か…

「テト、猪を頼む!大蛇は俺が!」

「わかった!」

短くそう交わし、俺は大蛇へ向き直る。

相手は同レベル、しかし接近戦主体の相手と違い、こっちには魔法がある。

「【氷結弾(アイスショット)】!【氷結弾(アイスショット)】!【氷結弾(アイスショット)】!」

俺は【氷魔法Lv1】で覚えた【氷結弾(アイスショット)】を3発放った。

毒を持ちこちらの背丈より大きい大蛇とはいえ蛇なことには変わらないからか、それだけで相手は絶命した。

大蛇の死亡を確認し、テトの方へ向き直ると…

「ふんッ!」

いつの間にか一角兎の方までテトが倒していた。

「すごいな、テト」

「このくらい当然」

と言いつつも、とても誇らしげな表情を浮かべて獲物を解体していた。

この世界の基礎知識は最初の時とテトからの聞き込みである程度理解しているため、魔物には魔石が存在すること、それを売ることが冒険者の主な収入であることも覚えていた。

そのため解体は当然のことなのだが、今回は肉の方もしっかりと活用する策があった。

それは撒き餌だ。

解体した魔物たちをさらに細かく刻み、血の匂いを辺りに撒く。

これで新たな魔物をおびき寄せようという作戦だ。

正直思い付きだったのであまり期待はしていなかったが…

―――――――――――――――

種族:小鬼(ゴブリン)

レベル:13

称号:なし

スキル:なし

―――――――――――――――

思ったより釣れた。

10体くらい釣れた。

俺たちは今茂みに隠れているので、ゴブリンたちには申し訳ないがカモでしかない。

「【氷結散弾(アイススプレッド)】!」

大量の相手には範囲攻撃が有効なのは言うまでもない。

この姑息な戦法を利用し、俺たち(というか俺)は順調にレベルを上げていった。

しかし。

「そろそろ夕暮れ。この辺で切り上げて町へ行こう」

「おっと、もうそんな時間か」

空を見上げれば真っ赤な夕焼けが見えていた。

夜になると魔物は活発化する。

そうなれば俺を守りながら勝ち続けることができるかは怪しいので、夕焼けが見えたら終了としていたのだった。

―――――――――――――――

名称:パル

種族:迷宮核晶(No.6263)

レベル:25

性別:なし

称号:【迷宮の主】

スキル:【守護者契約Lv☆】【迷宮操作Lv☆】【化身生成Lv☆】【回復魔法Lv4】【鑑定Lv2】【念話Lv2】【剣術Lv2】【身体強化Lv3】【直観Lv2】【氷魔法Lv5】

能力値

体力:E+

筋力:E+

防御力:E-

俊敏性:E

魔力:D

幸運:D+

―――――――――――――――

レベルもなかなか上がったし、これだけ強くなればテトの足手まといにはならない程度にはなっただろう。

そう思い、街へと歩みを進めた、その時だった。

「パル!伏せて!」

その声に驚き、反射的に屈んだ頭のすぐ上を、極太の木の根が切り裂いていった。

あれはいったい…!?

―――――――――――――――

種族:呪妖樹(イービルトレント)

レベル:妨害

称号:妨害

スキル:妨害

―――――――――――――――

鑑定が効かない。

それが意味するのは…

「テト、逃げるぞ!アイツにはまだ勝てない!」

圧倒的なほどの格上である、ということだった。

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