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5 最下層を目指して

この小説をここまで読んでくださり、また、初めて読もうとしてくださっている皆さん

本当にありがとうございます。


現在は、盛り上がりの少ない部分を書いていますが、これからまだ連載を続けていきたいと思っていますので、第一章の終わりまでは読んでいただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。


「いててててて」


崩れた床がまだ上からポロポロ落ちてきている。

アインが床を叩いた際に斧で俺をキャッチしてくれたため、無傷だが、

よくそんなに器用なことができるなと思った。


「よっと、やっぱこれ疲れるな」


アインは斧を小さくして、肩にしまった。


「一気に二層分は降りてこられたかなー」


アインは上を眺めながらそう言った。


「そろそろマナも足りるかな

創生術“治癒(ヒーリング)”」


アインは俺の方へ近づき、腕を治してくれた。

そして、あたりを見渡して、何かを探してる様子だった。


「よし、また探索を始めますかー」


その後、アインと会話を何度か交わし、彼はこのサハル砂漠にある鯨の鱗を集めているらしい。

あと、治癒(ヒーリング)は止血と、痛み止めの効果があるから今まで痛みがなかったのだと教えてくれた。


鯨の鱗を集めている理由は詳しく教えてくれなかったが、どうしても必要とのことだった。


また、サハル砂漠はミルフィーユ状になっていて、何段も層が重なっており、

その層によって生息している原生生物も異なり、凶暴さも下層に行くほど激しくなるらしい。


マナの量も下層に行けば行くほど大きくなると言っていた。


「気になったんですけど、これどうやって上に戻るんですか?」


俺はサハル砂漠に、来たのはいいものの、どこに行けばいいのかはさっぱりわからない。


それに加えて、早く地上に出て、スローライフを夢見ている。


「転移陣を探すしかないかな」


と彼は言った。

どうやら、各階層ごとに地上への転移陣があり、

それらは“探索家”と呼ばれる人達が出入りのしやすいように術を使ったものだと言う。


このサハル砂漠はとてもじゃないが、一年やそこらじゃ探索しきれない。

だが、非常に珍しい遺産や術具、伝記が残っているという。

それらを求めて、探索家がやってきて、ほとんどの探索家は、このサハル砂漠の中で暮らしているらしい。


中には、カバネリスなどの原生生物に殺されてしまうものや、

探索を諦めて自害するものもいるという噂もあるとかないとか。


そして、各階層に祠、洞窟のような場所があり、

そこに鯨の鱗が落ちていることがたまにあると言っていた。


「いつまで歩くんですか、アインさん」


「はぁ、はぁ、僕だってかなり疲れてるよ。

どのくらいマナを消費してると思ってるんだよ。

あと、さん付けしなくていいから、

アインでいいよ」


どうやら、アインは創生術は得意じゃないらしい。


「あんた創生術使えないの?

水くらい出してくれないか?」


「使ったことありませんし、使い方がそもそもわかりません」


なんで、治癒はできて、水出せないんだよ、とツッコミたかったが、

創生術には人それぞれ特性があると言っていたので、

多分アインは回復・強化、主に補助系のものしか使えないのだろう。


「力を一点に貯めて、はぁぁぁぁあ!って感じでやるんだよ」


アインは完全に人に物事を教えるのに不向きだ。

感覚主義者の教え方は前世から、かねがね受けてきたが、さっぱり訳がわからない。


しかしながら、喉の渇きも限界なので、俺は試しにやってみることにした。


「一点に力を貯める感じで」


俺は右手を前に出し、はぁぁぁああっと力を入れてみた。


しかし、いっこうに水が出る気配はない。


「なんだ、それ?」


アインが俺の足元を見て尋ねた。


「うわっ!

なんだこれ!?」


気が付くと俺の足元に変な紋章のようなものが浮き上がってきていた。

これはなんだろうか。


その紋章は段々水色へと変化していき、浮き上がってから消えた。


「何だったんだあれ?」


二人で不思議がっていると、周りの砂漠がぐらっと動いた。

そして次の瞬間、先ほど紋章が出ていた場所から水が湧き上がってきた。


「おぉ!! 水だ!

どんな創生術使ったんだよ、すごいなお前!」


「やった、水だ」


俺がやったのか? それは明確には分からなかったが、水が湧きだしており、

そこはオアシスのような場所になった。


「シューーーシューーーシューーーー」


なんだろう、砂が動いている音が聞こえる。


そちらの方向を眺めると、背びれのようなものが見えた。


「なんだろう、あれ…」


俺がボソッと独り言を言うと、アインが気付き、

そちらを見た。


「砂上カジキだ、あれは上物だな~」


よくよく見ると、一匹ではなく、群れのようだ。

そしてこちらへ向ってくる。


「おいおい、ヤバくないかこの数……」


あのアインが引け目を取っている。

どうやら巨人の斧(アトラス)を振り回すさっきの異性のよさとは打って変わった様子だった。


「おい! これは、どうしようもない……

逃げるぞーー!」


アインはそう叫んで、逃げ始めた。

俺も後を追って逃げる。


どうしろっていうんだ、こんな数の化け物!!

俺は無我夢中で走り始めた。

読んでくださりありがとうございました。


まだまだこれから創作していくつもりですので、応援の程、よろしくお願いいたします。


もしよろしければ、評価★★★★★、ブックマークの登録をしていただけると、

とても励みになります。

本当に読んでくださりありがとうございました。そして、これからも応援していただけるととても嬉しいです。

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